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曠野の花 (中公文庫 M 75-2) 文庫 – 1978/11/10
石光 真清
(著)
中央公論新社HPより 明治三十二年八月、ウラジオストックに上陸、黒竜江の奥地に入る。諜報活動中にも曠野に散る人情に厚い馬賊や日本娘たちがある。波瀾万丈の第二部。
- 本の長さ344ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日1978/11/10
- ISBN-104122005825
- ISBN-13978-4122005822
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (1978/11/10)
- 発売日 : 1978/11/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 344ページ
- ISBN-10 : 4122005825
- ISBN-13 : 978-4122005822
- Amazon 売れ筋ランキング: - 627,646位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 4,107位中公文庫
- - 31,768位歴史・地理 (本)
- - 83,750位ノンフィクション (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年3月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とても読み易いです。当時の生活にも触れられていて、教科書よりも勉強になると思います。
2018年6月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日露戦争の開戦前の石光真清という日本軍人のスパイ活動が克明に描かれている。
彼を動かすものは日本国家への愛というものなのだろうか?
普通の人が経験しない非日常(彼にはそれが日常なのだが)を生きる石光の辛い状況が痛々しい。
それでも彼は自ら進んで突き進む。軍部に強いられてやっているのではないのだろう。
何やら、古代日本の形成時代の大陸・北東アジア・朝鮮半島の動きとともに、日本列島の
動き、日本という「国家」が形成されて行く過程もきっとそうだったのだろうかと
想像される。その時と時代は異なるのだから、簡単に武力で人を殺し殺されではないのだろうが、
それでも大同小異、人間とはいとも簡単に残虐なことをするものだ。(簡単に大勢の捕虜を
斬首するなど...)
一体、彼は彼の妻や娘たちのことをどう考えていたのだろうか?(申し訳ない、かわいそうだ、
などと一応言葉を吐きはするが...)家族をそこまで犠牲にして日本の国家のためにする活動(諜報活動)って、
それほど意味あることなのだろうか?
彼を動かすものは日本国家への愛というものなのだろうか?
普通の人が経験しない非日常(彼にはそれが日常なのだが)を生きる石光の辛い状況が痛々しい。
それでも彼は自ら進んで突き進む。軍部に強いられてやっているのではないのだろう。
何やら、古代日本の形成時代の大陸・北東アジア・朝鮮半島の動きとともに、日本列島の
動き、日本という「国家」が形成されて行く過程もきっとそうだったのだろうかと
想像される。その時と時代は異なるのだから、簡単に武力で人を殺し殺されではないのだろうが、
それでも大同小異、人間とはいとも簡単に残虐なことをするものだ。(簡単に大勢の捕虜を
斬首するなど...)
一体、彼は彼の妻や娘たちのことをどう考えていたのだろうか?(申し訳ない、かわいそうだ、
などと一応言葉を吐きはするが...)家族をそこまで犠牲にして日本の国家のためにする活動(諜報活動)って、
それほど意味あることなのだろうか?
2009年1月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本巻からいよいよ筆者の満州における「特別任務」の記述が始まる。「事実は小説よりも奇なり」という言葉が最もよく当てはまるのは本書ではないかと思われるほど、筆者の満州での体験は劇的なものであり、どのようなエンターテイメントよりも楽しめる。まるで物語のような筆者の放浪記もさることながら、筆者の筆によって描かれる日露戦争前夜の満州も実に興味深い。ロシア人、中国人、満州人、朝鮮人、ドイツ人、日本人らが様々な活動を繰り広げたかの地はまさしく当時の国際政治の前哨線であった。当時から既にかなり多くの日本人が大陸に渡っていたことを知った。近代日本史を知るのに貴重な視座を提供してくれる一冊だ。
2014年5月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
面白く明治大正の実景があった。状態もよい。価格もてごろ。以上
2009年6月2日に日本でレビュー済み
軍籍を離れた『曠野の花』の主人公石光真清は偽名「菊地正三」を名乗り、二十世紀初頭のキナ臭い思惑漂う最果ての露満国境で諜報活動に従事する。欧米列強に伍した軍事帝国を目指した日本の仮想敵国は、当時の陸軍最強国と謳われたロシアであった。
帝政ロシアの満州侵略に抵抗した中国(清)の馬賊に同情し、「清国に欠けているのは、義軍の間に統率がなく戦略がないことだ。勇気のあることと、いかなる困苦にも堪えるという点では、間抜けのロシア軍など足もとにも及ばないじゃないか。」と接触を試み、馬賊組織に顧問として潜入する。
