評者は大昔に子供向けのダイジェスト版を読んでこの物語の大筋は知ってはいた。
が、より鮮明に記憶に残っているのは、『小さな恋のメロディ』のマーク・レスターが主演した映画『王子と乞食 』を観たからである。
『トムソーヤ―の冒険』(1876年)と『ハックルベリー・フィンの冒険』(1885年)の間に書かれたこの物語『王子と乞食』(1881年)は、イギリス、チューダー朝2代目の王ヘンリー八世の王太子エドワード六世を主人公にしてフィクションとして書かれたトウェインの労作である。
巻末で訳者の村岡花子さんが「訳者のことば」で著者マーク・トウェインは、この『王子と乞食』を二年もかけて書きながら友人のホウェル氏への手紙のなかで「万一、この書物が唯の一部も売れなかっていようなことがあったとしても、自分がこれを書いていた間に味わった芸術的幸福はいささかも減じない」と言ってこの物語を愛していたことを知ることが出来ると延べています。
本書を読みすすむとトウェインが歴史書などの資料を紐解いていたことが随処で披露していました。
粗筋は知ってはいたが、デティールに拘りながらトウェインがこの物語を楽しみながら書いたことは間違いと思います。
この物語を、マイルス・ヘンドンを演じたオリヴァー・リードやヘンリー八世を演じたチャールトン・ヘストンなどをイメージしながら楽しく読み終えました。
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王子と乞食 (岩波文庫 赤 311-2) 文庫 – 1934/7/25
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- 本の長さ307ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日1934/7/25
- ISBN-104003231120
- ISBN-13978-4003231128
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (1934/7/25)
- 発売日 : 1934/7/25
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 307ページ
- ISBN-10 : 4003231120
- ISBN-13 : 978-4003231128
- Amazon 売れ筋ランキング: - 187,842位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2022年1月12日に日本でレビュー済み
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きちんと読んだことが無かったので読んでみましたが、思ったよりダークで読むのが結構しんどかったです。
どの時代にも見過ごされてきた弱者は大勢いて、そうした環境で生まれ育ったのは自分が悪いわけでは無いのに差別され嫌われる。
助けてくれる人はわずか。
生まれ育った環境が悪いと、心の底まで悪に染まらないと生きていく術は無いような、ダークな雰囲気にやるせない気持ちになりました。
今の社会も本質はそんなに変わっていないとも思いました。
どの時代にも見過ごされてきた弱者は大勢いて、そうした環境で生まれ育ったのは自分が悪いわけでは無いのに差別され嫌われる。
助けてくれる人はわずか。
生まれ育った環境が悪いと、心の底まで悪に染まらないと生きていく術は無いような、ダークな雰囲気にやるせない気持ちになりました。
今の社会も本質はそんなに変わっていないとも思いました。
2020年8月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本の現代作家にちょっとマンネリを感じてよみました。当方は64歳男です。
嫁さんが読んでる小説に限界を感じて自分で買いました。このまえはホフマンです。その前は古事記です。ここまで読んで「んっ?」と思った方は、読むと面白いかも?
自己責任で。一合一会で。ノークレーム、ノーリターンで。
嫁さんが読んでる小説に限界を感じて自分で買いました。このまえはホフマンです。その前は古事記です。ここまで読んで「んっ?」と思った方は、読むと面白いかも?
