本作を劇場で初めて見たのは19歳の頃だった。それまでキリスト教やユダヤ教については僅かな知識しか持ち合わせなかったため、展開するストーリーに十分には付いていけなかった。
それでも、満席の劇場で立ったまま何時間も見たことをよく覚えている。
その後も、何度かTV放映されたため、繰り返し見ることになったが、感動は変わらなかった。
こうしてデジタル・リマスター版で見ると、改めて作品の素晴らしさに目を見張る。
それは必ずしもユダヤ教やキリスト教に帰依するという事ではない。親近感は覚えるが。
運命の皮肉をモーゼ個人のみならず、ユダヤ民族も背負うという、この壮絶なドラマは決して見る者を裏切らない。傑出した作品と言えると思う。