ザフェデラリストには初対面でした。某書籍の参考文献から気になって読んでみました。
(+)アメリカ独立戦争後のアメリカの状況や政治権力の機能について深めることができます。特に地方分権、それから権力分立や大衆民主主義への危惧などにご興味のある方には楽しいと思いました!ぜひ、どうぞ!
政治を行うことは人類の歴史を見てもまだまだ中途半端で妥協の産物なのだと感じました。
(-)理解しながらコツコツ読み終えるまでに私はとてもとても長い時間がかかりました汗
またほかの方のレビューにある通り、すべての節が網羅されているわけではなく全体の8割ほどの篇を抜粋して訳している感じですので、すべての篇の全文を読んでみたくなりました。いずれは...原文で全部読んでみたいと思いました(笑)
(総評)
我が国も外交内政、そして政治システムや憲法・法制度を戦略的かつ多角的に考えていくべきだ、と考えさせる一冊でした。この本、宝物にしたいです!
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ザ・フェデラリスト (岩波文庫 白 24-1) 文庫 – 1999/2/16
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アメリカ政治思想史上第一にあげるべき古典.連邦憲法案を擁護し,世論に訴えて憲法案の批准を確保すべく執筆された論文集.およそ政治の根底にある権力の必要性と危険性との緊張関係を鋭く把握し,権力と自由との均衡をいかに確保するかを説く.全85篇中,現代の我々にも大きな示唆を与えるであろう31篇を選んで収録.
- 本の長さ414ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日1999/2/16
- 寸法10.5 x 2 x 14.8 cm
- ISBN-104003402413
- ISBN-13978-4003402412
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (1999/2/16)
- 発売日 : 1999/2/16
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 414ページ
- ISBN-10 : 4003402413
- ISBN-13 : 978-4003402412
- 寸法 : 10.5 x 2 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 179,013位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2015年7月3日に日本でレビュー済み
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2021年8月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
何かの本の紹介されていて読んだ。もうずいぶん前に読んだ。独立戦争当時のアメリカが描かれていてる。信仰との葛藤が書かれていたと思う。
2012年1月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
建国後、200年以上にわたる国家の繁栄をもたらしたアメリカ合衆国の建国原理の精神から、様々な現代政治制度への教訓を学び取ることでできる書物です。
一つの見方として、昨今本邦で流行している「地方分権論」への強烈なアンチテーゼとして読むことが可能です。政治的・経済的・軍事的に安定的な国家を維持・運用し、自国を他国から蹂躙されるのを防ぐため、邦政府(州)に広範囲の自治権を認めつつ、その上に立つ連邦政府の中央集権の強化の必要性を説きます。邦政府と違い、直接地域住民の支持を得ていない連邦政府は地方政府に比べ弱い立場にあり、また邦政府は連邦政府から権限を奪い取ろうとする傾向が強いためです。そして邦政府は目先の利益や地域利益誘導への偏愛に満ちており、国家全体としての認識の能力をも欠いています。そのため、連邦(国)の目的を達成し国民への新なる自由を保障するためにも、連邦政府の権限強化を必要と説きます。
邦政府を都道府県、連邦政府を中央政府と読み替えれば、必ずや国家の将来の衰退をもたらす昨今の我が国における地方分権論の誤りを余すところ無く示し、強力なアンチテーゼとしてその価値を持っていると思うので、是非とも読んで欲しい書物です。
