短歌月刊誌「歌壇」11月号では、斉藤茂吉「赤光」刊行100年を記念として特集が組まれています。この中で誰しもが名作として挙げているのが、
のど赤き玄鳥ふたつ屋梁にゐて足乳ねの母は死にたまふなり
玄鳥(つばくらめ)、屋梁(はり)、足乳(たらちね)、とルビをふった瞬間に、軒下に見える、のど元を赤く染めた燕が二羽、その音律とともに絵から飛び出すようだ。それが春を告げる歓びではなく、母の死を見守る視線と結びつき二つの視線が交差する。冴え冴えとした視線でみたものを所依超過していくのが茂吉の特徴ですね。
凛とした視線の確かさをいち早く感じ取っていたのが芥川龍之介。芥川をして短歌の世界に目覚めさせたのが茂吉だと、龍之介は回想しています。(この文庫本には芥川龍之介の茂吉論が収録されている)「ゴッホの太陽は日本の画家のキャンバスを照らした。しかし、「一本道」の連作ほど、鎮痛なる風景を照らしたことはなかったであろう」と言って、
あかあかと一本の道とほりたりたまきはるわが命なりけり
を引いている。さらに、「後期印象派の展覧会をみているようだ」、と言い、
いちめんにふくらみ円き粟畑を潮ふきあげし疾風とほる
そして、茂吉という「画家自身の姿さえ写されている」。
ふゆ原に絵をかく男ひとり来て動くけむりをかきはじめたり
芥川のこの発見をもう少し遠くまで辿ってみましょう。冬の野に来たこの男は、情景を描写しようとして、実は、けむりの中に象徴的に溶け込ませたドラマを演出するに違いない。例えば、こうだ。
おのづからうら枯るる野に鳥落ちて啼かざりしかも入日の赤きに
すっかり枯れ果てた野に鳥が消えてしまう夕暮れ、から連想される沈鬱な心がキャンパス全面にひろがった心象風景に見えてきませんか。
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赤光 (新潮文庫) 文庫 – 2000/2/29
斎藤 茂吉
(著)
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100年後も消えることなき歌がある。
近代短歌史上最高と謳われる伝説的処女歌集。
『赤光』は、当時の歌壇に一大センセーションを巻き起こした処女歌集である。「死にたまふ母」「悲報来」「おひろ」など、作品は生の苦悩と輝きの瞬間に満ち溢れる。内面の凝視を外界の写実へと昇華させ、伝統的技法と近代的自我の融合を成し遂げた。大正2(1913)年の初版刊行から世紀を経た現在もなお、人生の一風景や叙述の深処に宿る強烈な人間感情に心震える、伝説的歌集の新装版。
芥川龍之介による「斎藤茂吉」(大正13年)、および、詳細な注記を付す。
【目次】
大正二年
1 悲報来(十首)
2 屋上の石(八首)
3 七月二十三日(五首)
4 麦奴(十六首)
5 みなづき嵐(十四首)
6 死にたまふ母(五十九首)
7 おひろ(四十四首)
8 きさらぎの日(十一首)
9 口ぶえ(五首)
10 神田の火事(五首)
11 女学院門前(五首)
12 呉竹の根岸の里(十一首)
13 さんげの心(十七首)
14 墓前(二首)
明治四十五年 大正元年
1 雪ふる日(八首)
2 宮益坂(八首)
3 折に触れて(八首)
4 青山の鉄砲山(八首)
5 ひとりの道(十四首)
6 葬り火(二十首)
7 冬来(十四首)
8 柿乃村人へ(十首)
9 郊外の半日(十七首)
10 海辺にて(二十三首)
11 狂人守(八首)
12 土屋文明へ(八首)
13 夏の夜空(八首)
14 折々の歌(二十六首)
15 さみだれ(八首)
16 両国(八首)
17 犬の長鳴(八首)
18 木こり(十七首)
19 木の実(八首)
20 睦岡山中(十一首)
21 或る夜(八首)
明治四十四年
1 此の日頃(八首)
2 おくに(十七首)
3 うつし身(十七首)
4 うめの雨(二十首)
5 蔵王山(八首)
6 秋の夜ごろ(二十首)
7 折に触れて(二十首)
8 遠き世の……(二首)
