「君の妻と小さな子供とが君からもぎ取られて、最も高い値段を付けた者へ売り渡されるような機会が、仮にも君の身の上に襲いかかったと考えてみなさい!」。これはチャールズ・ダーウィンの言葉である。
進化論で知られるチャールズ・ダーウィンは、世界各国で行われていた奴隷制度の反対論者でもあった。若き日の著作『ビーグル号航海記』(チャールズ・ダーウィン著、島地威雄訳、岩波文庫、上・中・下)に、「リオ・デ・ジャネイロの近くで、私は女の奴隷の指を押し潰すためのネジを持っている老婆の家の向かい側に暮していた。私が滞在したある家では、若い家僕のムラート(白人と黒人のハーフ)が毎日、そして毎時間のように、最下等の動物でさえまいってしまうほどに罵られ、打たれ、迫害されていた」と書き記している。

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ビーグル号航海記 下 (岩波文庫 青 912-3) 文庫 – 1961/2/25
チャールズ・ダーウィン
(著),
島地 威雄
(翻訳)
1831年から5年間、イギリス海軍の測量船ビーグル号に同乗した若き日のダーウィン(1809-82)が南アメリカ大陸沿岸や南太平洋諸島をめぐって各地の地質や動植物をつぶさに観察した日記体の調査記録。巨大な陸産のカメなど特異な動植物で知られるガラパゴス諸島での知見がダーウィンに進化論の着想をあたえたといわれる。(全3冊)
- 本の長さ294ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日1961/2/25
- ISBN-104003391233
- ISBN-13978-4003391235
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (1961/2/25)
- 発売日 : 1961/2/25
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 294ページ
- ISBN-10 : 4003391233
- ISBN-13 : 978-4003391235
- Amazon 売れ筋ランキング: - 316,407位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2021年10月24日に日本でレビュー済み
2023年12月12日に日本でレビュー済み
ガラパゴス群島の紀行では、そこに特異な生物種(とくに鳥・フィンチ、巨大ガメ、トカゲ)の観察が
秀逸である。
上、中巻同様、進化論の“揺籃”の気配は当然まだないが、科学者の基本として、正確なフィールド・ノ
ートを積み重ねたことと各動・植物学、地質学の専門家に直接・間接に相談出来、助言を得られたこと
が、のちの進化論完成へつながったことを十二分に復習できた。加えて仮説・実験検証の実践である。
”後進に航海(への参加)の有無を打診された”として、ダーウィンが記している箇所が興味深い。すな
わち「その人がどんな知識をもち、実体験でどう発展させたいかが明確なことが条件」と言っているの
が箴言である。
しかし、z世代には、何事も居ながらにして、ヴァーチャルに、しかもAIを駆使して簡単・短時間に片
づけられることを旨とし、”何でもみてやろう、聞いてやろう”式の学習体験は、あまり受け入れられな
いのではないだろうか。「人生は限られ、好奇心はあまりに幅広い。いちいち実体験している暇はな
!?」と言わんばかりのように推察される。
(わたし自身も「何でも体験してやろう!」と言えるほどには向こう見ずに、積極的・具体的ではなく、
よって逃して来たことが多いのではなかろうか...?と、この歳になって、悔いに近い気も生じる。)
(世の中「面倒くさいことのなかに大切なことが多い(もの)」。本当は、時代が変わろうが、何歳に
なろうが、”面倒くさいこと”を丁寧にやらなければならない。)
この長編を再読しているうちに、なぜダーウィンが航海に出たか、そもそもビーグル号の航海目的は何
だったのか、ダーウィンが直接書いていたのか否か記憶が曖昧になった。確かめると、精密機器を用い
た南米大陸測量だったと改めて知った。ダーウィンは、その任務に直接関係したわけではないが、世界
に類のないフィールド・ノートを作ることができたのは、ダーウィン自身にとっても、進化論的自然科
学界にとっても、ひいては人類にとっても実に貴重な体験だったと思う。
最後に、一つ特筆したいことは、本書に強い刺激を受け、ウオーレスがベーツとアマゾン探検に赴いた
結果「変種の転成(≒進化)のメモ仮説」をダーウィンに問うため送った件である。
(これはすでにダーウィンの”ひょうせつ”、及び今でいう”パワハラ”(またはアカハラ)的なことはな