一つの見方として、昨今本邦で流行している「地方分権論」への強烈なアンチテーゼとして読むことが可能です。政治的・経済的・軍事的に安定的な国家を維持・運用し、自国を他国から蹂躙されるのを防ぐため、邦政府(州)に広範囲の自治権を認めつつ、その上に立つ連邦政府の中央集権の強化の必要性を説きます。邦政府と違い、直接地域住民の支持を得ていない連邦政府は地方政府に比べ弱い立場にあり、また邦政府は連邦政府から権限を奪い取ろうとする傾向が強いためです。そして邦政府は目先の利益や地域利益誘導への偏愛に満ちており、国家全体としての認識の能力をも欠いています。そのため、連邦(国)の目的を達成し国民への新なる自由を保障するためにも、連邦政府の権限強化を必要と説きます。
邦政府を都道府県、連邦政府を中央政府と読み替えれば、必ずや国家の将来の衰退をもたらす昨今の我が国における地方分権論の誤りを余すところ無く示し、強力なアンチテーゼとしてその価値を持っていると思うので、是非とも読んで欲しい書物です。
2023年10月29日に日本でレビュー済み
※本書は「政治の古典としてよく引用され引照される各篇,また現代政治理解にも示唆を与えると思われる各篇,計31篇」の抜粋である(5頁)。たしかに10・51篇など有名どころは読むことができるが,その一方で,たとえば43篇など,評者には極めて重要と思われる一部の章は割愛されてしまっている。全てを読むには
単行本版
を買うしかない。
丸括弧を付したものは未収録。
1 H 序論
3 J 対外関係と連邦の効用
4 J 続き
9 H 連邦共和国の利点(モンテスキュー論)
10 M 派閥の弊害と連邦制による匡正
11 H 連邦共和国と海洋国家
14 M 連邦共和国の実現可能性
15 H 連合規約の欠陥
(16 H 連合が無政府状態に陥る傾向)
23 H 連邦の維持と強力な権限
25 H 共同防衛の必要性とその性格
27 H 内政における連邦政府の役割
28 H 連邦共和国内における軍事力の行使
33 H 必要にして適切条項と最高法規条項
37 M 憲法会議の課題とその難しさ
38 M 憲法反対論の要約と連動規約の欠陥再考
39 M 憲法案の共和政と連邦制との関係
(43 M その他の権限,批准州との関係)
45 M 列挙された連邦の権限と留保された州の権限
46 M 連邦政府および州政府と人民の関係
47 M 権力分立制の意味
48 M 立法部による権力侵害の危険性
(49 M 権力争奪防止策)
(50 M 違憲に対する監察)
51 M 抑制均衡の理論
52 M 下院議員に関する被選挙規定
53 M 下院議員の任期
60 H 代表と有権者との関係
62 M 上院の構成
63 M 上院議員の任期
64 J 上院の条約締結権
70 H 強力な行政部
71 H 大統領職の任期
78 H 司法部の機能と判事の任期
85 H 結語
憲法案(1787)
解説
丸括弧を付したものは未収録。
1 H 序論
3 J 対外関係と連邦の効用
4 J 続き
9 H 連邦共和国の利点(モンテスキュー論)
10 M 派閥の弊害と連邦制による匡正
11 H 連邦共和国と海洋国家
14 M 連邦共和国の実現可能性
15 H 連合規約の欠陥
(16 H 連合が無政府状態に陥る傾向)
23 H 連邦の維持と強力な権限
25 H 共同防衛の必要性とその性格
27 H 内政における連邦政府の役割
28 H 連邦共和国内における軍事力の行使
33 H 必要にして適切条項と最高法規条項
37 M 憲法会議の課題とその難しさ
38 M 憲法反対論の要約と連動規約の欠陥再考
39 M 憲法案の共和政と連邦制との関係
(43 M その他の権限,批准州との関係)
45 M 列挙された連邦の権限と留保された州の権限
46 M 連邦政府および州政府と人民の関係
47 M 権力分立制の意味
48 M 立法部による権力侵害の危険性
(49 M 権力争奪防止策)
(50 M 違憲に対する監察)
51 M 抑制均衡の理論
52 M 下院議員に関する被選挙規定
53 M 下院議員の任期
60 H 代表と有権者との関係
62 M 上院の構成
63 M 上院議員の任期
64 J 上院の条約締結権
70 H 強力な行政部
71 H 大統領職の任期
78 H 司法部の機能と判事の任期
85 H 結語
憲法案(1787)
解説
2021年7月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アメリカ🇺🇸の歴史を知りたくて、購入しました。この本はまだまだ、初めで、もっと内容が深い本にチャレンジしてみたいです。
2018年5月13日に日本でレビュー済み
