この盤については、いつ聴いても音楽そのものの多様さと豊かさを感じるとともに、それを成就するスティービー・ワンダーの偉大さに感嘆するしかありません。ただ、全体にゆったりとした曲が多く、『Innervisions』はもちろん、『Talking Book』と比べても鋭い緊張感という点では足りないと個人的には思います。70年代も半ばになると、英米のロック音楽全体に、69年から71年にかけての先鋭化から、もっと豊かな幅を持って来ているように(今私の念頭にあるのは特にLed Zeppelinなのですが)思えます。あくまで個人的見解ですが、この盤こそ、スティービー・ワンダーの「勝利宣言」であって、全編に勝者の優雅さと余裕があふれています。
個々の曲では「Smile Please」の抑制のきいた情感、「Heaven is 10 Zillion Light Years Away」のあたたかい大きさから始まって、間にやわらかい「Creeping」を挟んでの「Boogie On Reggae Woman」と「You Haven't Done Nothing」はまさしく圧巻。これらは私があれこれ言う余地はありません。大地から弾んで押し返してくるような、腰のすわったリズム感です。
私は1965年の生まれなので、このレコードが出た頃にはまだ十歳にもなっていなかったのですが、聴いていて何か懐かしい気がします。確かにこのような音楽が、ラジオやテレビから流れていたのを、何気なく耳にしていたのではないかと思います。1970年代の記憶は薄れていくばかりですが、様々な問題が露わになる前の、無邪気な明るさの印象だけは残り続けるのでしょう。
ファースト・フィナーレ(紙ジャケット仕様)
仕様 | 価格 | 新品 | 中古品 |
CD, CD, 2012/9/19
"もう一度試してください。" | SHM-CD1枚組 | ¥1,644 | ¥936 |
CD, 2002/10/9
"もう一度試してください。" | 1枚組 | ¥2,072 | — |
CD, 1992/11/1
"もう一度試してください。" | 1枚組 |
—
| — | ¥445 |
CD, 2000/6/28
"もう一度試してください。" | 1枚組 |
—
| — | ¥903 |
CD, 2005/4/29
"もう一度試してください。" | 1枚組 |
—
| — | ¥1,430 |
CD, 限定版, 2009/1/28
"もう一度試してください。" | 限定版 |
—
| — | ¥4,164 |
CD, 限定版, 2013/11/27
"もう一度試してください。" | 限定版 |
—
| — | ¥4,250 |
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メーカーによる説明
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ファースト・フィナーレ | ファースト・フィナーレ(紙ジャケット仕様) | |
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カスタマーレビュー |
5つ星のうち4.6
42
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5つ星のうち4.6
42
|
価格 | ¥1,644¥1,644 | — |
仕様 | CD | CD, 限定版 |
発売日 | 2012/9/19 | 2009/1/28 |
曲目リスト
1 | やさしく笑って |
2 | 1000億光年の彼方 |
3 | トゥー・シャイ |
4 | レゲ・ウーマン |
5 | クリーピン |
6 | 悪夢 |
7 | 愛あるうちにさよならを |
8 | 聖なる男 |
9 | 美の鳥 |
10 | プリーズ・ドント・ゴー |
商品の説明
内容紹介
Japanese-only SHM-CD (Super High Material CD) paper sleeve pressing of this album. SHM-CDs can be played on any audio player and delivers unbelievably high-quality sound. You won't believe it's the same CD! Universal. 2009.