かったことが証明されていると言えるが、それもダーウィンの人徳(博愛・人間愛)及びダーウィンへ
の信奉者がまわりを固めていたこと、ウオーレスもとくに”ことを荒立てなかった(?)”ことが幸いし
たのかも知れない。)
(科学者・研究者の世界でこの種の問題は後を絶たない。進化論界でも、今西錦司と丘浅次郎の関係は、
ダーウィンに比べると、かなりグレーである。ダーウィンはこういう”闇”に巻き込まれなかったのはま
ことに幸いであったと思う。それにしても、ここで幸・不幸を分ける一つの指標は、【とにかく長生き
すること】であろうか。死んでしまってはおしまいだ。演劇界でも、スポーツ界でも、音楽界でも、長
生きが功を奏することが多いのを感じることを禁じ得ない。)
秀逸である。
上、中巻同様、進化論の“揺籃”の気配は当然まだないが、科学者の基本として、正確なフィールド・ノ
ートを積み重ねたことと各動・植物学、地質学の専門家に直接・間接に相談出来、助言を得られたこと
が、のちの進化論完成へつながったことを十二分に復習できた。加えて仮説・実験検証の実践である。
”後進に航海(への参加)の有無を打診された”として、ダーウィンが記している箇所が興味深い。すな
わち「その人がどんな知識をもち、実体験でどう発展させたいかが明確なことが条件」と言っているの
が箴言である。
しかし、z世代には、何事も居ながらにして、ヴァーチャルに、しかもAIを駆使して簡単・短時間に片
づけられることを旨とし、”何でもみてやろう、聞いてやろう”式の学習体験は、あまり受け入れられな
いのではないだろうか。「人生は限られ、好奇心はあまりに幅広い。いちいち実体験している暇はな
!?」と言わんばかりのように推察される。
(わたし自身も「何でも体験してやろう!」と言えるほどには向こう見ずに、積極的・具体的ではなく、
よって逃して来たことが多いのではなかろうか...?と、この歳になって、悔いに近い気も生じる。)
(世の中「面倒くさいことのなかに大切なことが多い(もの)」。本当は、時代が変わろうが、何歳に
なろうが、”面倒くさいこと”を丁寧にやらなければならない。)
この長編を再読しているうちに、なぜダーウィンが航海に出たか、そもそもビーグル号の航海目的は何
だったのか、ダーウィンが直接書いていたのか否か記憶が曖昧になった。確かめると、精密機器を用い
た南米大陸測量だったと改めて知った。ダーウィンは、その任務に直接関係したわけではないが、世界
に類のないフィールド・ノートを作ることができたのは、ダーウィン自身にとっても、進化論的自然科
学界にとっても、ひいては人類にとっても実に貴重な体験だったと思う。
最後に、一つ特筆したいことは、本書に強い刺激を受け、ウオーレスがベーツとアマゾン探検に赴いた
結果「変種の転成(≒進化)のメモ仮説」をダーウィンに問うため送った件である。
(これはすでにダーウィンの”ひょうせつ”、及び今でいう”パワハラ”(またはアカハラ)的なことはな
かったことが証明されていると言えるが、それもダーウィンの人徳(博愛・人間愛)及びダーウィンへ
の信奉者がまわりを固めていたこと、ウオーレスもとくに”ことを荒立てなかった(?)”ことが幸いし
たのかも知れない。)
(科学者・研究者の世界でこの種の問題は後を絶たない。進化論界でも、今西錦司と丘浅次郎の関係は、
ダーウィンに比べると、かなりグレーである。ダーウィンはこういう”闇”に巻き込まれなかったのはま
ことに幸いであったと思う。それにしても、ここで幸・不幸を分ける一つの指標は、【とにかく長生き
すること】であろうか。死んでしまってはおしまいだ。演劇界でも、スポーツ界でも、音楽界でも、長
生きが功を奏することが多いのを感じることを禁じ得ない。)
2011年10月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最近の紀行文はあまりにも個人的、あるいはその場しのぎすぎて、読む側としてはあまり興味がわかない。古典的な探検記や航海記を読むと、著者がいつも遠くを見ていて、大きな問題を提起するために航海をしてきた意識が強く表れている。
古典ともいえる本書だが、あらためて読み返してみると内容は実に新鮮そのもの。若い人がこのような夢あふれる本をたくさん読むことで、自分の想像力、好奇心などを養うことができるかもしれない。
古典ともいえる本書だが、あらためて読み返してみると内容は実に新鮮そのもの。若い人がこのような夢あふれる本をたくさん読むことで、自分の想像力、好奇心などを養うことができるかもしれない。
2019年6月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
カバーなく背中以外の三辺が黒ずんでいた。販売して良いものか疑問?