明治四十三年
1 田螺と彗星(十一首)
2 南蛮男(十一首)
3 をさな妻(十四首)
4 悼堀内卓(七首)
自明治三十八年 至明治四十二年
1 折に触れ(十七首)
2 地獄極楽図(十一首)
3 蛍(五首)
4 折に触れて(二十首)
5 虫(八首)
6 雲(十四首)
7 苅しほ(八首)
8 留守居(八首)
9 新年の歌(十四首)
10 雑歌(十一首)
11 塩原行(四十四首)
12 折に触れて(二十首)
13 細り身(三十五首)
14 分病室(四首)
巻末に
斎藤茂吉 芥川龍之介
赤光 吉本隆明
解説 小林恭二
斎藤茂吉(1882-1953)
近代短歌を確立した歌人。山形県金瓶村(現・上山市金瓶)の旧家に生れ、開業医であった親戚、斎藤紀一のもとで(後に養子縁組)一高から東大に学び精神科医となる。一方、中学時代から和歌に興味を持ち、正岡子規の影響を強く受けて作歌に熱中する青年時代を送った。代表的歌集に『赤光』『あらたま』『ともしび』『白き山』など。『柿本人麿』ほか評論も多数。
近代短歌史上最高と謳われる伝説的処女歌集。
『赤光』は、当時の歌壇に一大センセーションを巻き起こした処女歌集である。「死にたまふ母」「悲報来」「おひろ」など、作品は生の苦悩と輝きの瞬間に満ち溢れる。内面の凝視を外界の写実へと昇華させ、伝統的技法と近代的自我の融合を成し遂げた。大正2(1913)年の初版刊行から世紀を経た現在もなお、人生の一風景や叙述の深処に宿る強烈な人間感情に心震える、伝説的歌集の新装版。
芥川龍之介による「斎藤茂吉」(大正13年)、および、詳細な注記を付す。
【目次】
大正二年
1 悲報来(十首)
2 屋上の石(八首)
3 七月二十三日(五首)
4 麦奴(十六首)
5 みなづき嵐(十四首)
6 死にたまふ母(五十九首)
7 おひろ(四十四首)
8 きさらぎの日(十一首)
9 口ぶえ(五首)
10 神田の火事(五首)
11 女学院門前(五首)
12 呉竹の根岸の里(十一首)
13 さんげの心(十七首)
14 墓前(二首)
明治四十五年 大正元年
1 雪ふる日(八首)
2 宮益坂(八首)
3 折に触れて(八首)
4 青山の鉄砲山(八首)
5 ひとりの道(十四首)
6 葬り火(二十首)
7 冬来(十四首)
8 柿乃村人へ(十首)
9 郊外の半日(十七首)
10 海辺にて(二十三首)
11 狂人守(八首)
12 土屋文明へ(八首)
13 夏の夜空(八首)
14 折々の歌(二十六首)
15 さみだれ(八首)
16 両国(八首)
17 犬の長鳴(八首)
18 木こり(十七首)
19 木の実(八首)
20 睦岡山中(十一首)
21 或る夜(八首)
明治四十四年
1 此の日頃(八首)
2 おくに(十七首)
3 うつし身(十七首)
4 うめの雨(二十首)
5 蔵王山(八首)
6 秋の夜ごろ(二十首)
7 折に触れて(二十首)
8 遠き世の……(二首)
明治四十三年
1 田螺と彗星(十一首)
2 南蛮男(十一首)
3 をさな妻(十四首)
4 悼堀内卓(七首)
自明治三十八年 至明治四十二年
1 折に触れ(十七首)
2 地獄極楽図(十一首)
3 蛍(五首)
4 折に触れて(二十首)
5 虫(八首)
6 雲(十四首)
7 苅しほ(八首)
8 留守居(八首)
9 新年の歌(十四首)
10 雑歌(十一首)
11 塩原行(四十四首)
12 折に触れて(二十首)
13 細り身(三十五首)
14 分病室(四首)
巻末に
斎藤茂吉 芥川龍之介
赤光 吉本隆明
解説 小林恭二
斎藤茂吉(1882-1953)
近代短歌を確立した歌人。山形県金瓶村(現・上山市金瓶)の旧家に生れ、開業医であった親戚、斎藤紀一のもとで(後に養子縁組)一高から東大に学び精神科医となる。一方、中学時代から和歌に興味を持ち、正岡子規の影響を強く受けて作歌に熱中する青年時代を送った。代表的歌集に『赤光』『あらたま』『ともしび』『白き山』など。『柿本人麿』ほか評論も多数。
