アルコール中毒患者を描いているが監督がビリー・ワイルダーなので
最後には救いがあるに違いないと思ってみたが、その期待は裏切られなかった。
彼なら今のアメリカの様々な問題に対しても何らかの希望を映し出してくれるだろう。
失われた週末 [DVD]
フォーマット | ブラック&ホワイト |
コントリビュータ | レイ・ミランド, ドリス・ダウリング, ビリー・ワイルダー, ジェーン・ワイマン, フィリップ・テリー |
言語 | 英語 |
稼働時間 | 1 時間 40 分 |
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商品の説明
Amazonより
1945年度アカデミー賞作品 / 監督 / 脚本 / 主演男優賞を受賞。名匠ビリー・ワイルダー監督が、アルコール依存症に陥った男の不安心理をシリアスに描いた秀作である。売れない小説家のドン(レイ・ミランド)は、自分の恋人と兄を音楽会に行かせ、その隙に外に出て酒をのんだことから兄を怒らせ、週末をひとりで過ごすはめに。それでも懲りずに酒を求めて再び街に出てさまよう彼は、ふと気が付くとアル中収容所の中におり、恐怖のあまり脱出して家に帰るが、今度は幻覚を見るようになり…。
当時としてはあまりの衝撃的内容に、300人の試写会が終わったら50人になるほど不評だったという。持ち前のコミカル色を一切排したワイルダー監督の意図が伝わるには少々時間がかかったようだが、結果としてはオスカーをもたらした。それまで大根役者と呼ばれていたレイ・ミランドは本作で認められるが、以後、アル中や精神異常、情緒不安定な役柄はオスカーを獲りやすいというジンクスも生まれた。(的田也寸志)
レビュー
監督: ビリー・ワイルダー 出演: レイ・ミランド
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)
登録情報
- アスペクト比 : 1.33:1
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 言語 : 英語
- 梱包サイズ : 18.03 x 13.76 x 1.48 cm; 83.16 g
- EAN : 4560128829700
- 監督 : ビリー・ワイルダー
- メディア形式 : ブラック&ホワイト
- 時間 : 1 時間 40 分
- 発売日 : 2004/10/27
- 出演 : レイ・ミランド, ジェーン・ワイマン, フィリップ・テリー, ドリス・ダウリング
- 字幕: : 英語, 日本語
- 販売元 : ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
- ASIN : B0000QWWVY
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 248,881位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 25,005位外国のドラマ映画
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年2月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
【2007/5/1発売の〝日本語吹替え版入り〟パブリック・ドメインDVDのレビューです】
のっけから不安を煽る白黒映像とテルミンのBGMの組み合わせが怖い。コメディ路線前のビリー・ワイルダー監督、1945年米公開の第18回アカデミー作品賞受賞作。レイ・ミランド氏ことアル中のドンがカウンターで浴びるように飲む描写を、(当時はまだトクトクトク・・という効果音が無かったので)卓上に付く無数のコップの水跡で表現したのが記憶に残ります。
吹替でも観たくて、パラマウントの正規盤には吹替が無いのでGPミュージアム社販売のパプリック・ドメインDVDを買いました。低予算の吹替版なので知っている声優はいませんが、今作の場合は思ったより俳優相応の合っている声の人たちが多く違和感無く観れました。前半の会話シーンで〝サー〟と昔のTV吹替版のようなノイズが入り、DVD全盛の2000年代に作った吹替の筈ですがディスク録音でなく、昔ながらのアナログテープ録音でしょうか?。