メディア掲載レビューほか
『トーキング・ブック』『インナーヴィジョンズ』に続く3部作の最後を飾った、スティーヴィー・ワンダーの名盤。グラミー賞を4部門獲得した1974年発表の作品。 (C)RS
登録情報
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 梱包サイズ : 14 x 13.4 x 0.6 cm; 55.28 g
- メーカー : USMジャパン
- EAN : 4988005546258
- 時間 : 43 分
- レーベル : USMジャパン
- ASIN : B001KNVJHO
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 389,007位ミュージック (ミュージックの売れ筋ランキングを見る)
- - 21,118位ソウル・R&B (ミュージック)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2021年1月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
やっぱりすごい。ジャンルで語れない。スティービーそのものがジャンル。配送は早く梱包丁寧。
2014年2月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
スティービー・ワンダー黄金時代四部作の中では一番地味な感じがする本アルバム。しかしグラミー賞最優秀アルバム賞を受賞しただけの事はあって楽曲の出来には素晴らしいものがあります。シングルカットされた『悪夢』(全米第1位)『レゲ・ウーマン』(全米第3位)を始め大作の『聖なる男』ジャズサンバ風の『美の鳥』等中々のものです。
2012年4月23日に日本でレビュー済み
重いテーマを扱い、緊張感溢れるサウンドだった前2作と比べると、明らかに
リラックスしたサウンドになっています。温かい音に癒される、3部作を締めくくるに
相応しい作品だと思います。
まずスタートの1曲目は『Smile Please』、邦題は『やさしく笑って』ですが、その
タイトル通りのソフトで柔らかなサウンドになっています。コンガの音色が絶妙ですね。
そして、このアルバムを通して言えることですが、神懸かり的なスティービーの作曲、
演奏能力のお陰で、優しく包み込むような音楽であっても、決してBGMでは終わらない、
しっかりと聴き込める芸術作品になっています。この辺りもスティービーの恐ろしい
ところです。
そしてきました!私のスティービー・ベスト10に必ず入る名曲、『Heaven is 10 Zillion
Light Years Away』です。まずメロディが最高です。もうこのメロディを聴いたらどんなに
落ち込んでいるときでもなんだか笑顔になることができる、そんなマジックを持ったメロディ
です。さらにスティービーのヴォーカルがまた素晴らしい!どんどんエモーショナルになって
いき、眉間にシワを寄せながら歌い上げる姿が目に浮かぶような、そんな力のこもった熱唱
です。後ろのコーラスも鬼エモーショナルで胸がどんどんあつくなります。
前半の小刻みなリズムが次第にダイナミックになっていき、途中にハンドグラップが入る
ところは、これぞ黒人音楽のグルーヴといった感じで、たくさんの人に感じて欲しいです。
『Boogie On Reggae Woman』はリズムを刻むハイハットと、所々に挿入されるシンセサイザーが
印象的な曲です。前2作ではシンセサイザーは緊張感を高めるために使われていましたが、この
曲では明るいグルーヴを出す為に使われています。ここでもこのアルバムの方向性というものを
明確に感じとることができます。
『It Ain't No Use』はほとんどスティービーのヴォーカルの魅力でもっていくような曲です。
ドラムがリズムをキープするくらいで、それ以外は極端に音を抑えた隙間の多いバックにのせて
スティービーが歌う、温かく包み込んでくれる曲です。サビのコーラスがその優しさに母性を
加えてくれています。
重く翳りのある『They Won't Go When I Go』に続いて、一気に太陽の光をもたらしてくれるのが、
『Bird of Beauty』です。そしてアルバムは『Please Don't Go』で締めくくられます。笑顔で
大円団を迎えるような、全ての楽器が音楽を祝福するように鳴っています。
リラックスしたサウンドになっています。温かい音に癒される、3部作を締めくくるに
相応しい作品だと思います。
まずスタートの1曲目は『Smile Please』、邦題は『やさしく笑って』ですが、その
タイトル通りのソフトで柔らかなサウンドになっています。コンガの音色が絶妙ですね。
そして、このアルバムを通して言えることですが、神懸かり的なスティービーの作曲、
演奏能力のお陰で、優しく包み込むような音楽であっても、決してBGMでは終わらない、