- 本の長さ358ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2000/2/29
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101494215
- ISBN-13978-4101494210
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2010年10月19日に日本でレビュー済み
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赤光は、みちのくの風景と母思いの茂吉の情感があふれていて、詠むだけで涙がでます。風を感じ光を感じ風景の中での叫びは心にしみてきます。
2016年7月11日に日本でレビュー済み
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じつに100年もの歳月、人びとを惹きつけてやまない斎藤茂吉の短歌。世界に誇れる日本の近代文学の金字塔である名著に感無量です。青壮年期、仕事と生活に追われ、詩歌に接する時間さえなかった無聊な人生でしたが、いまはこうして名歌に浸れる幸せな日々を茂吉に感謝せずにはおれません。人間の想いの丈を吐露できるということは、こんなにもいいものなんだなぁ、という感慨の一語につきます。
2022年2月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「死にたまふ母」の連作短歌で氏を知り、優れた歌人だと期待して有名な「赤光」を手に
取ったが、「死にたまふ母」以上の作品はなかった。情のこもり方が弱い。やはり、感動
が言霊を生ぜしめることを痛感した。また、氏が精神科医であることを作品内の「狂者」
や「自殺」という言葉で実感した。
以下、惹かれた作品を挙げてみる。
十日なまけけふ来て見れば受持の狂人ひとり死に行きて居し
死に近き母に添寝のしんしんと遠田のかはづ天に聞(きこ)ゆる
我が母よ死にたまひゆく我が母よ我(わ)を生まし乳足(ちた)らひし母よ
のど赤き玄鳥(つばくらめ)ふたつ屋梁(はり)にゐて足乳ねの母は死にたまふなり
わが母を焼かねばならぬ火を持てり天つ空には見るものもなし
星のゐる夜ぞらのもとに赤赤とははそはの母は燃えゆきにけり
灰のなかに母をひろへり朝日子ののぼるがなかに母をひろへり
きやう院を早くまかりてひさびさに街を歩めばひかり目に染む
自殺せる狂者(きやうじや)をあかき火に葬(はふ)りにんげんの世に戦(をのの)きにけり
寒ぞらに星ゐたりけりうらがなしわが狂院をここに立ち見つ
きやう人を守(も)りつつ住めば星のゐる夜ぞらも久(ひさ)に見ずて経にけり
この世にも生きたかりしか一念も申さず逝きしよあはれなるかも
山がはの水のいきほひ大岩にせまりきはまり音とどろくも
巻末にある吉本隆明の批評に「短歌ははじめてこの歌集で、近代の定型の象徴詩としての
位置を獲得した」とあり「ここには伝統の詩歌が、近代の文学意識と結合できた稀な偶然
と、それを可能にした個性の必然の姿があった」という言葉からこの歌集の文学史的位置
が何となくわかった。また、「作者に事実を劇化する強い把握力が潜在している」ため、
「たんなる事実の光景が、何かの象徴のようにおもわれてくる」との指摘も面白い。
明治前半生まれの宿命として、短歌という伝統的形式を近代へとつないだ象徴的歌人こそ
斎藤茂吉なのかもしれない。
取ったが、「死にたまふ母」以上の作品はなかった。情のこもり方が弱い。やはり、感動
が言霊を生ぜしめることを痛感した。また、氏が精神科医であることを作品内の「狂者」
や「自殺」という言葉で実感した。
以下、惹かれた作品を挙げてみる。
十日なまけけふ来て見れば受持の狂人ひとり死に行きて居し
死に近き母に添寝のしんしんと遠田のかはづ天に聞(きこ)ゆる
我が母よ死にたまひゆく我が母よ我(わ)を生まし乳足(ちた)らひし母よ
