74年発表の4作目。ビートルズなどでも有名なジョージ・マーティンをプロデュースに迎えて制作された作品。2.(全米4位)4.(全米5位)の2曲のヒット、そしてアルバムも全米3位のヒットを記録している。
1.は穏やかなボッサ風の曲で前作の延長線上の仕上がり。豊かな響きのコーラスと軽やかなギターのカッティングが心地よい。あまり土臭さを感じない彼らだが、どこか郷愁を感じさせる歌メロが懐かしくも暖かい。3.はオールド・タイミーな雰囲気のポップス調だが、どことなくスタックリッジを思わせるのは気のせいではあるまい。アメリカの旧き良き時代が英国の田園風景とダブった瞬間である。(マーティンは前年にスタックリッジのプロデュースも行なっている。)もちろん必殺の名曲である。4.はフォーキーな曲だが、リンディスファーンや先のスタックリッジ、そしてCSNがうまく融合されたかのような仕上がりで、ハーモニカ、ピアノのソロなどを含めて良い意味でのノスタルジーの感じられる仕上がり。英国ロック・ファンでも絶対に気に入るだろう。
アメリカというグループ名を考えるとこの英国臭はむしろ違和感を感じるほどだが、従来のCSN路線を含みつつも英国のノスタルジック路線のポップスを追求したかのようなこの内容は特に英国ロック/ファンに強くお薦めしたい。これがマーティン効果なのか?到底それだけとは思えないが、オーケストラの使い方は上品(サージェント・ペパーズ風のものももちろん登場)でその響きは絶対に心を打つはず。名盤の多い彼らだが、本作はその中でも白眉の名盤。