20歳のとき、学生で初めて
ヨーロッパに行き、そのときに
滞在したのはポーランド。
大変な目にも色々遭いましたが、
「ヨーロッパっていいなあ」と思い
帰国後、大学生協の本屋で
買ったのが、この本でした。
恥ずかしいながら、当時は
ドナウ川がどのように
流れているかもしらず、
読み進めていっても
ポーランドは一ミリもかすらず、
残念な思いに駆られたものです。
しかも、この本のテーマは
複雑な事情が絡み合う
大人の恋愛(不倫?)。
当時弱冠20歳の自分には、
文面はなぞれるけれど
イマイチ何を言っているのか分からない…
という、まことに
「踏んだり蹴ったり」な本なのでした。
しかしそれから8年後、
ワーキングホリデーを使って
ハンガリーに住むことになります。
ハンガリーを選んだ理由は
いくつかありますが、
この「ドナウの旅人」の舞台に
なっていた、ということは
間違いなく1つありました。
(昔から宮本輝が好きだったので
氏の本はよく読むようにしていたので
ずっと記憶には残っていたのです)
そしてハンガリーが好きになり、
2019年には、この本の別の舞台であった
レーゲンスブルク、パッサウとウィーンも
旅行で巡ることに。
僕の人生も、複雑に糸が絡み合って
ここまでたどり着くことができたわけですが、
そのさなかには間違いなく、
この本の存在がありました。
歳が過ぎると、
昔は分からなかったことも
少しは理解できるのかな、と思い
ときどき読み返している本です。
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ドナウの旅人(上) (新潮文庫) 文庫 – 1988/6/29
宮本 輝
(著)
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購入オプションとあわせ買い
母と若い愛人、娘とドイツ人の恋人――ドナウの流れに沿って東へ下る二組の旅人たちを通し、愛と人生の意味を問う感動のロマン。
- 本の長さ466ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1988/6/29
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101307032
- ISBN-13978-4101307039
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (1988/6/29)
- 発売日 : 1988/6/29
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 466ページ
- ISBN-10 : 4101307032
- ISBN-13 : 978-4101307039
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 90,187位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1947(昭和22)年、兵庫県神戸市生れ。追手門学院大学文学部卒業。
広告代理店勤務等を経て、1977年「泥の河」で太宰治賞を、翌年「螢川」で芥川賞を受賞。その後、結核のため二年ほどの療養生活を送るが、回復後、旺盛な執筆活動をすすめる。『道頓堀川』『錦繍』『青が散る』『流転の海』『優駿』(吉川英治文学賞)『約束の冬』『にぎやかな天地』『骸骨ビルの庭』等著書多数。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年7月6日に日本でレビュー済み
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2014年1月31日に日本でレビュー済み
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20年前大学生の時に読んだ。久しぶりに読んで面白かった。今はあまり語られなくなった社会主義国家の話も興味深い。
2015年5月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
二組の異色のカップルがドナウ川に沿って旅する物語です
宮本輝崇拝者としては
設定とか何故とかの理由は抜きにして考え素直に読んで楽しめました
登場人物も皆個性が有って
所々で出てくる宮本節には感嘆致しました
いろんな名所や遺跡なども出てくるので
スマホで検索して画像などを見ながら読むと
自分もそこへ行ったような気分になれてとても楽しかったです
熊吾の世界とは又違った世界を読ませて頂き
有難う御座いました
宮本輝崇拝者としては
設定とか何故とかの理由は抜きにして考え素直に読んで楽しめました
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所々で出てくる宮本節には感嘆致しました
いろんな名所や遺跡なども出てくるので
スマホで検索して画像などを見ながら読むと
自分もそこへ行ったような気分になれてとても楽しかったです
熊吾の世界とは又違った世界を読ませて頂き
有難う御座いました
2014年3月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本は長編でしたが、読み手を世界旅行に連れて行ってくれました。大人の男女の逃避行の旅に興味を抱き、憧れ、読みはじめたのですが、結末は綺麗すぎたようにも思いますが、一般的な願望でもありますね。。。
2019年1月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いくつかの夫婦の有り様と旅を通しての母の成長が興味深かった。結末は驚きでした。東欧旅行を考えていたので読んだのだが参考になった。
2014年1月13日に日本でレビュー済み
名作との出会いはいつも偶然である。だからこそ余計に運命を感じる。この本は読むべくして読んだという感じ。職場の本棚の片隅に目立つことなく並べられていたのがこの本でした。タイトルにも表紙にも何のインパクトもないし、裏表紙のあらすじを見ても少しも心を動かされなかった。よくあるさえないB級小説ぐらいに思っていた。読み始めたのも活字に飢えていて日本語の本なら何でも良かったからだったし。しかし、読み始めてすぐに私はこの本のとりこになりました。読み始めて一週間ちょっと、私は登場人物と一緒に生活したようなものでした。物語が純粋に面白いのと同時に、文章の語り口がすばらしいのです。
