人生は有限であり万人が死を迎える。すなわち、生きる上で考えるべき真に重要な問題は死に関する問題であるといえる。それに対して、科学は答えることはできない。なぜならば科学は「どのようにして」という問いに対してはこたえうるが、「なぜ」とという問いには答えることができないからだ。
そこで死という世界の不条理性と自我との間に衝突が起こる。そして人間は理性の世界に救いがないことを知り、神への、すなわち永遠への信仰に至るのだ。いや、生きるためには信仰せずにはいられないのだ。
そのような世界の法則の不条理性に、私は人間の生の本質的な悲劇性を見、ウナムーノの魂の叫びを感じるのである。
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