「でなければ、王家の血統にも近いほどのわが家の血統は、絶えてしまうんですよ。」―――エル・ベルデゥゴ P.134
人間喜劇の短編が、6つ選書されて収められています。
収録作品名は、
「沙漠の情熱」…………エジプト遠征の時、捕虜から逃れたフランス兵の話
「ことづけ」……………乗合馬車で意気投合した青年に頼まれた手紙を届ける話
「恐怖時代の一挿話」…フランス革命中、ロベスピエールの恐怖政府時代の間に老婦人と聖職者の身に起こった話
「ざくろ屋敷」…………ロワール河岸のザクロの木に囲まれた屋敷に、母子が引っ越してきた話
「エル・ベルデゥゴ」…メンダという町を守ろうとした、レガニェス一家の運命
「知られざる傑作」……老画伯と、彼が隠している傑作といわれる絵画の話
人間喜劇の中の数あるテーマの作品を、バランス良く選書なさっており、訳注、巻末解説も丁寧と思います。
「恐怖時代の一挿話」についての訳注で、サンソンに触れており、バルザックは、サンソンの子と会ったことをきっかけに、「ゴリオ爺さん」そして、人間喜劇へと構想が広がっていったという解説が、面白いです。(P.193~)
「ざくろ屋敷」のガストン兄弟は、長編の「二人の若妻の手記」(水声社 2016年)で大人になって登場しています。

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知られざる傑作 他五編 (岩波文庫 赤 529-1) 文庫 – 1965/1/16
H. de バルザック
(著),
水野 亮
(翻訳)
- ISBN-104003252918
- ISBN-13978-4003252918
- 出版社岩波書店
- 発売日1965/1/16
- 言語日本語
- 本の長さ221ページ
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (1965/1/16)
- 発売日 : 1965/1/16
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 221ページ
- ISBN-10 : 4003252918
- ISBN-13 : 978-4003252918
- Amazon 売れ筋ランキング: - 302,584位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 412位フランス文学研究
- - 451位フランス文学 (本)
- - 2,062位岩波文庫
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トップレビュー
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2009年11月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
バルザックは、やっぱり凄いんだな〜と実感。
短編から長編まで、作家として何でもこなす彼の描写は凄いと思わされた
『知られざる傑作』は、いわば短編集だが、他の作品にも手を出したくなる。
と同時に、フランス革命後〜二月革命前頃のフランス史を垣間見る、
とてもいい教材でもある。
短編から長編まで、作家として何でもこなす彼の描写は凄いと思わされた
『知られざる傑作』は、いわば短編集だが、他の作品にも手を出したくなる。
と同時に、フランス革命後〜二月革命前頃のフランス史を垣間見る、
とてもいい教材でもある。
2003年6月23日に日本でレビュー済み
これは、バルザックのほんの数十ページの短編に過ぎませんが、
今日の芸術にもつながる、本質的な絵画論が展開されています。
フレンホーヘルという老大家が十年もかけて取り組んでいる作品を一目見ようと、若き画家プッサンと名の通った画家であるホルビュスは彼の元を訪れます。理想の女性像を現出させようと、十年も絵の具を塗り重ねてきたフレンホーヘルでしたが、その作品は、彼に悲劇をもたらすものとなってしまうのです、、。
理想の芸術を実現させることの困難、そして完成させることの難しさ、、。
芸術に関する知識が全く無い人でも楽しめる話になっています!
読み終わった後、ふらっと美術館に寄ってみたくなる。そんな作品です。
今日の芸術にもつながる、本質的な絵画論が展開されています。
フレンホーヘルという老大家が十年もかけて取り組んでいる作品を一目見ようと、若き画家プッサンと名の通った画家であるホルビュスは彼の元を訪れます。理想の女性像を現出させようと、十年も絵の具を塗り重ねてきたフレンホーヘルでしたが、その作品は、彼に悲劇をもたらすものとなってしまうのです、、。
理想の芸術を実現させることの困難、そして完成させることの難しさ、、。
芸術に関する知識が全く無い人でも楽しめる話になっています!
読み終わった後、ふらっと美術館に寄ってみたくなる。そんな作品です。
2016年12月8日に日本でレビュー済み
どの作品も筋を追えば面白い話なんだと思う。ただ訳文が、パサパサしたパンを無理に口にねじ込んでる感じで読めたものではない。訳も古いだろうがそれ以前小説の文体として酷すぎはしないか。昔の岩波は結構駄訳があったときくがこれもその一つだと思う。新訳を出すべき。