内村鑑三は札幌農学校(現在の北海道大学)で、あの”Boys, be ambitious.”(青年よ、大志を抱け)という別れの言葉で有名なウィリアム・スミス・クラークの感化を受けた学生の一人である。このクラークというのが実に不思議な人物で、日本で学生たちに接したのはわずか8カ月だというのに、内村、新渡戸稲造らに深い影響を与えている。しかも内村らは二期生で、クラークから直接教えを受けた一期生ではないというのだから、その影響力たるや恐るべきものだ。
教育というものを考えるとき、クラークと吉田松陰は、私たちを勇気づけてくれる驚異の教育者である。人を育てる決定的な因子は、「知識」や「期間」ではなく、「情熱」なのだ。
『クラークの一年――札幌農学校初代教頭の日本体験』(太田雄三著、昭和堂。出版元品切れだが、amazonで入手可能)で、クラークの考え方と行動を、『クラーク先生とその弟子たち』(大島正健著、教文館。出版元品切れだが、amazonで入手可能)で、一期生として直に指導を受けた大島の感動的な体験を、『クラークの手紙――札幌農学校生徒との往復書簡』(佐藤昌彦、大西直樹、関秀志編・訳、北海道出版企画センター。出版元品切れだが、amazonで入手可能)では、クラークと学生たちとの心の通い合いを、そして、『W・S・クラーク――その栄光と挫折』(ジョン・M・マキ著、高久真一訳、北海道大学図書刊行会)によって、日本と米国におけるクラークの波瀾に満ちた生涯の全体像を知ることができる。

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W.S.クラーク―その栄光と挫折 単行本 – 1978/3/25
「青年よ,大志を抱け!」の言葉とともに日本の教育界に大きな影響を与えながら,本国においては現在知る人もいないクラーク博士とは如何なる人物か. 栄光のヴェールに隠されたその全貌を,米国側の膨大な資料に基づき綴る,軍人クラーク,実業家クラークを含む全生涯.
- 本の長さ372ページ
- 言語日本語
- 出版社北海道大学出版会
- 発売日1978/3/25
- ISBN-104832930427
- ISBN-13978-4832930421
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商品の説明
著者について
J. M.マキ(ジョン.M.マキ) 1909年,アメリカ西海岸のワシントン州に日系二世として生まれる. 1948年,ハーバード大学で博士号取得. 母校ワシントン大学勤務を経て, 1966年以後,クラークゆかりのマサチュセッツ州立大学アマースト校教授.政治学専攻. 高久 眞一(たかく しんいち) 札幌学院大学人文学部教授.北海道大学名誉教授.英文学専攻
登録情報
- 出版社 : 北海道大学出版会 (1978/3/25)
- 発売日 : 1978/3/25
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 372ページ
- ISBN-10 : 4832930427
- ISBN-13 : 978-4832930421
- Amazon 売れ筋ランキング: - 494,533位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 9,424位日本史 (本)
- - 70,590位ノンフィクション (本)
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