オリジナル作品としては、『Figure In A Landscape』(2001年)以来(!)の作品。
Bad English以降のオリジナルソロ3作品は、ベテランらしいシンプルで落ち着いた雰囲気の、時に洗練された、時にちょっぴり土の匂いのするAORを奏でていた。それらでは、ジョンの繊細な息遣いの伝わるエモーショナルな歌唱を聞かせてくれていた。
ところが、今回はジャケットからもなんとなく想像がつくとおり、かなりロックしている!アルバムタイトルの通り生々しく荒削りなエレキギターの音を前面に出した、70年代風ロック〜ハードロック的な曲が多い!これが「ベテランが勝負に出たな」と感じさせる高揚感があってなんとも痛快な心地よさがあります。
#1や#3は、大雑把に言うとストーンズやツェッペリン等に通じるの超クールなリフが魅力のロック〜ハードロック、#6や#11はアップテンポでアグレッシブとも形容できそうなロックンロールで、これらでは『Ignition』のころに戻ったような艶のある歌唱を聞かせている(#11はラフでアグレッシブに生まれ変わったセルフカバーです)。一方で、近年の作品に通じる、エモーショナルで繊細な歌を聞かせる#4、#8、#12などもちゃんと収録している。
というわけで、彼のもともとの魅力はそのままに、より“ロック”な装いをまとったエキサイティングな作品です。