画角はジャケット裏の表記では4:3ですが液晶サイズで再生され、恐らくうちのテレビが自動でそう引き伸ばす機能付きの為だと思われ、そういうテレビなら左右黒帯無しで再生されるようです。映像はDVDなのでごく普通のSD(スタンダード)画質ですが、私は画質にこだわらない人間なので特に不満はありません。
のっけから不安を煽る白黒映像とテルミンのBGMの組み合わせが怖い。コメディ路線前のビリー・ワイルダー監督、1945年米公開の第18回アカデミー作品賞受賞作。レイ・ミランド氏ことアル中のドンがカウンターで浴びるように飲む描写を、(当時はまだトクトクトク・・という効果音が無かったので)卓上に付く無数のコップの水跡で表現したのが記憶に残ります。
吹替でも観たくて、パラマウントの正規盤には吹替が無いのでGPミュージアム社販売のパプリック・ドメインDVDを買いました。低予算の吹替版なので知っている声優はいませんが、今作の場合は思ったより俳優相応の合っている声の人たちが多く違和感無く観れました。前半の会話シーンで〝サー〟と昔のTV吹替版のようなノイズが入り、DVD全盛の2000年代に作った吹替の筈ですがディスク録音でなく、昔ながらのアナログテープ録音でしょうか?。
画角はジャケット裏の表記では4:3ですが液晶サイズで再生され、恐らくうちのテレビが自動でそう引き伸ばす機能付きの為だと思われ、そういうテレビなら左右黒帯無しで再生されるようです。映像はDVDなのでごく普通のSD(スタンダード)画質ですが、私は画質にこだわらない人間なので特に不満はありません。
2016年2月28日に日本でレビュー済み
ビリー・ワイルダー監督が手掛けたニューロティック(異常心理)映画の先駆作(1945年製作)。
監督:ビリー・ワイルダー。脚本:ビリー・ワイルダー、チャールズ・ブラケット。
原作:チャールズ・R・ジャクソン。製作:チャールズ・ブラケット。撮影:ジョン・サイツ。
音楽:ミクロス・ローザ(ロージャ・ミクローシュ)。特殊効果:ゴードン・ジェニングス。
出演:レイ・ミランド、ジェーン・ワイマン、フィリップ・テリー、ドリス・ダウリング、ハワード・ダ・シルヴァ、他。
第二次世界大戦終了後、アメリカで流行した人間の心理の異常性を強調した作品で、
アルコール依存症の主人公が体験する幻覚の恐怖を描いたノワール・スリラーの1本。
アルコール漬けの生活に明け暮れる売れない貧乏作家のドン(レイ・ミランド)は、
酒を飲むために平気で嘘をつき、人を騙し、あの手この手で悪知恵を働かせる。
兄ウィク(フィリップ・テリー)と恋人のヘレン(ジェーン・ワイマン)が、
いくら酒をやめさせようとしても、ことごとく失敗に終わる。まさにだらだらの酒飲み生活。
窓の外に吊るした酒瓶を始め、隠した酒瓶を発見する細かいディテールが面白可笑しい。
重度のアル中により、幻覚を見るドンの毎日が、凄まじいほどのインパクトを放つ。
オペラ「椿姫」鑑賞中のシーンでは、酒を手に持った役者の姿を見て、急激に錯乱、幻覚、
妄想状態を起こしてしまう。躍っている役者全員の姿が、クロークで預けた自分のコートに見えてくる。
然もポケットにウイスキーの瓶が入っているのだ。強烈な渇望感と離脱症状である。
酒場で支払う金が足りず、隣席の客のバッグを盗むあたりから、異常なくらい緊張感も高まってくる。
タイプライターを質屋に持っていくが、ヨム・キプル(ユダヤ教の祭日)の為、どの店も休業だった。
不安と焦りと苛立ちを感じながら酒を求め、街中を徘徊するドンの鬼気迫る表情には、
観る側の背筋も凍り付くほど。アル中の怖さが伝わってくるミランドの迫真の演技力に脱帽。
アルコール依存症治療の専門病棟のシークエンスもホラー映画並みの強烈なインパクトを残す。
更にドンの自室で起こる戦慄の幻覚シーン「蝙蝠がネズミを捕食する」キワモノ描写が凄い。
精神崩壊寸前で、半狂乱になってしまったドンのその後の行く末とは・・・。
本編は、酒に落ちぶれていく主人公の姿や飲酒をコントロールすることができない病気などが、
過剰に延々と描かれているだけの単なるストーリー展開に思われるかもしれない。
しかし、作品の根底にあるものは、特異性を持つ主人公を通しながら、築かれる人間関係の深さと、
常軌を逸した奇行による不条理劇の面白さを堪能する異質なサスペンスの醍醐味である。