しっかりと聴き込める芸術作品になっています。この辺りもスティービーの恐ろしい
ところです。
そしてきました!私のスティービー・ベスト10に必ず入る名曲、『Heaven is 10 Zillion
Light Years Away』です。まずメロディが最高です。もうこのメロディを聴いたらどんなに
落ち込んでいるときでもなんだか笑顔になることができる、そんなマジックを持ったメロディ
です。さらにスティービーのヴォーカルがまた素晴らしい!どんどんエモーショナルになって
いき、眉間にシワを寄せながら歌い上げる姿が目に浮かぶような、そんな力のこもった熱唱
です。後ろのコーラスも鬼エモーショナルで胸がどんどんあつくなります。
前半の小刻みなリズムが次第にダイナミックになっていき、途中にハンドグラップが入る
ところは、これぞ黒人音楽のグルーヴといった感じで、たくさんの人に感じて欲しいです。
『Boogie On Reggae Woman』はリズムを刻むハイハットと、所々に挿入されるシンセサイザーが
印象的な曲です。前2作ではシンセサイザーは緊張感を高めるために使われていましたが、この
曲では明るいグルーヴを出す為に使われています。ここでもこのアルバムの方向性というものを
明確に感じとることができます。
『It Ain't No Use』はほとんどスティービーのヴォーカルの魅力でもっていくような曲です。
ドラムがリズムをキープするくらいで、それ以外は極端に音を抑えた隙間の多いバックにのせて
スティービーが歌う、温かく包み込んでくれる曲です。サビのコーラスがその優しさに母性を
加えてくれています。
重く翳りのある『They Won't Go When I Go』に続いて、一気に太陽の光をもたらしてくれるのが、
『Bird of Beauty』です。そしてアルバムは『Please Don't Go』で締めくくられます。笑顔で
大円団を迎えるような、全ての楽器が音楽を祝福するように鳴っています。
2017年3月12日に日本でレビュー済み
1974年、スティービー・ワンダー24歳の時の作品。
僕がレコードで買ったのが1977年、発売から3年遅れ。
当時田舎の高校でスティービー・ワンダーが好きだとかレコード持っているやつなんていなかったなあ。
今回は2000年にリマスターされたCDで聴き直した。
1970年代のスティービーの作品はどれもが素晴らしいが、特にこのアルバムはどこか神がかっているほどの楽曲群であることを再確認。
モーツァルトではないが、音楽の神様が舞い降りてきてスティービーにメロディーを授けたのではと思うほどだ。
最高傑作はどれかと問われればこれを選んじゃうかなあ。
僕がレコードで買ったのが1977年、発売から3年遅れ。
当時田舎の高校でスティービー・ワンダーが好きだとかレコード持っているやつなんていなかったなあ。
今回は2000年にリマスターされたCDで聴き直した。
1970年代のスティービーの作品はどれもが素晴らしいが、特にこのアルバムはどこか神がかっているほどの楽曲群であることを再確認。
モーツァルトではないが、音楽の神様が舞い降りてきてスティービーにメロディーを授けたのではと思うほどだ。
最高傑作はどれかと問われればこれを選んじゃうかなあ。
2014年3月25日に日本でレビュー済み
どうも次作の2枚組大作の陰になっているような気もするが、名盤には間違いない。
この頃のアルバムはLPが45分程度という制約があったため、自由に音楽創作を始めた彼の無限に広がり始めた宇宙の質量が収まるワケがなく、それを表現力が貧弱な人々が後でまとめて5部作と呼んで有難がるしかなかったのです。
でも本人はタイトルどうりならば、この路線は4枚目のコレで終わらせたんでしょう。
ベーシックトラックも71年にとったものを使い続けていたハナシもあるし、もう出すのはオシマイ後はボツというところでしょうか。
ジャケットもデザイン、色彩もいい感じですし。どれが一番なんて小さいことは彼には当てハマラナイのだからちゃんと楽しんで聞いてください。
もう1曲目のイントロだけで名盤だとゆうことが確信できますので、ぜひ試聴してみてくださいな。
この頃のアルバムはLPが45分程度という制約があったため、自由に音楽創作を始めた彼の無限に広がり始めた宇宙の質量が収まるワケがなく、それを表現力が貧弱な人々が後でまとめて5部作と呼んで有難がるしかなかったのです。
でも本人はタイトルどうりならば、この路線は4枚目のコレで終わらせたんでしょう。
ベーシックトラックも71年にとったものを使い続けていたハナシもあるし、もう出すのはオシマイ後はボツというところでしょうか。
ジャケットもデザイン、色彩もいい感じですし。どれが一番なんて小さいことは彼には当てハマラナイのだからちゃんと楽しんで聞いてください。
もう1曲目のイントロだけで名盤だとゆうことが確信できますので、ぜひ試聴してみてくださいな。
2015年1月3日に日本でレビュー済み
もういいでしょう、わかりましたよ、かないません。
だから、今年もグラミー持っていくんでしょ!
