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パルムの僧院(上)(新潮文庫) Kindle版
イタリアの大貴族デル・ドンゴ家の次男ファブリスは“幸福の追求”に生命を賭ける情熱的な青年である。ナポレオンを崇敬してウァテルローの戦場に駆けつけ、恋のために殺人を犯して投獄され、獄中で牢獄の長官の娘クレリア・コンチと激しい恋におちる……。小公国の専制君主制度とその裏に展開される政治的陰謀を克明に描き、痛烈な諷刺的批判を加えるリアリズム文学の傑作である。
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1951/2/19
- ファイルサイズ1069 KB
- 販売: Amazon Services International LLC
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出版社より
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---|---|---|---|---|---|
パルムの僧院〔上〕 | パルムの僧院〔下〕 | 赤と黒〔上〕 | 赤と黒〔下〕 | 恋愛論 | |
カスタマーレビュー |
5つ星のうち4.2
50
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5つ星のうち4.3
39
|
5つ星のうち4.0
113
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5つ星のうち4.1
76
|
5つ星のうち4.2
36
|
価格 | ¥693¥693 | ¥825¥825 | ¥737¥737 | ¥1,045¥1,045 | ¥1,045¥1,045 |
【新潮文庫】スタンダール 作品 | ”幸福の追求”に生命を賭ける情熱的な青年貴族ファブリスが、愛する人の死によって僧院に入るまでの波瀾万丈の半生を描いた傑作。 | 美貌で、強い自尊心と鋭い感受性をもつジュリヤ ン・ソレルが、長年の夢であった地位をその手で摑もうとした時、無惨な破局が……。 | 豊富な恋愛体験をもとにすべての恋愛を「情熱恋愛」「趣味恋愛」「肉体的恋愛」「虚栄恋愛」に分類し、各国各時代の恋愛について語る。 |
登録情報
- ASIN : B00J861MIQ
- 出版社 : 新潮社 (1951/2/19)
- 発売日 : 1951/2/19
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 1069 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 273ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 73,538位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 102位フランス文学研究
- - 1,738位評論・文学研究 (Kindleストア)
- - 2,046位新潮文庫
- カスタマーレビュー:
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5 星
19世紀フランス文学好きな誰かへ
"彼は彼女に近づき、独り言をいうような小声で、ペトラルカの十四行詩の二行を口ずさんだ。(中略)『俗人が私を不幸だと思っていたとき、私はどんなに幸福だったろう。それなのに今は、私の運命は変わってしまった』"1839年に発刊され、53日で書かれた事やバルザックの称賛でも知られる本書は著者の様々な要素が凝縮された読み応え。個人的には、同じく著者の代表作である『赤と黒』こそ読み終えていましたが、本書に関しては恥ずかしながら未読であったことから手にとったのですが。冒頭のカメラが追いかけているような【ワーテルローの写実的な描写】から戦場の混乱が伝わってきて、まず驚かされました。また本書は、ナポレオンに熱狂する世間知らずな青年がパルム(パルマ)の宮廷で、叔母である公爵夫人に担がれて出世していく様子が軸となっているわけですが。主人公以外の登場人物たちの様々な思惑、公爵夫人やヒロインのクレリア、そしてモスカ伯爵の複雑な想いなどが、こちらも多少は今の時代からすれば【ドラマチックというより過剰なくらいの情熱で】著者のサービス精神豊富さと共に伝わってきて、楽しませていただきました。(しかしまあ、日本人的には収入や財産描写はやはり違和感ありますが。。)19世紀フランス文学好きな誰かに、また宝塚歌劇が好きな誰かにもオススメ。
