他のコメントが余りよくないので私の印象をお伝えします。 この映画は英語を理解した上でのストーリー展開を楽しめないと確かにつまらないかもしれません。 対照的にカナダ・アメリカの評価は大変高く内外の評判の落差が際立つ作品です。
奇人と呼ばれ処方箋の薬物に溺れ、数字学を恐れた晩年の天才演奏家の内面的な苦痛とそれを昇華した彼の生んだ高い芸術性、そして死後、日本のファンががいかにグレンの演奏を愛し続けていてその死を惜しみ悲しんだか、自身を取るに足りない演奏家と身近な人々に伝えていたことに対して、"Well, Glenn you were one thing wrong about yourself." と優しく伝えた、老いたお姉さんの表情が大変印象的でした。
伝記ではなくストーリーとして作成された輝きがここに見えました。 コルム・フィオールの無機質とも感じる孤高の演技と極北のレーク・シムコの鳥の鳴き声に消える空が忘れられません。日本語訳付のDVDも発売して欲しい作品の一つです。