昨2015年、YAMAHA FACTORY RACING TEAMと唯一の同一ラップで2位のチェッカーを受けたF.C.C. TSR Honda。
今年は世界耐久選手権の開幕戦、フランスのルマン24時間に参戦して3位、第2戦ポルティマオ12時間ではマシントラブルながら12位完走を果たしており、日本のトップコンストラクターとしての意地を見せた。現在、チームとして世界耐久選手権のランキングで4位となっており、この鈴鹿8耐での成績次第では世界耐久チャンピオンの可能性も高まってくる。
「世界耐久選手権は本当におもしろい。チームも観客も、本当のバイク好きが集まっているからね。でも、ルマンやポルティマオに参戦したのは、当然のことだけど鈴鹿8耐のタイトルを取り戻すためなんだよ」と語るのは藤井正和総監督。そして鈴鹿8耐では「2分08秒台ラップで218周走破」の目標をぶち上げた。
これにライダーの渡辺一馬は「かなり高い設定だけれど、鈴鹿8耐で勝つためにル・マン24時間やポルティマオ12時間を戦ってきた。藤井総監督の目標を何としてでもクリアしたい」と語る。また、ポルティマオ12時間でチームに加わったパトリック・ジェイコブセンは「可能性は十分さ。僕はプレッシャーが大好きだから、目標は高ければ高いほど楽しめるんだ」。
そして昨年に続いて同チームから参戦するMoto2クラスを戦うドミニク・エガーターは「素晴らしい目標だし、それに向けて全力で挑戦するよ」と、こちらはやや冷静。それもそのはず、エガーターは2014年に3位(このときはTeam KAGAYAMA & Verity)、2015年に2位と連続して表彰台に立っており、勝つためにはどうしたらいいのかを心得ているからだ。
もちろん藤井総監督もエガーターに期待するところは大きく、「ヤマハに対抗するためには、ドミニク(エガーター)のコーナリングの速さが欠かせないんだ」と語るほどで、エガーターがこのチームのキーマンでもある。
F.C.C. TSR Hondaは2006年、そして2011年と2012年に鈴鹿8耐で優勝している強豪チームだが、まずは鈴鹿8耐を制し、そして弾みをつけて一気に世界耐久チャンピオンを獲りに行く。F.C.C. TSR Hondaのすごさを、ぜひサーキットで感じてほしい。