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上位レビュー、対象国: 日本
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2019年4月19日に日本でレビュー済み
レポート
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3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2006年10月1日に日本でレビュー済み
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若い頃この小説を読んだとき、あまり面白いと感じなかった。政略結婚が当たり前の統一前イタリアならではの、上流社会の不倫話。ファブリスもその因果のまっただなか。現代に引きなおすのが間違っているのだが、ちょっとでも想像を働かせてしまうとゲンナリするのだ。ただ、40を超え再読したところ、モスカ伯爵や公爵夫人が、自分より若い恋敵に敵わないと思いつつも競う合う気持ちの描写がなんとも興味深い。スタンダール55歳の作品で、それもむべなるかな。この2人に比べれば、ファブリスなんぞは単なる狂言回しにしか思えない。
2018年10月17日に日本でレビュー済み
若い頃から大好きだった「パルムの僧院」です。
実際に観劇したことはないけど、この作品は宝塚歌劇のような世界に一脈通じるものがあるのではないか。
美青年ファブリスを中心に据えて、女性として成熟の極みにあるサンセヴェリナ公爵夫人(ジーナ・デル・ドンゴ)と、まだ幼いと言ってもいいような可憐な少女クレリア・コンチという二大女性が、ファブリスの愛を争う。
まるでアラビアンナイトの「若い王子と王女の物語」などを彷彿とさせるような、あるいは少女漫画のような、ロマンチックでコケティッシュで心ときめく作品世界です。
上記の三人による盲目的な愛のドラマを側面から支えているのが、以下の個性的な登場人物たち。
・サンセヴェリナ公爵夫人を熱烈に恋い慕うパルム公国の宰相モスカ伯
・同じくサンセヴェリナを慕う愚劣王パルム大公エルネスト四世
・ピエトラネーラ伯爵夫人 (のちのサンセヴェリナ公爵夫人ジーナ) に熱烈な片想いの恋をしフラれた腹いせに彼女に卑劣な報復をした司教会員ボルタ
・性格が俗悪な法官ラッシ
・政治的にモスカの敵方だが才気煥発な女傑ラヴェルシ公爵夫人
・ファブリスに首ったけの女優マリエッタ
・ファブリスに恋人マリエッタを奪われたあげく殺されてしまう非業の道化役者ジレッチ
・クレリアの父親で監獄長官の俗物ファビオ・コンチ
・サンセヴェリナ公爵夫人を崇拝する高邁な詩人のフェランテ・パラ 等々。
ファブリス自身は感受性の豊かな美貌の青年で、生まれた家柄がいいので努力せずとも未来は約束されているという、ある意味お気楽な存在であり、とくに傑出した人物というわけでもない。が、そんなふわふわ浮いた雲のような存在だからこそ、本作中で、他のすべての登場人物たちを高い所から超然と眺めおろしているような視点を獲得できているのだとも言える。
《彼はなんでも簡単に考える。高所から見るから。》第七章(新潮文庫・大岡昇平訳)
《なにごとも高所から見ているから、なにごとも彼の目には単純なのだ。》第7章(岩波文庫・生島遼一訳)
こうしてファブリスは、いとも簡単にサンセヴェリナ公爵夫人やマリエッタやクレリア (その他多くの女性) の愛を勝ち得て、モスカ伯やジレッチや司教会員ボルタを絶望の淵に陥れる。
実際には「非モテ系」だった作者スタンダールにとって、本作の主人公ファブリスは生涯の夢や憧れを彼に代わって追求してくれる理想の青年像なのだ。
ふつう文学作品というものは、どんなに虚構 (作り物) であっても、基本的には作者の実体験に裏打ちされているものである。(ストレートに表現されるか、はたまた作品の底に流れているかは別として)
ところが生涯、決して女性の愛に恵まれたとは言い難いスタンダールは、思いきって非モテ系の自己を否定し、自分自身とはかけ離れた容姿をもつ主人公に、思う存分幸福な恋愛を楽しませ幸福を追求させる。そうすることで、自らの夢を虚構の中で実現したのだ。
極論すれば、「もし自分がファブリスみたいなイケメンだったら・・・」という仮定のもとに空想をふくらませて成った本作は、読者を虚構の中の美しい恋愛ドラマによって夢中にさせてくれるスタンダール版「宝塚歌劇」と言ってもいいのではないか。
本作は、政治的な駆け引きや陰謀 (スパイ活動の描写) によって当時の世相を反映させた第一級の政治小説であると同時に、いくつになっても恋する気持ちを忘れない人のための永遠のロングセラーだと思います。
