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四つの四重奏 (岩波文庫) 文庫 – 2011/4/16
『荒地』を発表した後、1927年にエリオットはアングロ・カトリックに改宗し、次第に宗教色を前面に出し始めるようになった。それはモダニズムからの〈後退〉だったのか、それとも〈円熟〉だったのか。「空ろな人間たち」から『灰の水曜日』、そして『四つの四重奏』へと至る後期の詩作の歩みを、詳細な訳注とともにたどる。
- 本の長さ320ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2011/4/16
- ISBN-10400322583X
- ISBN-13978-4003225837
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2011/4/16)
- 発売日 : 2011/4/16
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 320ページ
- ISBN-10 : 400322583X
- ISBN-13 : 978-4003225837
- Amazon 売れ筋ランキング: - 449,874位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,831位岩波文庫
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5 星
百科事典としての『四つの四重奏』
ヘラクレイトスのエピグラフ(ロゴスとプラトン的エロスの宣言)に始まり、アウグスティヌス(Burnt Norton)、エリオット及びミルトン(East Coker)、『バガヴァッド・ギーター』(The Dry Salvages)、ダンテ(Little Gidding)などを経て、最終的にはノリッジのジュリアンからの引用[かくて人はすべてやがてよし/あらゆるもの、またすべてやがてよし]に至る詩全体がまるで、世界文学総覧のようです。主題にしても、四季(春・夏・秋・冬)と四大元素(風・土・水・火)を四つの場所にそれぞれ配置する曼荼羅的体系は、殆どブレイクの預言詩群を思わせます。『荒地』がジョイスにおける『ユリシーズ』だったとすれば(西洋文学の総括)、今作が『フィネガンズ・ウェイク』(詩人の世界の完成)にあたることは疑う余地がないでしょう。作品自体の素晴らしさは勿論のこと、翻訳も注釈も非常に綿密で興味深いですし、折角この世界に生まれたのなら、この作品を一度手に取り、目を通してみては。商品の品質については、新品同然で文句の付け所がありません。
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2021年5月8日に日本でレビュー済み
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ヘラクレイトスのエピグラフ(ロゴスとプラトン的エロスの宣言)に始まり、アウグスティヌス(Burnt Norton)、エリオット及びミルトン(East Coker)、『バガヴァッド・ギーター』(The Dry Salvages)、ダンテ(Little Gidding)などを経て、最終的にはノリッジのジュリアンからの引用[かくて人はすべてやがてよし/あらゆるもの、またすべてやがてよし]に至る詩全体がまるで、世界文学総覧のようです。主題にしても、四季(春・夏・秋・冬)と四大元素(風・土・水・火)を四つの場所にそれぞれ配置する曼荼羅的体系は、殆どブレイクの預言詩群を思わせます。『荒地』がジョイスにおける『ユリシーズ』だったとすれば(西洋文学の総括)、今作が『フィネガンズ・ウェイク』(詩人の世界の完成)にあたることは疑う余地がないでしょう。作品自体の素晴らしさは勿論のこと、翻訳も注釈も非常に綿密で興味深いですし、折角この世界に生まれたのなら、この作品を一度手に取り、目を通してみては。
商品の品質については、新品同然で文句の付け所がありません。
商品の品質については、新品同然で文句の付け所がありません。

ヘラクレイトスのエピグラフ(ロゴスとプラトン的エロスの宣言)に始まり、アウグスティヌス(Burnt Norton)、エリオット及びミルトン(East Coker)、『バガヴァッド・ギーター』(The Dry Salvages)、ダンテ(Little Gidding)などを経て、最終的にはノリッジのジュリアンからの引用[かくて人はすべてやがてよし/あらゆるもの、またすべてやがてよし]に至る詩全体がまるで、世界文学総覧のようです。主題にしても、四季(春・夏・秋・冬)と四大元素(風・土・水・火)を四つの場所にそれぞれ配置する曼荼羅的体系は、殆どブレイクの預言詩群を思わせます。『荒地』がジョイスにおける『ユリシーズ』だったとすれば(西洋文学の総括)、今作が『フィネガンズ・ウェイク』(詩人の世界の完成)にあたることは疑う余地がないでしょう。作品自体の素晴らしさは勿論のこと、翻訳も注釈も非常に綿密で興味深いですし、折角この世界に生まれたのなら、この作品を一度手に取り、目を通してみては。
商品の品質については、新品同然で文句の付け所がありません。
商品の品質については、新品同然で文句の付け所がありません。
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2015年3月21日に日本でレビュー済み
「空ろな人間たち」「灰の水曜日」「四つの四重奏」が収録された詩集です。この岩波文庫の岩崎訳は、ページ全体の2/3くらいが訳注に費やされています。
情報量が多く親切な訳注のおかげで、初学者でも本文のよくわからないところがけっこう理解できると思います。エリオットの詩は非常に難解だとよく言われますが、訳注と平行して読んでみた限り、本当に意味がわからなくて途方に暮れるほどではないと思いました。
