本書は、制限的な遠近法を用いた事物の成分の系譜、流体的な力学作用の相転移を考察したとされる、
パルメニデス、メリッソス、エンペドクレスといった諸哲学者たちの断片に多く触れられる。
「争い」や「愛」といったテクストは、
「分離」「結合」や「遁走」「支配」といった概念の空間を拡げた置換によって、後の、
グノーシス的、キリスト的な世界の比喩形象としての諸概念として捉えることもできる。
(高額のため、図書館より借用)
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(メリッソス)
・あるものが永遠であるからには、無限である。それは、
生成したときのその始まりを持たないし、
終滅することになる終わりをというものを持たないからである。
そしてそれは、全体であり無限である以上、「一(いち)」である。
もしも、2、あるいは「多」であったら、
それは互いに対して限界をもつことになろうから(127)
・そして、あるものが、永遠でありながら互いに対して限界をもってあることに
何の支障があるだろうか
さらにまた、全体は、
~生成の始まりと終わりと持っているがゆえに限界づけられていても、
何の支障があるだろうか
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(エンペドクレス)
・「一(いち)」は球形、永遠で不動のもの
・「一(いち)」は「必然」であり
「必然」の資料は4つの基本要素、
形相は「争い(分離)」と「愛(結合)」だという
~
それらの混合物である宇宙も~
溶解されるべき「球」スパイロスという単一の形態をなすものも、
神々にほかならない
~
諸々の魂は神々、
それらを純粋に分け持つ純粋な人間たちも神的なものである。(182)
・火(分離)—「呪われの「~」」
・土(結合)—「捉えて離さぬ「~」
(以前からずっとあったし、これからもずっとあるだろうだからである)
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ソクラテス以前哲学者断片集 第2分冊 単行本 – 2008/11/7
ドイツの碩学ディールスとクランツが編纂した唯一の基本書『ソクラテス以前期の哲学者の断片』第II部「紀元前6世紀・5世紀の哲学者たち(およびその直接の後継者たち)」のうち,本冊は,エンペドクレスを始め,エピカルモス,アルクマイオン,パルメニデス,ゼノン,メリッソスなど,9名の思想家の生涯と言説を収録する.
- 本の長さ333ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2008/11/7
- ISBN-104000920928
- ISBN-13978-4000920926
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
ソクラテス以前の初期ギリシア哲学者たちの著作断片と関連資料を集めたもの。第2分冊では、紀元前6、5世紀の哲学者とその直接の後継者たち。パルメニデス、ゼノンら9人。
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2008/11/7)
- 発売日 : 2008/11/7
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 333ページ
- ISBN-10 : 4000920928
- ISBN-13 : 978-4000920926
- Amazon 売れ筋ランキング: - 550,291位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 292位古代・中世・ルネサンスの思想
- - 925位西洋哲学入門
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2015年3月1日に日本でレビュー済み
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現代の自然科学はギリシア神話からきたギリシア哲学からきていると言っていい。
万物の根源を、火、水、土、空気とし、
その混合と分散であらゆる「物」を説明していくのは、
原子論や機械論に通じるものがある。
もととなるものを成分とし、それらの比率で合わさって「物」になる。
そこには合理主義の胚芽もあるだろう。
ギリシア哲学が次々と解釈され直していくギリシアの自然科学を、
現代科学の方法論と取れるのは間違いない。
目に映る太陽とは別にする太陽の本体を、
後々の概念であるイデア(真理を映す影)と取ったり、
四元素(火、水、土、空気)を構成する実体を円環(不動)と取ったりすることは、
近代哲学と合致していく様をこの目で見ることだ。
混合と分離である「愛」と「争い」の二項対立に分けることは、
非常に人間学的だ。
ギリシア哲学の発想は色々な視点が次から次へと出てきて面白い。
紀元前になされた諸ギリシア哲学はかなり高度な思想だ。
これは現代の科学へと通じる要素をたくさん持っている。
現代科学の方法論はここに集結されてると言っていい。
何故古代の哲学が現代になり得るのか?
それはギリシア人も言語(ロゴス)で思考するからだ。
そこには人間は言葉を持つことの前提があるのだ。
人間が科学を夢見るのも、神話の意味や真理を知りたいという、
ギリシア思想からくるからだ。
正直、よく考えている、という感想を持たせるものであることは間違いない。
万物の根源を、火、水、土、空気とし、
その混合と分散であらゆる「物」を説明していくのは、
原子論や機械論に通じるものがある。
もととなるものを成分とし、それらの比率で合わさって「物」になる。
そこには合理主義の胚芽もあるだろう。
ギリシア哲学が次々と解釈され直していくギリシアの自然科学を、
現代科学の方法論と取れるのは間違いない。
目に映る太陽とは別にする太陽の本体を、
後々の概念であるイデア(真理を映す影)と取ったり、
四元素(火、水、土、空気)を構成する実体を円環(不動)と取ったりすることは、
近代哲学と合致していく様をこの目で見ることだ。
混合と分離である「愛」と「争い」の二項対立に分けることは、
非常に人間学的だ。
ギリシア哲学の発想は色々な視点が次から次へと出てきて面白い。
紀元前になされた諸ギリシア哲学はかなり高度な思想だ。
これは現代の科学へと通じる要素をたくさん持っている。
現代科学の方法論はここに集結されてると言っていい。
何故古代の哲学が現代になり得るのか?
それはギリシア人も言語(ロゴス)で思考するからだ。
そこには人間は言葉を持つことの前提があるのだ。
人間が科学を夢見るのも、神話の意味や真理を知りたいという、
ギリシア思想からくるからだ。
正直、よく考えている、という感想を持たせるものであることは間違いない。