18世紀の終わり、英国からの独立戦争を経て独立を果たした米国では、それまでの「連合規約」をさらに強固にすることで合衆国を作るべきだ、という機運が高まり合衆国憲法案が作られます。しかし本書の解説にもあるように、恒常的な中央政府を作ることについては、根強い懐疑論もあったとのことで、その懐疑論に反論するため、また憲法案の理解を進めるために、ハミルトン、マディソン、ジェイという3人を中心に新聞紙上で合衆国憲法擁護論を展開したのが本書になります。その意味で、本書を読み進めるにあたっては当時の人々の立場になる必要があるかもしれません。私が当時の米国に住んでいたなら、またやっとのことで英国からの独立を勝ち取ったという状況下で、この憲法案に賛成するだろうか、という視点です。
一般大衆を説得すべく新聞向けに書かれた文章ですので、文章自体はわかりやすいのですが、当時の文脈がわからないとわかりづらい点もあります。しかしかなりの部分は訳注によって理解ができるよう配慮されていました。本書を読んで感じたのは、論考全体が醸し出す「リアリズム」と「ユートピアニズム」の絶妙なバランスです。E.H.カーは両者のバランスの重要さを強調していますが、ハミルトン他の論考を読むと、基本的にはリアリズム重視である。つまり英国、フランス、スペインなどの欧州大国からいかに自分たちを守らなければならないか、ということで、ベースとしてはそこを強調しながら合衆国憲法案を推している。しかしそれだけではなく、この憲法案を通じて構築される連邦国家は世界にいまだ存在しない人民主権の初めての国になるだろう、それを我々が成し遂げようではないか、ということでユートピアニズム的な(あるいは理想主義的な)姿も示すことで人民の支持を得ようという姿です。200年以上前に作られた政治体制案が現在においても基本的には機能していることに驚嘆しましたし、足元の米国を見ても、トランプ政権が憲法に反するような立法行為を行おうとしても司法当局がそれを却下する様を見ると、まだまだ米国は機能しているぞ、と逆に感心してしまう次第です。
一般大衆を説得すべく新聞向けに書かれた文章ですので、文章自体はわかりやすいのですが、当時の文脈がわからないとわかりづらい点もあります。しかしかなりの部分は訳注によって理解ができるよう配慮されていました。本書を読んで感じたのは、論考全体が醸し出す「リアリズム」と「ユートピアニズム」の絶妙なバランスです。E.H.カーは両者のバランスの重要さを強調していますが、ハミルトン他の論考を読むと、基本的にはリアリズム重視である。つまり英国、フランス、スペインなどの欧州大国からいかに自分たちを守らなければならないか、ということで、ベースとしてはそこを強調しながら合衆国憲法案を推している。しかしそれだけではなく、この憲法案を通じて構築される連邦国家は世界にいまだ存在しない人民主権の初めての国になるだろう、それを我々が成し遂げようではないか、ということでユートピアニズム的な(あるいは理想主義的な)姿も示すことで人民の支持を得ようという姿です。200年以上前に作られた政治体制案が現在においても基本的には機能していることに驚嘆しましたし、足元の米国を見ても、トランプ政権が憲法に反するような立法行為を行おうとしても司法当局がそれを却下する様を見ると、まだまだ米国は機能しているぞ、と逆に感心してしまう次第です。
2010年11月15日に日本でレビュー済み
アメリカ合衆国における州は、強力な自治権を有している。しかし、我々は中央集権的な連邦政府に、アメリカの姿を重ね合わせてはいないだろうか。本来、13邦の独立運動としての戦争である独立戦争に勝利し、成立されたUnited States of Americaはその名の通り、諸邦の連合という意味合いが強いものであり。決して、今日、我々が想起するような連邦政府と言えるものでは無かったのである。では、アメリカを強力な連邦国家へと変えたものは一体何だったのだろうか。
それが、本書のタイトルになっている「ザ・フェデラリスト」である。フェデラリストとは連邦主義者であり、アメリカ合衆国を現在のような連邦制国家として成立させるために尽力した人々のことである。反対に、13邦の独立と連合の存続を望む人々はフェデラリストとの対比においてアンチ・フェデラリストと呼ばれた。このことから、当時、フェデラリストが有力な勢力であったとは考えてはならない、むしろ、大規模な連邦制反対のキャンペーンが展開されるほど、アンチ・フェデラリストも強力であったのである。