「空ろな人間たち」では、中身のない人間がはびこり、理想と現実が一致しなくて暗い世相が描かれています。「こんなふうに世界は終わる/こんなふうに世界は終わる/こんなふうに世界は終わる/爆発ではなく啜り泣きで」という最後の詩句を読んで、私は暗い気分になりました。
「灰の水曜日」は、現世への執着を捨ててひたすら神に祈る詩です。希望や絶望や肉体や現世の快楽を放棄して無心で祈りを捧げる、圧倒的な詩でした。
「四つの四重奏」は、「バーント・ノートン」「イースト・コウカー」「ドライ・サルヴェイジズ」「リトル・ギディング」の四つの詩で構成されています。あらゆる望みを捨てて無私になることや、移ろいゆく欲望と違って愛はとどまりつづけるということを教えられ、私は感動しました。世俗の望みを通り越した愛と神秘の境地に誘ってくれる詩集でした。何らかの理由で望みを絶たれた方の救いになると思います。
情報量が多く親切な訳注のおかげで、初学者でも本文のよくわからないところがけっこう理解できると思います。エリオットの詩は非常に難解だとよく言われますが、訳注と平行して読んでみた限り、本当に意味がわからなくて途方に暮れるほどではないと思いました。
「空ろな人間たち」では、中身のない人間がはびこり、理想と現実が一致しなくて暗い世相が描かれています。「こんなふうに世界は終わる/こんなふうに世界は終わる/こんなふうに世界は終わる/爆発ではなく啜り泣きで」という最後の詩句を読んで、私は暗い気分になりました。
「灰の水曜日」は、現世への執着を捨ててひたすら神に祈る詩です。希望や絶望や肉体や現世の快楽を放棄して無心で祈りを捧げる、圧倒的な詩でした。
「四つの四重奏」は、「バーント・ノートン」「イースト・コウカー」「ドライ・サルヴェイジズ」「リトル・ギディング」の四つの詩で構成されています。あらゆる望みを捨てて無私になることや、移ろいゆく欲望と違って愛はとどまりつづけるということを教えられ、私は感動しました。世俗の望みを通り越した愛と神秘の境地に誘ってくれる詩集でした。何らかの理由で望みを絶たれた方の救いになると思います。
2013年5月3日に日本でレビュー済み
エリオットが荒地のおよそ10年後に発表した表題の4つの詩を中心とした詩集。
エリオットが英国国教会に改宗した後に作成した詩ということもあり、荒地とはかなり違った雰囲気を持っている。
静寂に包まれ、この詩の中では、時間、空間、物質、意識などが、すべてが言葉の中に溶け合っている。
みずからの詩作の活動のもどかしさ、なども表現されていて、読み返すたびに、あらたな発見がある。
荒地を動の世界とすれば、この四重奏は、静の世界を表している。
エリオットが英国国教会に改宗した後に作成した詩ということもあり、荒地とはかなり違った雰囲気を持っている。
静寂に包まれ、この詩の中では、時間、空間、物質、意識などが、すべてが言葉の中に溶け合っている。
みずからの詩作の活動のもどかしさ、なども表現されていて、読み返すたびに、あらたな発見がある。
荒地を動の世界とすれば、この四重奏は、静の世界を表している。
2013年1月8日に日本でレビュー済み
エリオットの後期の代表的な詩を収録したものです。やはり、メインは表題の「四つの四重奏」ですが、そのほかの詩も良いものばかりです。四重奏は長く、読むには大変な集中と精神的な緊張がいるので、そのほかの短めな詩は(そうは言ってもエリオットの詩は基本的に長めなのですが)とっかかりとしても良いと思います。
エリオットの代表作としては一般的には「荒地」が挙げられますが、四重奏は後期の傑作として名高いです。私自身は大江健三郎が「四つの四重奏」を読んでいると「エリオットは二十世紀で最大の詩人だということがしみじみわかる。」とインタヴューで云っているのを見て、「荒地」と両方読みました。
内容は異常に濃く、要約することは難しいです。ただ言えるのは、これが晩年のエリオットの自分の人生、思想の回想であり、平安への祈り、それらの深い瞑想の詩だということです。
良く知られているように後期のエリオットはアングロカトリックとなり、宗教色が濃くなります。そのため「荒地」とはかなり、印象が異なります。しかし、やはりエリオットであり決してキリスト教にとらわれた、範囲の狭い詩ではありません。インド思想とも融合した独特な宗教詩?です。
「荒地」と「四つの四重奏」、前期と後期、好みは分かれるでしょう。私は「荒地」の前期も大好きですが、「荒地」が再生の可能性も提示しながら、ヨーロッパ文明の崩壊のイメージがより強いのに対して、再生の方により焦点を当てているように思える「四つの四重奏」の後期の方が好きでもあります。
なお、訳は好みがあるでしょうが、基本的に分かりやすい良い約だと思います。なにより注がこれほど豊富なのは嬉しいです。私は多少、意味が分かりずらい所は他の方の訳も参照しました。
エリオットの代表作としては一般的には「荒地」が挙げられますが、四重奏は後期の傑作として名高いです。私自身は大江健三郎が「四つの四重奏」を読んでいると「エリオットは二十世紀で最大の詩人だということがしみじみわかる。」とインタヴューで云っているのを見て、「荒地」と両方読みました。
内容は異常に濃く、要約することは難しいです。ただ言えるのは、これが晩年のエリオットの自分の人生、思想の回想であり、平安への祈り、それらの深い瞑想の詩だということです。
良く知られているように後期のエリオットはアングロカトリックとなり、宗教色が濃くなります。そのため「荒地」とはかなり、印象が異なります。しかし、やはりエリオットであり決してキリスト教にとらわれた、範囲の狭い詩ではありません。インド思想とも融合した独特な宗教詩?です。
「荒地」と「四つの四重奏」、前期と後期、好みは分かれるでしょう。私は「荒地」の前期も大好きですが、「荒地」が再生の可能性も提示しながら、ヨーロッパ文明の崩壊のイメージがより強いのに対して、再生の方により焦点を当てているように思える「四つの四重奏」の後期の方が好きでもあります。
なお、訳は好みがあるでしょうが、基本的に分かりやすい良い約だと思います。なにより注がこれほど豊富なのは嬉しいです。私は多少、意味が分かりずらい所は他の方の訳も参照しました。