実際に観劇したことはないけど、この作品は宝塚歌劇のような世界に一脈通じるものがあるのではないか。
美青年ファブリスを中心に据えて、女性として成熟の極みにあるサンセヴェリナ公爵夫人(ジーナ・デル・ドンゴ)と、まだ幼いと言ってもいいような可憐な少女クレリア・コンチという二大女性が、ファブリスの愛を争う。
まるでアラビアンナイトの「若い王子と王女の物語」などを彷彿とさせるような、あるいは少女漫画のような、ロマンチックでコケティッシュで心ときめく作品世界です。
上記の三人による盲目的な愛のドラマを側面から支えているのが、以下の個性的な登場人物たち。
・サンセヴェリナ公爵夫人を熱烈に恋い慕うパルム公国の宰相モスカ伯
・同じくサンセヴェリナを慕う愚劣王パルム大公エルネスト四世
・ピエトラネーラ伯爵夫人 (のちのサンセヴェリナ公爵夫人ジーナ) に熱烈な片想いの恋をしフラれた腹いせに彼女に卑劣な報復をした司教会員ボルタ
・性格が俗悪な法官ラッシ
・政治的にモスカの敵方だが才気煥発な女傑ラヴェルシ公爵夫人
・ファブリスに首ったけの女優マリエッタ
・ファブリスに恋人マリエッタを奪われたあげく殺されてしまう非業の道化役者ジレッチ
・クレリアの父親で監獄長官の俗物ファビオ・コンチ
・サンセヴェリナ公爵夫人を崇拝する高邁な詩人のフェランテ・パラ 等々。
ファブリス自身は感受性の豊かな美貌の青年で、生まれた家柄がいいので努力せずとも未来は約束されているという、ある意味お気楽な存在であり、とくに傑出した人物というわけでもない。が、そんなふわふわ浮いた雲のような存在だからこそ、本作中で、他のすべての登場人物たちを高い所から超然と眺めおろしているような視点を獲得できているのだとも言える。
《彼はなんでも簡単に考える。高所から見るから。》第七章(新潮文庫・大岡昇平訳)
《なにごとも高所から見ているから、なにごとも彼の目には単純なのだ。》第7章(岩波文庫・生島遼一訳)
こうしてファブリスは、いとも簡単にサンセヴェリナ公爵夫人やマリエッタやクレリア (その他多くの女性) の愛を勝ち得て、モスカ伯やジレッチや司教会員ボルタを絶望の淵に陥れる。
実際には「非モテ系」だった作者スタンダールにとって、本作の主人公ファブリスは生涯の夢や憧れを彼に代わって追求してくれる理想の青年像なのだ。
ふつう文学作品というものは、どんなに虚構 (作り物) であっても、基本的には作者の実体験に裏打ちされているものである。(ストレートに表現されるか、はたまた作品の底に流れているかは別として)
ところが生涯、決して女性の愛に恵まれたとは言い難いスタンダールは、思いきって非モテ系の自己を否定し、自分自身とはかけ離れた容姿をもつ主人公に、思う存分幸福な恋愛を楽しませ幸福を追求させる。そうすることで、自らの夢を虚構の中で実現したのだ。
極論すれば、「もし自分がファブリスみたいなイケメンだったら・・・」という仮定のもとに空想をふくらませて成った本作は、読者を虚構の中の美しい恋愛ドラマによって夢中にさせてくれるスタンダール版「宝塚歌劇」と言ってもいいのではないか。
本作は、政治的な駆け引きや陰謀 (スパイ活動の描写) によって当時の世相を反映させた第一級の政治小説であると同時に、いくつになっても恋する気持ちを忘れない人のための永遠のロングセラーだと思います。
2023年7月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
三島由紀夫の「わたしの遍歴時代」か何かの評論で、スタンダールを読んでいると自分の小説が隙間だらけに見えてくると言い、このパルムの僧院を「行動小説」と名づけていたのを思い出した。
三島氏は作家としての立場から、この小説に出てくる登場人物たちの性格分析など批評していたようだが、その頃未読だった自分にはあまり興味を引かなかった。
小説の巻頭には『当時の北イタリア 19世紀前半』が併載されている。ロンバルジア・ヴェネチア王国をのぞいて、四つの公国が隣り合わせ、北はスイスやオーストリアに続いている。同じ巻頭の『緒言』のなかで、ナポレオンのイタリア遠征の絶頂期に同行したスタンダールが宿泊した『イタリアの美しい町パドヴァ』の『司教会員』と懇意になった。
その夜会に招かれていた、とある客から聞いた『サンセヴェリーナ公爵夫人の物語』がこの小説を書くにいたった動機となり、甥である司教会員からは、該夫人が全盛の頃の「パルム公国」における宮廷の陰謀を扱った伯父の年代記も見ることができて、当時の目まぐるしい政治的背景を知るに及んだ。