酒によって現実逃避を行なおうとする行為は、薬物に手を出し、薬物を止めることができなくなる、
というケースに酷似しており、悪循環に陥る危険性をはらんでいる。
夢破れて落胆し、自暴自棄になってしまった時、身近に信頼できる人がいるかどうか・・。
また他人に左右されて物事を決めたり、その結果を人のせいにするのは自分の人生ではなく、
夢や希望が叶わないからこそ、強さを身につけなければならない。人は、リスクから逃げ続けても、
逃げ続けられるものではない、ということを痛感させてくれる教訓映画であった。
コメディ映画の名手ワイルダー監督にしては、切羽詰まったシリアスな印象が残る作品。
ドンの不安な心理状態を暗示するため、テルミンを使ったロージャ・ミクローシュによる音楽は圧巻。
実は、この電子楽器を劇伴に音響効果として活用したのは、本作が世界初(革新的着想)であった。
役作りのため、実際に酒の量を増やしたというレイ・ミランドの熱演ぶりには感服する(笑)。
第18回アカデミー賞で、作品・監督・脚色・主演男優賞の4部門を独占した名作である。
監督:ビリー・ワイルダー。脚本:ビリー・ワイルダー、チャールズ・ブラケット。
原作:チャールズ・R・ジャクソン。製作:チャールズ・ブラケット。撮影:ジョン・サイツ。
音楽:ミクロス・ローザ(ロージャ・ミクローシュ)。特殊効果:ゴードン・ジェニングス。
出演:レイ・ミランド、ジェーン・ワイマン、フィリップ・テリー、ドリス・ダウリング、ハワード・ダ・シルヴァ、他。
第二次世界大戦終了後、アメリカで流行した人間の心理の異常性を強調した作品で、
アルコール依存症の主人公が体験する幻覚の恐怖を描いたノワール・スリラーの1本。
アルコール漬けの生活に明け暮れる売れない貧乏作家のドン(レイ・ミランド)は、
酒を飲むために平気で嘘をつき、人を騙し、あの手この手で悪知恵を働かせる。
兄ウィク(フィリップ・テリー)と恋人のヘレン(ジェーン・ワイマン)が、
いくら酒をやめさせようとしても、ことごとく失敗に終わる。まさにだらだらの酒飲み生活。
窓の外に吊るした酒瓶を始め、隠した酒瓶を発見する細かいディテールが面白可笑しい。
重度のアル中により、幻覚を見るドンの毎日が、凄まじいほどのインパクトを放つ。
オペラ「椿姫」鑑賞中のシーンでは、酒を手に持った役者の姿を見て、急激に錯乱、幻覚、
妄想状態を起こしてしまう。躍っている役者全員の姿が、クロークで預けた自分のコートに見えてくる。
然もポケットにウイスキーの瓶が入っているのだ。強烈な渇望感と離脱症状である。
酒場で支払う金が足りず、隣席の客のバッグを盗むあたりから、異常なくらい緊張感も高まってくる。
タイプライターを質屋に持っていくが、ヨム・キプル(ユダヤ教の祭日)の為、どの店も休業だった。
不安と焦りと苛立ちを感じながら酒を求め、街中を徘徊するドンの鬼気迫る表情には、
観る側の背筋も凍り付くほど。アル中の怖さが伝わってくるミランドの迫真の演技力に脱帽。
アルコール依存症治療の専門病棟のシークエンスもホラー映画並みの強烈なインパクトを残す。
更にドンの自室で起こる戦慄の幻覚シーン「蝙蝠がネズミを捕食する」キワモノ描写が凄い。
精神崩壊寸前で、半狂乱になってしまったドンのその後の行く末とは・・・。
本編は、酒に落ちぶれていく主人公の姿や飲酒をコントロールすることができない病気などが、
過剰に延々と描かれているだけの単なるストーリー展開に思われるかもしれない。
しかし、作品の根底にあるものは、特異性を持つ主人公を通しながら、築かれる人間関係の深さと、
常軌を逸した奇行による不条理劇の面白さを堪能する異質なサスペンスの醍醐味である。
酒によって現実逃避を行なおうとする行為は、薬物に手を出し、薬物を止めることができなくなる、
というケースに酷似しており、悪循環に陥る危険性をはらんでいる。
夢破れて落胆し、自暴自棄になってしまった時、身近に信頼できる人がいるかどうか・・。
また他人に左右されて物事を決めたり、その結果を人のせいにするのは自分の人生ではなく、
夢や希望が叶わないからこそ、強さを身につけなければならない。人は、リスクから逃げ続けても、
逃げ続けられるものではない、ということを痛感させてくれる教訓映画であった。
コメディ映画の名手ワイルダー監督にしては、切羽詰まったシリアスな印象が残る作品。