民衆着ルバシカを着たこの人物は、或る時は哈爾浜(ハルビン)の素人洗濯屋、また或る時は最新機材を完備した写真館経営者と神出鬼没だ。拉林(ラーリン)で絶体絶命の窮地を救われた後しばらくは逃亡者に身をやつす。読者は手記の逸話から、人智の及ばぬ痛快無比の歴史の裏面史があったことを知らされる。
貧しい明治期の日本に別れを告げた国際化と無縁の日本人放浪者たちの無頼ぶりには驚かされる。とりわけ大陸に咲く花のように逞しい日本人女性が示す芯の強さ、勇敢さ、気っ風の良さには<畏敬の念>を覚えざるを得ない。
ロシア人の信頼を勝ち取った友情と仁義を尊ぶ日本人の責任感と勤勉さの<美徳>に加えて、様々な外国人が混在する満州の地で幾度もの危機を脱出した主人公には、機略、温情、大胆不敵という特性も看て取れる。
ロシア奥地に取り残された日本人居留民が舐める虜囚生活という『日本捕虜志』に描かれた不運と苦難に比べ、地の利、時の運を得て紙一重で無事帰国が叶った主人公の強運には、運命を分かつ力の不可思議さを厭というほど痛感させられた。
帝政ロシアの満州侵略に抵抗した中国(清)の馬賊に同情し、「清国に欠けているのは、義軍の間に統率がなく戦略がないことだ。勇気のあることと、いかなる困苦にも堪えるという点では、間抜けのロシア軍など足もとにも及ばないじゃないか。」と接触を試み、馬賊組織に顧問として潜入する。
民衆着ルバシカを着たこの人物は、或る時は哈爾浜(ハルビン)の素人洗濯屋、また或る時は最新機材を完備した写真館経営者と神出鬼没だ。拉林(ラーリン)で絶体絶命の窮地を救われた後しばらくは逃亡者に身をやつす。読者は手記の逸話から、人智の及ばぬ痛快無比の歴史の裏面史があったことを知らされる。
貧しい明治期の日本に別れを告げた国際化と無縁の日本人放浪者たちの無頼ぶりには驚かされる。とりわけ大陸に咲く花のように逞しい日本人女性が示す芯の強さ、勇敢さ、気っ風の良さには<畏敬の念>を覚えざるを得ない。
ロシア人の信頼を勝ち取った友情と仁義を尊ぶ日本人の責任感と勤勉さの<美徳>に加えて、様々な外国人が混在する満州の地で幾度もの危機を脱出した主人公には、機略、温情、大胆不敵という特性も看て取れる。
ロシア奥地に取り残された日本人居留民が舐める虜囚生活という『日本捕虜志』に描かれた不運と苦難に比べ、地の利、時の運を得て紙一重で無事帰国が叶った主人公の強運には、運命を分かつ力の不可思議さを厭というほど痛感させられた。
2015年3月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
納期や荷姿、商品の品質などにおいて、問題はありませんでした。
2010年8月12日に日本でレビュー済み
この巻では明治32〜36年の4年間の石光真清の満洲での諜報活動を描く。題名の「曠野の花」は現地で知り合った女性たちを表していると思われるが、当時多くの日本女性が娼婦として海外に働きに出た。東南アジアに渡航した女たちは「からゆきさん」と呼ばれ、山崎朋子さんが著した「サンダカン八番娼館」によって広く知られるようになったが、満洲にも多くの女性が売られていったことがこの本からもわかる。そのやり口の一端が、石光が朝鮮に逃亡しているときに見た人買船の遭難現場で紹介されていて、若い田舎娘を誘拐してウラジオストック、香港、シンガポールに送り込む輩がいたのである。
「菊地正三」という変名を名乗って、女郎や女郎上がりの女たち、馬賊仲間らに助けられての冒険談は全く飽きさせず、4年間があっという間に過ぎて日露戦争へと突入していく。
「菊地正三」という変名を名乗って、女郎や女郎上がりの女たち、馬賊仲間らに助けられての冒険談は全く飽きさせず、4年間があっという間に過ぎて日露戦争へと突入していく。
2009年11月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
明治元年に熊本に生まれた石光真清の手記(全4巻)の2巻目である。日清戦争に凱旋した石光陸軍大尉は明治32年、菊池正三の変名でウラジオストックに上陸する。ロシアの進出著しい満洲各地を信義に厚い馬賊や現地に在住する日本娘たちに助けられて調査を敢行する。そしてハルピンに開いた写真館はロシア軍の御用達となり、有力な情報源となる。やがて日露間は風雲告げて帰国した石光は再び満洲の地に出征することになる。
この時代、すなわち日清戦争後の三国干渉から日露開戦まで(明治28-37年)は臥薪嘗胆の時代として知られる。しかし、司馬遼太郎の「坂の上の雲」でも満洲へのロシアの進出の脅威は記すものの通り一遍で当時の人々の実態は伝えてない。清朝の故地であるこの地はロシアの圧力のもと新天地として支邦人、朝鮮人そして日本人の進出も進んだ。東清鉄道の敷設に関わった日本人がいたことには驚く。
読んでいてこれは小説ではないかと思うような冒険譚や国を超えた仄々とした人々の善意あるいは交流が語られる。この時代、そしてその時代に生きた日本人の姿を知る貴重な記録である。
この時代、すなわち日清戦争後の三国干渉から日露開戦まで(明治28-37年)は臥薪嘗胆の時代として知られる。しかし、司馬遼太郎の「坂の上の雲」でも満洲へのロシアの進出の脅威は記すものの通り一遍で当時の人々の実態は伝えてない。清朝の故地であるこの地はロシアの圧力のもと新天地として支邦人、朝鮮人そして日本人の進出も進んだ。東清鉄道の敷設に関わった日本人がいたことには驚く。
読んでいてこれは小説ではないかと思うような冒険譚や国を超えた仄々とした人々の善意あるいは交流が語られる。この時代、そしてその時代に生きた日本人の姿を知る貴重な記録である。