大相撲の大関照ノ富士(24=伊勢ケ浜)が7日、約半年ぶりに関取衆との稽古で全力を出した。東京・江東区の部屋で幕内宝富士、十両誉富士と計21番。まげを振り乱しながら12勝9敗で終えて「半年ぶりに関取衆との稽古で100%出した。負けるからまだまだだけど、あと2週間あれば十分」と、2度目のかど番で迎える名古屋場所(7月10日初日、愛知県体育館)に向けて力強く話した。

 度重なるけがで満身創痍(そうい)で臨んだ夏場所は、3日目から大関史上ワーストの13連敗。「これで弱い大関と呼ばれる」と肩を落としたものの、この日は「怖さもあったけど、筋肉が良くなってきたから、ちょっとずつ力が出せるようになってきた」と回復を実感した。痛めた両膝、右肩、左肘など負荷をかけられるようになり、四股の数も増えて体にも張りが出てきた。大関昇進から1年。大器が雪辱へ静かに動き始める。