どの短篇も外れなし。
期待していた通りのメキシコらしさがあった。
ヨーロッパとインディオという二つのアイデンティティの間で揺れ動いている。
合理性と神秘性が、整頓と混沌が常に戦っている。
さらにもうひとつ。
死の登場の仕方がとても巧妙だった。
どの短篇にもそれぞれ、死がまつわる。
その死の出し方がとても自然で効果的なのだ。
それは、小説の技術に負う事かもしれないが、ぼくは筆者の死生観がすぐれているからだと思う。
死との距離がとても適切なのだ。死を忌避していないし、神聖化していないし、
かといって、タランティーノのように無意味化もしていない。
死はすぐ隣にある何かの家具といった感じなのだ。
「老いぼれグリンゴ」を読んで思ったのだが、これを読んで改めて認識、
フエンテスは、最も死の扱いが巧い作家である。
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アウラ,純な魂 他4篇: フエンテス短篇集 (岩波文庫 赤 794-1) 文庫 – 1995/7/17
カルロス フエンテス
(著),
木村 榮一
(翻訳)
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「…月四千ペソ」.新聞広告にひかれてドンセーレス街を訪ねた青年フェリーペが,永遠に現在を生きるコンスエロ夫人のなかに迷い込む,幽冥界神話「アウラ」.ヨーロッパ文明との遍歴からメキシコへの逃れようのない回帰を兄妹の愛に重ねて描く「純な魂」.メキシコの代表的作家フエンテスが,不気味で幻想的な世界を作りあげる.
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日1995/7/17
- ISBN-104003279417
- ISBN-13978-4003279410
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2011年5月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2010年5月5日に日本でレビュー済み
幻想文学好きな方にはぜひおすすめします!
個人的には「純な魂」がお気に入りです。
妹の回想と兄の手紙との間を行き来する描写の空気感、、、。
妹の語りは静かで穏やかなのだけど、徐々に彼女の気持ちに気付く読み手。
それによって緊張感が生まれる中、穏やかなままの語りは続く...。何が起こる?そして結末は?
いやぁ、どきどきしました。
「アウラ」の暗がりの中の、ときおりみせる光の描写。暗闇の中のハイライトの、輪郭のぼやけた感じ。
見えているようで見えていない、見えていないようで見えている、幻惑的な臨場感が伝わってきます。
これはちょっと男性好みなお話かな? でもきれいです。
他の作品もぜひ読みたいと思わせるに十分な短編集です。
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2011年9月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
収録六篇を分類すると、メキシコとは?メキシコ人とは?を問う「チャック・モール」と「純な魂」。長編「老いぼれグリンゴ」の系譜に連なる「生命線」と「最後の恋」。そして幻想的色彩の濃い「女王人形」と「アウラ」といったところ。フエンテスの多彩な特徴がよく出た短編集。わたし自身の好みは、アイデンティティの問題を浮かび上がらせた「チャック・モール」と「純な魂」。「チャック・モール」のメキシコとキリスト教に関するくだりなどには、ハッとさせられた。木村榮一氏の解説によれば、本書は短編集『肉体と供物』から選び出したものとのこと。各作品の発表年は、チャック・モール(1954年、短編集『仮面の日々』より)、生命線(1958年、『空気の澄んだ土地』の一部)、最後の恋(1962年、『アルテミオ・クルスの死』より抜粋)、アウラ(1962年)、女王人形、純な魂(1964年、短編集『盲人たちの歌』)となっている。
2011年8月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
