ジェイテクトの駆動製品を伊賀試験場で体感

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先代トヨタ オーリス RSのトルセン非搭載車(市販車)と非搭載車(実験車)
  • 先代トヨタ オーリス RSのトルセン非搭載車(市販車)と非搭載車(実験車)
  • トヨタ 86 GT (トルセン搭載車)とG(トルセン非搭載車)
  • 日産ジューク 16GT FOUR(Twin-ITCC搭載車)
  • 先代トヨタ オーリス RS
  • トヨタ 86 GT(トルセン搭載車)
  • 日産ジューク 16GT FOUR(Twin-ITCC搭載車)
  • TORSEN Type-B
  • ITCCおよびデファレンシャルユニット

ジェイテクトは7月14日、三重県伊賀市にある「伊賀試験場」で、基幹事業の一つである駆動製品の体験会をメディア向けに行った。

同社は2006年1月、軸受メーカーの光洋精工(1921年設立)と工作機械メーカーの豊田工機(1941年設立)が合併して誕生。2016年の売上高は、グローバルで1兆4000億円という巨大サプライヤーであり、売上高の60%が海外というグローバル企業でもある。

10周年の今年は「歴史ある若い会社」をキャッチフレーズに、電動パワーステアリングやトルセンLSDといった世界シェアでは「ナンバーワン」、技術的には「オンリーワン」の商品を持つことなど、企業としての価値を積極的にアピールしている。

今回の体験会は、自動車部品事業本部が今年4月からステアリングと駆動の2つに分割され、駆動事業が「駆動事業本部」として独立したのを機に、その代表的な製品である「TORSEN(トルセン)」、そして電子制御4WDカップリング「ITCC」をベースにした「Twin-ITCC」の効果を実際に体感してもらおうというもの。

会場は、2012年に開所したテストコース「伊賀試験場」。50万平方mの敷地に、全長2200mの総合周回路(直線1000m、ワインディング路1200m)、各種凸凹路面の異音評価路、最大水深50cmの冠水路などを持つ。完成車メーカーが新型車をテストするために、機密性の高い専用ピットも備えている。

体験会自体は、平滑な路面が見渡す限り広がるダイナミクスパッド(5万4000平方m)で行われた。用意された車両は、トヨタ 86(6MT)のトルセンLSD搭載車と非搭載車(いずれも市販車)、先代トヨタ オーリス RS(1.8L、6MT)のトルセンLSD搭載車(実験車両)と非搭載車(市販車)、そして市販車で唯一「Twin-ITCC」を搭載する日産ジューク 16GT FOUR(1.6リットル直噴ターボ、CVT)の計5台だ。

86とオーリスは、同社テストドライバーの運転による同乗走行だったが、トルセンLSDならではのトラクション性能やライントレース性を確認できた。ジューク 16GT FOURの方は実際に運転し、Twin-ITCCならではの高いコーナリング性能や回頭性の良さを体感できた。

こうした駆動事業の将来性について、同社では「電動化がある程度進んだとしても、我々が提供する技術や製品が不要になることは当面ない」とする。また、トルセンLSDについては、これまでのFR車(採用例はトヨタ 86やレクサス RCFなど)やフルタイム4WD車(アウディの“クワトロ”モデルやトヨタ ランドクルーザーなど)に加えて、今後は欧州で人気の高性能FF車での採用拡大を狙うという。

一方で、世界的には燃費性能への要求が高まっており、今後はITCCのような電子制御オンデマンド4WDの需要がさらに高まるという展望が示された。

《丹羽圭@DAYS》

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