ドンの不安な心理状態を暗示するため、テルミンを使ったロージャ・ミクローシュによる音楽は圧巻。
実は、この電子楽器を劇伴に音響効果として活用したのは、本作が世界初(革新的着想)であった。
役作りのため、実際に酒の量を増やしたというレイ・ミランドの熱演ぶりには感服する(笑)。
第18回アカデミー賞で、作品・監督・脚色・主演男優賞の4部門を独占した名作である。
2021年6月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
僕は酒を飲む人間なので映画のアル中の怖さはとてもよく分かるのですけど、最後の酒を止めた理由みたいなのにもう少し葛藤が欲しかった気もする。主人公は彼女がいたからなんとかなった気もするのだけど、そうじゃない人はどうすればいいのかなと。ラストだけが物足りなかった。それまではとても面白い映画です。
2019年12月13日に日本でレビュー済み
主人公の売れない作家ドンは始終どうしようもない男でしたが
何故か引き込まれる魅力がありました。
やはりレイ・ミランドの女性たちを陶酔させたり
狂ったように酒瓶を探したり
何かに取り憑かれたように飲む演技が妙々しいからでしょう。
冒頭の酒瓶を隠すためにアパートの窓の外にロープで吊るしているシーンが素敵で
自身の最も気に入っている部分です。
酒への執着はやがて幻覚、窃盗へと展開し
それでも飲む事を止められないドン――
この救いようのない状況を見ているだけでこっちにまで酒の匂いが漂ってきて
ほろ酔いになってしまいました。
冗談ではなく本当です。
DVDジャケットに「これはお酒です」の表示をした方がいいですよ!
お酒は百薬の長と言いますが
飲み過ぎて病むなんて本末転倒――
今一度お酒と向き合う機会にもなる映画だと思います。
おすすめです。
星5つをつけさせていただきます。
何故か引き込まれる魅力がありました。
やはりレイ・ミランドの女性たちを陶酔させたり
狂ったように酒瓶を探したり
何かに取り憑かれたように飲む演技が妙々しいからでしょう。
冒頭の酒瓶を隠すためにアパートの窓の外にロープで吊るしているシーンが素敵で
自身の最も気に入っている部分です。
酒への執着はやがて幻覚、窃盗へと展開し
それでも飲む事を止められないドン――
この救いようのない状況を見ているだけでこっちにまで酒の匂いが漂ってきて
ほろ酔いになってしまいました。
冗談ではなく本当です。
DVDジャケットに「これはお酒です」の表示をした方がいいですよ!
お酒は百薬の長と言いますが
飲み過ぎて病むなんて本末転倒――
今一度お酒と向き合う機会にもなる映画だと思います。
おすすめです。
星5つをつけさせていただきます。
2013年1月31日に日本でレビュー済み
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依存症者の典型的な性癖が描写されていて恐ろしい。画像と年代が古いか?
2021年11月5日に日本でレビュー済み
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戦後わずかの頃のおそらく進駐軍とかが残していったものかと見紛うような古い装丁のハードカバーを、とある公立図書館の閉架に入らせてもらったときに見つけ全身に電流が走った覚えがある。このオープニングでアパートの窓に吊るされた酒瓶からパンしてNYマンハッタンの街並みの遠景になるシーンにはエンパイアステートビルが聳え立つが、ワールドトレードセンターが建つのはこの後28年後になる。恐らくロケ地はイーストリバー沿いのロックフェラー大学付近なのだろう。いまはもう高いビル群で遮られ観られなくなった景色のこのシーンをなんども止めて観てしまう。いちど観に行ってみたいがもうこんなアパートは残っていないだろう。
2022年4月5日に日本でレビュー済み
パラマウント映画専属スターだったレイ・ミランドを主演に迎えたビリー・ワイルダー&チャールズ・ブラケット共同脚本チームが挑んだアルコール依存症をテーマにした名画だと断言したい。
かなり深刻な展開ながら相手役ジェーン・ワイマンとの出逢いは気の利いたシチュエーション!
かなり深刻な展開ながら相手役ジェーン・ワイマンとの出逢いは気の利いたシチュエーション!