そしてスタンダールが読者に注釈するイタリア人とフランス人の気質の違い、『私が思い切って諸人物をその荒い性格のまま残したことを告白する』とまで言わしめるのは、それなりの理由があってのことだが、今日の読者にとっては、各々の登場人物たちの気まぐれや、情念の発露赴くままの物語の展開に水を差すまでもなかろうと思う。
『本文』より
三島氏は作家としての立場から、この小説に出てくる登場人物たちの性格分析など批評していたようだが、その頃未読だった自分にはあまり興味を引かなかった。
小説の巻頭には『当時の北イタリア 19世紀前半』が併載されている。ロンバルジア・ヴェネチア王国をのぞいて、四つの公国が隣り合わせ、北はスイスやオーストリアに続いている。同じ巻頭の『緒言』のなかで、ナポレオンのイタリア遠征の絶頂期に同行したスタンダールが宿泊した『イタリアの美しい町パドヴァ』の『司教会員』と懇意になった。
その夜会に招かれていた、とある客から聞いた『サンセヴェリーナ公爵夫人の物語』がこの小説を書くにいたった動機となり、甥である司教会員からは、該夫人が全盛の頃の「パルム公国」における宮廷の陰謀を扱った伯父の年代記も見ることができて、当時の目まぐるしい政治的背景を知るに及んだ。
そしてスタンダールが読者に注釈するイタリア人とフランス人の気質の違い、『私が思い切って諸人物をその荒い性格のまま残したことを告白する』とまで言わしめるのは、それなりの理由があってのことだが、今日の読者にとっては、各々の登場人物たちの気まぐれや、情念の発露赴くままの物語の展開に水を差すまでもなかろうと思う。
『本文』より
2019年6月3日に日本でレビュー済み
"彼は彼女に近づき、独り言をいうような小声で、ペトラルカの十四行詩の二行を口ずさんだ。(中略)『俗人が私を不幸だと思っていたとき、私はどんなに幸福だったろう。それなのに今は、私の運命は変わってしまった』"1839年に発刊され、53日で書かれた事やバルザックの称賛でも知られる本書は著者の様々な要素が凝縮された読み応え。
個人的には、同じく著者の代表作である『赤と黒』こそ読み終えていましたが、本書に関しては恥ずかしながら未読であったことから手にとったのですが。冒頭のカメラが追いかけているような【ワーテルローの写実的な描写】から戦場の混乱が伝わってきて、まず驚かされました。
また本書は、ナポレオンに熱狂する世間知らずな青年がパルム(パルマ)の宮廷で、叔母である公爵夫人に担がれて出世していく様子が軸となっているわけですが。主人公以外の登場人物たちの様々な思惑、公爵夫人やヒロインのクレリア、そしてモスカ伯爵の複雑な想いなどが、こちらも多少は今の時代からすれば【ドラマチックというより過剰なくらいの情熱で】著者のサービス精神豊富さと共に伝わってきて、楽しませていただきました。(しかしまあ、日本人的には収入や財産描写はやはり違和感ありますが。。)
19世紀フランス文学好きな誰かに、また宝塚歌劇が好きな誰かにもオススメ。
個人的には、同じく著者の代表作である『赤と黒』こそ読み終えていましたが、本書に関しては恥ずかしながら未読であったことから手にとったのですが。冒頭のカメラが追いかけているような【ワーテルローの写実的な描写】から戦場の混乱が伝わってきて、まず驚かされました。
また本書は、ナポレオンに熱狂する世間知らずな青年がパルム(パルマ)の宮廷で、叔母である公爵夫人に担がれて出世していく様子が軸となっているわけですが。主人公以外の登場人物たちの様々な思惑、公爵夫人やヒロインのクレリア、そしてモスカ伯爵の複雑な想いなどが、こちらも多少は今の時代からすれば【ドラマチックというより過剰なくらいの情熱で】著者のサービス精神豊富さと共に伝わってきて、楽しませていただきました。(しかしまあ、日本人的には収入や財産描写はやはり違和感ありますが。。)
19世紀フランス文学好きな誰かに、また宝塚歌劇が好きな誰かにもオススメ。

"彼は彼女に近づき、独り言をいうような小声で、ペトラルカの十四行詩の二行を口ずさんだ。(中略)『俗人が私を不幸だと思っていたとき、私はどんなに幸福だったろう。それなのに今は、私の運命は変わってしまった』"1839年に発刊され、53日で書かれた事やバルザックの称賛でも知られる本書は著者の様々な要素が凝縮された読み応え。
個人的には、同じく著者の代表作である『赤と黒』こそ読み終えていましたが、本書に関しては恥ずかしながら未読であったことから手にとったのですが。冒頭のカメラが追いかけているような【ワーテルローの写実的な描写】から戦場の混乱が伝わってきて、まず驚かされました。
また本書は、ナポレオンに熱狂する世間知らずな青年がパルム(パルマ)の宮廷で、叔母である公爵夫人に担がれて出世していく様子が軸となっているわけですが。主人公以外の登場人物たちの様々な思惑、公爵夫人やヒロインのクレリア、そしてモスカ伯爵の複雑な想いなどが、こちらも多少は今の時代からすれば【ドラマチックというより過剰なくらいの情熱で】著者のサービス精神豊富さと共に伝わってきて、楽しませていただきました。(しかしまあ、日本人的には収入や財産描写はやはり違和感ありますが。。)