自己責任で。一合一会で。ノークレーム、ノーリターンで。
2023年3月3日に日本でレビュー済み
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子供の頃に、絵本で読んだ記憶のある作品。村岡花子さん訳というところにも惹かれて購入。面白かった。ロンドンにはしばらく住んでいたということもあり、風景を想像しながら読むことができた。それにしても、戦前にこの翻訳をされたことがやはり素晴らしいと思う。爽やかな読後感も良かった。
2018年9月20日に日本でレビュー済み
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昔、子供の頃に読んだのを思い出して購入。
感動が蘇りました。
感動が蘇りました。
2014年9月21日に日本でレビュー済み
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字が小さくて読みづらいのが残念でした。
50歳以上には、厳しいです。
50歳以上には、厳しいです。
2014年9月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
テレビドラマ「花子とアン」で知って、興味本位で取り寄せてみましたが、ものすごい傑作でした。
まず、話のテンポが良い。読者を引きつけて次はどうなるのだろうと、最後までワクワクさせる作品でした。
マーク・トウェーンは『トーマス・ソーヤーの冒険』が有名なので、アメリカの田舎の野趣あふれる光景を連想する人がいるかもしれませんが、この作品で描かれているのは近世イギリスの格差社会です。宮廷の様子はきらびやかに描き、乞食と泥棒の仲間たちの様子は下品で乱暴だけれどどこか憎めない感じに語る。読者はそのどちらにも興味と共感を感じることでしょう。そして、どちらにしても格調高い芸術的な文章で綴られています。
クライマックスも、じらして、ひやひやさせて、ほっとさせる筆の運びで、この辺の話の持っていき方は、ハリウッド顔負けのエンタメです。映像でも見たいなと思いましたが、映像化され、評価も高いようですね( 王子と乞食 [DVD ])。そして、このクライマックスに、身分制社会のなかで身分の違うもの同士がいかにして「社会」を作るか──慈悲と信頼──が、神話的に象徴的に表されています。そのために、この作品はエンタメに終わらないカタルシスを読者にもたらしてくれます。結末が大体予想できるのにもかかわらず、陳腐な感じがせず、ほっと胸をなで下ろすような感じになるのです。
マーク・トウェーンにとっては「自信作」で、読み聞かされた子どもたちにも好評を博していたと言いますが、むべなるかなと思います。
他の方も評しているとおり、村岡花子の訳文は格調高く、意味不明なところがなく明快で、すばらしいものでした。ただし、文体や語彙の古さは否めず、ふだん現代の小説ばかり読んでいる家族は「読めなかった」と言っていました。しかし、ある程度の読書好きで戦前の作品も読んでいる方でしたら、むしろ読みやすく、面白く、時間を忘れて読みふけることは間違いありません。
最後に、非常に細かいことですが、「マイルス・ヘンドン」は英語の発音で言えば「マイルズ・ヘンドン」でないとおかしく、読んでいてちょっと気持ち悪かったです。「マイルス・デイヴィス」など、なぜか日本人はこう表記したがるようで、これも時代を感じさせられました。
まず、話のテンポが良い。読者を引きつけて次はどうなるのだろうと、最後までワクワクさせる作品でした。
マーク・トウェーンは『トーマス・ソーヤーの冒険』が有名なので、アメリカの田舎の野趣あふれる光景を連想する人がいるかもしれませんが、この作品で描かれているのは近世イギリスの格差社会です。宮廷の様子はきらびやかに描き、乞食と泥棒の仲間たちの様子は下品で乱暴だけれどどこか憎めない感じに語る。読者はそのどちらにも興味と共感を感じることでしょう。そして、どちらにしても格調高い芸術的な文章で綴られています。
クライマックスも、じらして、ひやひやさせて、ほっとさせる筆の運びで、この辺の話の持っていき方は、ハリウッド顔負けのエンタメです。映像でも見たいなと思いましたが、映像化され、評価も高いようですね( 王子と乞食 [DVD ])。そして、このクライマックスに、身分制社会のなかで身分の違うもの同士がいかにして「社会」を作るか──慈悲と信頼──が、神話的に象徴的に表されています。そのために、この作品はエンタメに終わらないカタルシスを読者にもたらしてくれます。結末が大体予想できるのにもかかわらず、陳腐な感じがせず、ほっと胸をなで下ろすような感じになるのです。
マーク・トウェーンにとっては「自信作」で、読み聞かされた子どもたちにも好評を博していたと言いますが、むべなるかなと思います。
他の方も評しているとおり、村岡花子の訳文は格調高く、意味不明なところがなく明快で、すばらしいものでした。ただし、文体や語彙の古さは否めず、ふだん現代の小説ばかり読んでいる家族は「読めなかった」と言っていました。しかし、ある程度の読書好きで戦前の作品も読んでいる方でしたら、むしろ読みやすく、面白く、時間を忘れて読みふけることは間違いありません。
最後に、非常に細かいことですが、「マイルス・ヘンドン」は英語の発音で言えば「マイルズ・ヘンドン」でないとおかしく、読んでいてちょっと気持ち悪かったです。「マイルス・デイヴィス」など、なぜか日本人はこう表記したがるようで、これも時代を感じさせられました。
2015年6月9日に日本でレビュー済み
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岩波の赤帯はやっぱり名作に間違いないですね。訳文の日本語も美しく本当に良い本です。