フエンテスの他の作品を読んだこともなく、南米の作家がおそらく初めてです。フエンテスのこの短編集から伝わってくるのは、死の匂いと、仄暗い部屋のイメージです。私たちが属する陽の当たるこの世界から、ふとしたはずみに、わずかにズレた異質な空間へと足を踏み出してしまう人々。呼ばれてしまうが故になのか、自ら踏み入れてしまうのか。しかし、いずれにしても、私も同じ場所にいたら避けようもなくその場所へと足を踏み入れてしまうのでしょう。 レビューの評価がよく購入前の期待値が高かったのですが、全て読み終えてみると、本のなかに潜むチャック・モールや老婆にエネルギーを吸い盗られていたかのような疲労感を覚えました。一つ一つの作品が際立った印象を残すものの、死臭が強く漂い、危険な感じがしました。 好みの問題であるのかもしれませんが、私には、もう少し陽の当たる世界寄りの寓話のほうが合っているようです。 翻訳の木村榮一氏は南米文学を多く手がけるその世界では重鎮だそうですが、訳がほんとうに素晴らしく、一つ一つのセンテンスをとても美しいと感じました。巻末の氏による解説がなかなか面白く、本編を読んだあとに読むと、ちょっとした謎解きのような興奮を味わえます。
2018年4月20日に日本でレビュー済み
セサル・アイラの「文学会議」で、微妙な扱われ方をされているのを読んで、20年振りの再読です。
本書は、巻末の解説で訳者の木村榮一さんも述べているように、「老いと若さ、美と醜、生と死」、そして聖と俗とがないまぜになった、曰く言い難い後味の残る短編が六つ収められています。
ゴシック然とした「女王人形」、作中に実在する女優の名前が出てくることからかもしれませんが、そのまま映画化されてもよいような「純な魂」、また作者フエンテスと親交のあったルイス・ブニュエルの作品を彷彿する「アウラ」他、いずれ劣らぬ秀逸な作品ばかりです。
半世紀以上前に書かれたこと、メキシコやスイスといった、あまり馴染みのない場所が舞台であることと関係するのかもしれませんが、良い意味で読んでいる自分との距離を意識させられ、読後に深い内省に誘われます。
本書は、巻末の解説で訳者の木村榮一さんも述べているように、「老いと若さ、美と醜、生と死」、そして聖と俗とがないまぜになった、曰く言い難い後味の残る短編が六つ収められています。
ゴシック然とした「女王人形」、作中に実在する女優の名前が出てくることからかもしれませんが、そのまま映画化されてもよいような「純な魂」、また作者フエンテスと親交のあったルイス・ブニュエルの作品を彷彿する「アウラ」他、いずれ劣らぬ秀逸な作品ばかりです。
半世紀以上前に書かれたこと、メキシコやスイスといった、あまり馴染みのない場所が舞台であることと関係するのかもしれませんが、良い意味で読んでいる自分との距離を意識させられ、読後に深い内省に誘われます。
2014年12月26日に日本でレビュー済み
表紙には「不気味で幻想的な世界」と記してあるが、六短編のうち、「生命線」や「最後の恋」あるいは「純な魂」に対しては、
的を射た評とは言えないだろう。収録作品の中では「女王人形」が、幻想文学としては一頭地を抜いていると思うが、
残念ながら、一つ一つの作品の趣向としては、それほど独創的な短編が集められているとは思われない。
巻末の解説は確かに興味深いが、フエンテス作品の普遍性を疑いたくなる側面を、図らずも浮かび上がらせているようでもある。
それにしても中南米の文学(の翻訳)には、何故、推量形の文章が多様されるのだろうか?
読んでいて違和感、ある種の落ち着きのなさを覚えるのは、いつもこの点だ。
フエンテスが「死」を最大のテーマとしていることは間違いない。人が経験可能なのは、常に他者の死だが、
フエンテスの文学は、経験不可能なものへの超越論的な挑戦の、一つの成果なのだろう。
的を射た評とは言えないだろう。収録作品の中では「女王人形」が、幻想文学としては一頭地を抜いていると思うが、
残念ながら、一つ一つの作品の趣向としては、それほど独創的な短編が集められているとは思われない。
巻末の解説は確かに興味深いが、フエンテス作品の普遍性を疑いたくなる側面を、図らずも浮かび上がらせているようでもある。
それにしても中南米の文学(の翻訳)には、何故、推量形の文章が多様されるのだろうか?
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フエンテスが「死」を最大のテーマとしていることは間違いない。人が経験可能なのは、常に他者の死だが、
フエンテスの文学は、経験不可能なものへの超越論的な挑戦の、一つの成果なのだろう。