本書もこのような情勢下において、執筆されたものである。「ニューヨーク邦の皆さんへ」という文章で始まる本書は、ハミルトン、ジェイ、マディソンによって執筆された論文集である。解説にその点の経緯について書いてあるので、詳しくは解説を読んで頂きたいが、これらの論文集が現実政治のただなかで書かれたものであるとだけは言っておこう。
ところで、本書は、このような性格の文章であるからこそ、重要な意味を持っている。それは、民主主義において避けることのできない国家と国民のジレンマについて重要な示唆を与えてくれているということである。民主主義はその基礎を国民に置いている以上、国民が主権者であり、その判断が最高の法規範であるはずである。しかし、まとまった意見を集団がもつためには、それ相応の行政機関乃至執行機関が要求されることもまた事実である。したがって、この国家機関の権限はどこまで認められるべきかという問題が出てくる。当然、個人の権利を抑圧する可能性を持った国家の権限は最小限度にとどめるべきであるが、小さすぎる権限は国家の統一性を弱め、その国家を機能不全に陥らせる危険性があり、また、国民がその場の情念で動く可能性がある以上、必ずしも適正な判断を下すことを期待することはできないのである。
「ザ・フェデラリスト」は直接的にこのような民主主義のジレンマについても扱っている。また、連邦と州の持つ権限に関する数多くの議論を、国家と国民という構図に置きかえることで、より深い示唆が本書から得られるかもしれない。
それが、本書のタイトルになっている「ザ・フェデラリスト」である。フェデラリストとは連邦主義者であり、アメリカ合衆国を現在のような連邦制国家として成立させるために尽力した人々のことである。反対に、13邦の独立と連合の存続を望む人々はフェデラリストとの対比においてアンチ・フェデラリストと呼ばれた。このことから、当時、フェデラリストが有力な勢力であったとは考えてはならない、むしろ、大規模な連邦制反対のキャンペーンが展開されるほど、アンチ・フェデラリストも強力であったのである。
本書もこのような情勢下において、執筆されたものである。「ニューヨーク邦の皆さんへ」という文章で始まる本書は、ハミルトン、ジェイ、マディソンによって執筆された論文集である。解説にその点の経緯について書いてあるので、詳しくは解説を読んで頂きたいが、これらの論文集が現実政治のただなかで書かれたものであるとだけは言っておこう。
ところで、本書は、このような性格の文章であるからこそ、重要な意味を持っている。それは、民主主義において避けることのできない国家と国民のジレンマについて重要な示唆を与えてくれているということである。民主主義はその基礎を国民に置いている以上、国民が主権者であり、その判断が最高の法規範であるはずである。しかし、まとまった意見を集団がもつためには、それ相応の行政機関乃至執行機関が要求されることもまた事実である。したがって、この国家機関の権限はどこまで認められるべきかという問題が出てくる。当然、個人の権利を抑圧する可能性を持った国家の権限は最小限度にとどめるべきであるが、小さすぎる権限は国家の統一性を弱め、その国家を機能不全に陥らせる危険性があり、また、国民がその場の情念で動く可能性がある以上、必ずしも適正な判断を下すことを期待することはできないのである。
「ザ・フェデラリスト」は直接的にこのような民主主義のジレンマについても扱っている。また、連邦と州の持つ権限に関する数多くの議論を、国家と国民という構図に置きかえることで、より深い示唆が本書から得られるかもしれない。
2008年1月16日に日本でレビュー済み
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この本は当時のアメリカの背景が理解できてないと読むのが難しと感じた。1787年に発刊との事なので,大統領制の前つまり大陸会議時代に発刊されている。「A.ハミルトンは初代(ジョージ・ワシントン)の時の財務長官で1804年に決闘で死去」「J.ジェイは初代(ジョージ・ワシントン)の時の最高裁長官」「J・マディスンは4代目大統領,3代トーマス・ジェファーソン大統領当時の国務長官」だそうだが,「憲法制定会議において作成されたアメリカ合衆国憲法案を批准しない邦である、ニューヨーク邦の市民へ向けて書かれた論文(Wikimedia)」となっているが、当時の「タマ二―派(現在はかなり政治色が強いらしいが)への啓蒙あるいは統一世論作成」の為に書かれたのではないかと感じた。またこの本だけでなく「アメリカ建国とイロコイ民主制」も読んだ方が良いと感じた。(私は政治論争より「民主主義とは」が知りたくてこの本を読んだため)