高橋治さん逝く。越中おわらの風の盆を知らしめた、心の隙間を埋める直木賞作家!

しっとりとした大人の恋を、富山市八尾町の行事「おわら風の盆」を舞台に描いた小説「風の盆恋歌」。
こうした小説に代表されるように、狂おしい程ステキな作品を生み出していた直木賞作家の高橋治さんが6月13日逝ってしまいました。

1984年、年老いた釣り師の友情を描いた「秘伝」で直木賞。
1988年に「名もなき道を」「別れてのちの恋歌」で柴田錬三郎賞。
1996年に「星の衣」で吉川英治文学賞。
小説だけではなく、埋もれた資料を発掘してシベリア出兵の真実に迫ったノンフィクション「派兵」。
小津の人間像を描いた人物伝「絢爛たる影絵」。
など多彩な作品でいつも心の隙間を埋めて頂いた、穏やかな文体ながらもいつも心に残る作品群が印象に残ります。
「風の盆恋歌」は、当時この本を読んで、思わず「越中おわらの風の盆」に行ってしまう程の衝動に揺り動かされた本でした。

ご冥福を心よりお祈りいたします。

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