ストーリー
女主人公の麻沙子の母親はある日突然ドイツに旅に出ると夫に手紙を残し姿を消してしまう。しかし麻沙子の元に届いた手紙には別のことが書いてあった。夫とは離婚するつもりで帰る予定のない旅であると。麻沙子はそんな母親の勝手な行動が許せず、自らも5年間すごしたドイツの地へ単身赴く。ドイツには麻沙子が以前結婚に踏み切れずに別れた男シギーがいた。友人の計らいで再びシギーとの愛を確かめ合った麻沙子。2人は友人の力を借りてあえなく母親と対面するが母親は17歳年下の男と一緒であった。日本で金融業を営む才気にあふれたこの男が何を考えているのか。そのなぞが解き明かされてもなお4人はドナウ河をくだり、河口へと長い旅を続ける。
この物語のすばらしさを一つ一つ取り上げてみる。
・心理描写の細かさ。はじめは主人公は麻沙子だけだと思っていたら、章が変わるごとに4人の主要登場人物の心情がかわるがわる描きだされる。一人一人の思惑が違っているから余計に面白い。
・スケールの大きさ。旅は(旧)西ドイツに始まりオーストリア、ハンガリーを横切り最後にルーマニアの最果ての町にたどり着く。それぞれの国でのエピソード、国民性を象徴するような言動や出来事などがそれぞれの国を舞台に繰り広げられる。まったく違う人生観に驚かされる。まるで自分がヨーロッパを旅したような印象を受ける。これは実際に作者が取材旅行をして集めた資料に基づいているそう。
・人とのかかわりや友情・恋愛がふんだんに取り込まれている。どれだけたくさんの人が登場したのわからないくらい旅での出会いが多い。出会いこそが旅の醍醐味だということを思い出させる。
・そして、サスペンス。ここまでくるとやりすぎだという感もあるが、なぞの男が長瀬(母の恋人)を追跡して日本からやってくる。でもこの男の正体が最後までわからなくて本当にハラハラでした。
こんなたくさんの要素が詰まったこの作品。上下二巻に分かれているので長すぎる感もあるけど、文章が平易なので何の抵抗もなく読めます。それもそのはず、この作品は新聞小説としてかかれたものなんだそう。読んでいるときの感じは、まさに朝の連続テレビ小説を見ているときと同じ気分。先が気になって、いても立ってもいられなくなる感じ。そして、これを読んでからヨーロッパに旅に出たくなりました。この小説が書かれたのは20年も前だけど、出てくる人たちの生活や人柄なんかはきっと変わっていないんじゃないかと思います。
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・人とのかかわりや友情・恋愛がふんだんに取り込まれている。どれだけたくさんの人が登場したのわからないくらい旅での出会いが多い。出会いこそが旅の醍醐味だということを思い出させる。
・そして、サスペンス。ここまでくるとやりすぎだという感もあるが、なぞの男が長瀬(母の恋人)を追跡して日本からやってくる。でもこの男の正体が最後までわからなくて本当にハラハラでした。
こんなたくさんの要素が詰まったこの作品。上下二巻に分かれているので長すぎる感もあるけど、文章が平易なので何の抵抗もなく読めます。それもそのはず、この作品は新聞小説としてかかれたものなんだそう。読んでいるときの感じは、まさに朝の連続テレビ小説を見ているときと同じ気分。先が気になって、いても立ってもいられなくなる感じ。そして、これを読んでからヨーロッパに旅に出たくなりました。この小説が書かれたのは20年も前だけど、出てくる人たちの生活や人柄なんかはきっと変わっていないんじゃないかと思います。
2014年3月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
学生時代に初めて読んだ。そして話の筋をほとんど忘れた20年後にドナウを旅する機会に恵まれ、この本をKindleで携帯。
フライトや長時間のバス移動の間に再読。贅沢だった。
さまざまな事情を抱えつつ旅をともにする男女の一団が、旅を通じそれぞれに再生していく物語。
再読するまでに馬齢を重ねたせいで相当読み口が変わったように思う。
また、20年後は違った読後感を得られるような気がする。
せいぜい沢山しんどい目にでも遭っておこう。
青春時代真っ只中の方にも、枯れはじめた方にも、おすすめです。
フライトや長時間のバス移動の間に再読。贅沢だった。
さまざまな事情を抱えつつ旅をともにする男女の一団が、旅を通じそれぞれに再生していく物語。
再読するまでに馬齢を重ねたせいで相当読み口が変わったように思う。
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せいぜい沢山しんどい目にでも遭っておこう。
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2018年9月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
わたしがドイツにいることもあり、知人に勧められ読み始めたが、日本の古い男が望む女性像を押し付けられている気になる描写が多すぎて辟易した。
最初は著者についてろくに調べず読み始め、設定や主人公からして女性作家のものなのかと思い込んでいた。しかし主人公が昔の恋人について語る場面が出始めたあたりから、どうもおかしい、と思い作者について調べたら、男だった。
男性作家がみな嫌いというわけではないし、むしろ贔屓にしている作家は男性の方が多いが、これはわたし的にはいただけなかった。
まあこの著者の他の作品を読んだことはないのでなんとも断言はできないが、良くも悪くも古い日本人男性なんだな、という印象。
最初は著者についてろくに調べず読み始め、設定や主人公からして女性作家のものなのかと思い込んでいた。しかし主人公が昔の恋人について語る場面が出始めたあたりから、どうもおかしい、と思い作者について調べたら、男だった。
男性作家がみな嫌いというわけではないし、むしろ贔屓にしている作家は男性の方が多いが、これはわたし的にはいただけなかった。
まあこの著者の他の作品を読んだことはないのでなんとも断言はできないが、良くも悪くも古い日本人男性なんだな、という印象。