のど赤き玄鳥(つばくらめ)ふたつ屋梁(はり)にゐて足乳ねの母は死にたまふなり
わが母を焼かねばならぬ火を持てり天つ空には見るものもなし
星のゐる夜ぞらのもとに赤赤とははそはの母は燃えゆきにけり
灰のなかに母をひろへり朝日子ののぼるがなかに母をひろへり
きやう院を早くまかりてひさびさに街を歩めばひかり目に染む
自殺せる狂者(きやうじや)をあかき火に葬(はふ)りにんげんの世に戦(をのの)きにけり
寒ぞらに星ゐたりけりうらがなしわが狂院をここに立ち見つ
きやう人を守(も)りつつ住めば星のゐる夜ぞらも久(ひさ)に見ずて経にけり
この世にも生きたかりしか一念も申さず逝きしよあはれなるかも
山がはの水のいきほひ大岩にせまりきはまり音とどろくも
巻末にある吉本隆明の批評に「短歌ははじめてこの歌集で、近代の定型の象徴詩としての
位置を獲得した」とあり「ここには伝統の詩歌が、近代の文学意識と結合できた稀な偶然
と、それを可能にした個性の必然の姿があった」という言葉からこの歌集の文学史的位置
が何となくわかった。また、「作者に事実を劇化する強い把握力が潜在している」ため、
「たんなる事実の光景が、何かの象徴のようにおもわれてくる」との指摘も面白い。
明治前半生まれの宿命として、短歌という伝統的形式を近代へとつないだ象徴的歌人こそ
斎藤茂吉なのかもしれない。
2016年1月9日に日本でレビュー済み
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大正二年の「死にたまふ母」は、15歳で経済的事情から進学できず、
山形から東京の同郷の医師の婿養子候補として居候した茂吉の母への思いを強く強く感じる。そして声に出して叫びたかっただろう悲しみを書き連ねた詩は100年を越えても心に響く
山形から東京の同郷の医師の婿養子候補として居候した茂吉の母への思いを強く強く感じる。そして声に出して叫びたかっただろう悲しみを書き連ねた詩は100年を越えても心に響く
2014年6月6日に日本でレビュー済み
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短歌を作りたくて色々短歌関係の本を買ったので、通勤途中に読み始めました。
強烈な刺激を受けています。
何度の読むことになるでしょう。
強烈な刺激を受けています。
何度の読むことになるでしょう。
2016年8月15日に日本でレビュー済み
#斎藤茂吉 #短歌 赤光のなかに浮かびて棺ひとつ行き遥けかり野は涯ならん 狂者らはPaederastieをなせりけり夜しんしんと更けがたきかも をりをりは脳解剖書読むことありゆゑ知らに心つつましくなり #返歌 茂吉読む糸口自分の手になくて杜夫頼みだ青年茂吉 生物と医学複雑度高くて確率統計足でも逐えず 田中さん茂吉勧めて手に取るが生物医学苦手でごめん。 人が死ぬ話を聞いて再発を防止する手が見つかるのなら
2006年7月30日に日本でレビュー済み
赤といっても色々な赤があります。しかし斎藤茂吉の赤は丹頂鶴の頭の赤。深い丹色のような気がします。万葉集が好きだったからでしょうか?この深い赤は額田王の紫野行き標野行きのような赤のような気もします。中学の国語の教科書で習った「たらちねの母」の歌。天井の高い梁の高い田舎家を想像しました。家を屋根を支える太い柱のような冷たくて重くて深い哀しみです。節くれだった土臭い悲しみです。医者であって文学者であった茂吉と鴎外とは、どんなに違っていることでしょう。同じドイツに留学したのにスタイルが海と山ほど違います。それは単に歌人と小説家だけではない何かこころの底にある本質的な色の違いのように感じます。
鴎外は青の人。そして茂吉は赤。熱い情熱と焼け付くような悲嘆。そして絶望と諦観。前世紀日本を代表する素晴らしい歌人です。
鴎外は青の人。そして茂吉は赤。熱い情熱と焼け付くような悲嘆。そして絶望と諦観。前世紀日本を代表する素晴らしい歌人です。