遠藤に、厳しい現実が突き付けられた。立ち合いで出足の鋭い妙義龍の圧力を受け止めると、激しい突っ張りで逆に押し込んでいく。だが土俵際で回り込まれるとこらえ切れず、自己ワーストを更新する初日から8連敗。負け越しが決まり「前に出ても勝てないので、今日は負けです。以上」とだけ話した。

 昨年から抱える左膝、右足首痛で休場して十両転落も味わったが、返り入幕した夏場所は11勝して復活を印象づけた。それでも「なまくらです。そのぐらいごまかして、最後はやっていた」という。稽古再開直後は汗もかけず、稽古量は好調時の3分の1程度。それでも、場所中に決して痛みを訴えないのは「自分でも『痛い』と思ってしまう。気持ちの問題もある」という考えによる。言葉が少ないのは、最善を尽くしている証し。後半戦は、結果につなげたい。