連続ももういいかなぁ・・、なんて思うんですが、
飛びぬけ過ぎてて、他を選べないんです。
だから、今年もグラミー持っていくんでしょ!
連続ももういいかなぁ・・、なんて思うんですが、
飛びぬけ過ぎてて、他を選べないんです。
2006年9月7日に日本でレビュー済み
前作"Innervisions"は間違い無くStevie Wonderのキャリアの中でも最高傑作と言われる程のクオリティの高さを持った作品であった。名実共にStevie Wonderはトップアーティストの1人として名声を得る事となった。だが、"Innervisions"発売後にStevieは生死に関わるほどの大きな事故に遭ってしまう。大事にも一命は取り留め、事故の後遺症等の多くの不安を抱えていたものの、すぐに創作活動に復帰し、僅か1年と少しの期間で前作に勝るとも劣らない名盤を創り上げた。それが今作"Fulfillingness' First Finale"だ。
僕はStevieがその事故によって大きな考え方の変化を体験したような気がする。前作に異様なほど取り憑いていた激しいストイシズムと緊張感が、この作品ではすっきりと抜けて、とてもリラックスした大らかなサウンドにがらりと様変わりした。そして心底音楽を楽しみながら創作した事が、曲を通して伝わってくる。
前作では、社会問題や色々な人間の心の内部に焦点を当てて詞を書いていたが、今作では人間が生きる中で必要とされる多くの大切なもの、そしてそれらの美しさがメインのテーマになっているように感じる。
とにかくこの音源を聴くと心の何処かがハッピーな気分になってしまう。温もりのあるサウンドと彼の笑顔が浮かんできそうな楽しい歌声で溢れている。「第一幕終了」と題されたこのアルバムはまさしく、これまで彼が多くの実験を経て創り上げてきたものの総決算だったのだと思う。
僕はStevieのアルバムの中で1番この作品が好きだ。ラストを飾る"Bird of Beauty"、"Please Don't Go"の壮大なフィナーレはいつ聴いても大きな感動を与えられる。
僕はStevieがその事故によって大きな考え方の変化を体験したような気がする。前作に異様なほど取り憑いていた激しいストイシズムと緊張感が、この作品ではすっきりと抜けて、とてもリラックスした大らかなサウンドにがらりと様変わりした。そして心底音楽を楽しみながら創作した事が、曲を通して伝わってくる。
前作では、社会問題や色々な人間の心の内部に焦点を当てて詞を書いていたが、今作では人間が生きる中で必要とされる多くの大切なもの、そしてそれらの美しさがメインのテーマになっているように感じる。
とにかくこの音源を聴くと心の何処かがハッピーな気分になってしまう。温もりのあるサウンドと彼の笑顔が浮かんできそうな楽しい歌声で溢れている。「第一幕終了」と題されたこのアルバムはまさしく、これまで彼が多くの実験を経て創り上げてきたものの総決算だったのだと思う。
僕はStevieのアルバムの中で1番この作品が好きだ。ラストを飾る"Bird of Beauty"、"Please Don't Go"の壮大なフィナーレはいつ聴いても大きな感動を与えられる。
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saline jean-paul
5つ星のうち5.0
CD en TBE
2018年12月29日にフランスでレビュー済みAmazonで購入
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