三浦梅園の主著は『玄語』。これには玄語図と呼ばれる、円を組み合わせた独自の図を172点含む。また、他人の理論は一切引用されておらず、直観で結論だけ記述しているかのようなものなので難解。そこで岩波文庫みたいなところでは、まずその解読のためのバックボーンとして三浦梅園の学問論などを集めて現代語訳してみたというところ。
三浦梅園の存在論のベースは、「一即一一、一一即一」(1つは2つであり、2つで1つである)。これは1つのように見えても、その内部には対立構造をもつ、また対立あっての1つというもの。この考え方は、「反観合一」や「■易」(陰陽から「こざとへん」を取ったもの)とも呼ばれる。
最初に「一」(全体)があって、それが2つずつどんどん分岐してゆき、最終的に個別具体的(日常的)な概念/ものにまで降りてくる。逆方向に、2つずつ統合していけば「一」(全体)に至る。
三浦梅園は、朱子学とは別の合理主義を構築した不思議な哲学者。

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三浦梅園自然哲学論集 (岩波文庫 青 15-1) 文庫 – 1998/5/18
三浦梅園(1723-89)は,儒学からは「気」「理」「陰陽」などの豊かな哲学概念を学び,西洋の天文・地理・医学からは「実徴実測」を学んだ.梅園は,宇宙のすべてを説明する基本的な原理と法則(彼はそれを天地の「条理」と称した)を知ること,つまり,彼自身の自然哲学の体系を作り上げることを生涯の課題とした.詳細な注と現代語訳を付す.
- 本の長さ350ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日1998/5/18
- ISBN-10400330151X
- ISBN-13978-4003301517
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (1998/5/18)
- 発売日 : 1998/5/18
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 350ページ
- ISBN-10 : 400330151X
- ISBN-13 : 978-4003301517
- Amazon 売れ筋ランキング: - 394,453位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 223位日本思想史
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2003年6月15日に日本でレビュー済み
三浦梅園の自然哲学体系ともいえる「玄語」「贅語」「敢語」のいわゆる「三語」は、梅園独自の用語や概念により彼の到達した世界観、認識論、実践論を展開しているところが多いため私のような凡人にはきわめて難解である。本書は、彼の著作のなかから梅園自然哲学を「多賀墨卿君にこたふる書」や「贅語」の代表的部分などを選んで注解、現代語訳することにより理解しやすくしてくれている。
梅園哲学の神髄は、現代的課題との関係でいえば、「反観合一」にあるといえようか。つまり、世の物事の存在は矛盾に根拠をもつ。したがってそれをあるがままに理解しそのおもむくところを理解しようとすれば、つまり「反して一なるものあるによりて、我、これを反して観、合わせて観て、その本然を求むる」ことが!肝心である、という。実証的精神に則りこの世のすべてのことを素直に観て、それに基づいて世の道を行えば、自ずから治まる、と教えている。現代にこそ、それが求められることは、読書子の易く肯んぜられるところであろう。
梅園哲学の神髄は、現代的課題との関係でいえば、「反観合一」にあるといえようか。つまり、世の物事の存在は矛盾に根拠をもつ。したがってそれをあるがままに理解しそのおもむくところを理解しようとすれば、つまり「反して一なるものあるによりて、我、これを反して観、合わせて観て、その本然を求むる」ことが!肝心である、という。実証的精神に則りこの世のすべてのことを素直に観て、それに基づいて世の道を行えば、自ずから治まる、と教えている。現代にこそ、それが求められることは、読書子の易く肯んぜられるところであろう。