現代作家による教科書古典の現代語訳が実に生き生きしていて、まるでトレンディー・ドラマを見るようで、実に面白い。高校生の頃、このような現代語訳があれば、もうちょっと古典をがんばれたのにって思ってしまう・・・・
森見登美彦の「竹取物語」では、かぐや姫がタメ語を話す？・・・・。プレイボーイ在原業平の歌物語「伊勢物語」は、川上弘美の訳で、またまたスッキリ、くっきりと。中島京子は「堤中納言物語」で、三十一文字の和歌をこれまた31文字で現代語訳にするこのチャレンジ&パロディ精神。紀貫之は1000年前のＬＧＢＴのＴだったのか？と思わせる堀江敏幸の「土左日記」では本文をすべてひらがなで訳出するこの冒険心。江國香織の「更級日記」は、これってまさに現代女性の一生とおんなじじゃないか、地方公務員の妻の専業主婦生活。
「訳者あとがき」で、それぞれの作家がこのように訳出した経緯、オリジナルに対する入れ込みようみたいなものが伝わってくるので、これはとても面白い。江國香織が言っているように「平安時代、おそるべし」・・・・っていうことが、実感できる、そして、また読み返してみたくなること請け合いの物語集。
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