19世紀フランス文学好きな誰かに、また宝塚歌劇が好きな誰かにもオススメ。
個人的には、同じく著者の代表作である『赤と黒』こそ読み終えていましたが、本書に関しては恥ずかしながら未読であったことから手にとったのですが。冒頭のカメラが追いかけているような【ワーテルローの写実的な描写】から戦場の混乱が伝わってきて、まず驚かされました。
また本書は、ナポレオンに熱狂する世間知らずな青年がパルム(パルマ)の宮廷で、叔母である公爵夫人に担がれて出世していく様子が軸となっているわけですが。主人公以外の登場人物たちの様々な思惑、公爵夫人やヒロインのクレリア、そしてモスカ伯爵の複雑な想いなどが、こちらも多少は今の時代からすれば【ドラマチックというより過剰なくらいの情熱で】著者のサービス精神豊富さと共に伝わってきて、楽しませていただきました。(しかしまあ、日本人的には収入や財産描写はやはり違和感ありますが。。)
19世紀フランス文学好きな誰かに、また宝塚歌劇が好きな誰かにもオススメ。
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2016年1月22日に日本でレビュー済み
名作だが、いくらなんでもそろそろ新訳が欲しい。
新潮で無理なら光文社でもいい。
担当者の方、ぜひ御一考を。
新潮で無理なら光文社でもいい。
担当者の方、ぜひ御一考を。
2008年3月14日に日本でレビュー済み
あまりにあでやか、あまりに爽快、あまりにはかなく、あまりに透明。
夢想はあまりに美しく、現実はいつだって退屈。
「1830年の冬……」というかの有名な書き出し、一見ただの歴史小説かと思わせて、その実、
主人公ファブリス・デル・ドンゴの純粋無垢たるや現実の人間存在をはるかに超え出て、
それでいて、いつしか入り込まずにはいられないその魅力――
もはやことばを重ねるだけ野暮というもの。とにかく読まれたし。
スタンダールの二大長編といえばもちろん『パルムの僧院』と『赤と黒』、あいにく誰の
書評かは忘れたが、各々の読者にとっての両者の優劣は読む順番によって決まる、
とのこと。
私も同感である。
前者を先に読んだものにとって後者はまだまだ完成度が低く、逆に後者を先に読んだものに
してみれば、おそらくはデジャヴュに支配されて、前者が焼き直しにしか思えないのでは
なかろうか。
もし双方ともに未読の方がおられるのならば、私はもちろん、この『パルムの僧院』を先に
読まれることを勧める。
日本語訳としては、この大岡訳が抜群。
夢想はあまりに美しく、現実はいつだって退屈。
「1830年の冬……」というかの有名な書き出し、一見ただの歴史小説かと思わせて、その実、
主人公ファブリス・デル・ドンゴの純粋無垢たるや現実の人間存在をはるかに超え出て、
それでいて、いつしか入り込まずにはいられないその魅力――
もはやことばを重ねるだけ野暮というもの。とにかく読まれたし。
スタンダールの二大長編といえばもちろん『パルムの僧院』と『赤と黒』、あいにく誰の
書評かは忘れたが、各々の読者にとっての両者の優劣は読む順番によって決まる、
とのこと。
私も同感である。
前者を先に読んだものにとって後者はまだまだ完成度が低く、逆に後者を先に読んだものに
してみれば、おそらくはデジャヴュに支配されて、前者が焼き直しにしか思えないのでは
なかろうか。
もし双方ともに未読の方がおられるのならば、私はもちろん、この『パルムの僧院』を先に
読まれることを勧める。
日本語訳としては、この大岡訳が抜群。
2021年7月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
第一章を読み始めたところで挫折しかけた。ストーリーが頭に入ってこない。何を言っているのか1回読んだだけでは分からない。
第二章くらいから少しずつ付いていけるようになり、何とか読み切れた。
古い小説なので読みにくいところがある。主要登場人物の呼び方が替わっていったり、何人もの「伯爵」がいるのに「伯爵」しか書かれていないので、どの伯爵なのかすぐに判別できなかったり。ただ、ストーリー展開は面白い。上流階級の自分勝手な策略が満載だ。
第二章くらいから少しずつ付いていけるようになり、何とか読み切れた。
古い小説なので読みにくいところがある。主要登場人物の呼び方が替わっていったり、何人もの「伯爵」がいるのに「伯爵」しか書かれていないので、どの伯爵なのかすぐに判別できなかったり。ただ、ストーリー展開は面白い。上流階級の自分勝手な策略が満載だ。