何故だろう、不思議なくらい強いメッセージを感じる本である。自然が持つ力がそのまま表現されているからだろうか。
自然がそのまま残っているアラスカを舞台にして、野生と共に生きる人々が世の中の大きな変化の波の狭間で葛藤している、様々な人間模様がエッセイのようにまとめられた本である。その中で、アラスカで生きる人々の文化、生活、スピリットをダイレクトに感じる事ができる。
プロジェクト・チェリオット、アークティックビレッジの土地所有権、クジラ漁の話など、とても興味深い。また、それだけではなく、そこに纏わる「出会い」、これが面白い。
人との出会いがいかに重要かということと、人間の生活と共にある野生の役割とその存在が人間に必要であるか、本書を通じて強く理解できる。お勧めです。
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ノーザンライツ (新潮文庫) 文庫 – 2000/2/29
星野 道夫
(著)
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星野道夫が愛したアラスカの人びとの、遥かな物語。
著者の渾身の遺作。カラー写真多数収録。
ノーザンライツとはオーロラ、すなわちアラスカの空に輝く北極光のことである。この本には、運命的にアラスカに引き寄せられ、原野や野生生物と共に生きようとした人たちの、半ば伝説化した羨ましいばかりに自主的な生涯が充ち満ちている。
圧倒的なアラスカの自然を愛し、悠然と流れるアラスカの時間を愛し続けて逝った著者の渾身の遺作。カラー写真多数収録。
【目次】
ジニーとシリアの空
アラスカの空
幻のアラスカ核実験場化計画 一
幻のアラスカ核実験場化計画 二
幻のアラスカ核実験場化計画 三
幻のアラスカ核実験場化計画 四
幻のアラスカ核実験場化計画 五
マッキンレー山の思い出
伝説のロッジ、キャンプ・デナリ 一
伝説のロッジ、キャンプ・デナリ 二
タクシードライバー
雪原の郵便配達人
最後の白人エスキモー
苦悩するグッチンインディアン
アラスカはいったい誰のもの
未来を見通した不思議な力
クリンギット族の寡黙な墓守
思い出の結婚式
心優しきベトナム帰還兵
くじらと共に生きる若きエスキモー
極北の原野を流れる「約束の川」を旅しよう 一
ミチオとの旅:シリア・ハンター
解説:星川淳
星野道夫(1952-1996)
千葉県市川市生れ。慶應義塾大学経済学部卒業後、動物写真家田中光常氏の助手を経て、アラスカ大学野生動物管理学部留学。以後18年間アラスカに暮らし、極北の自然と動物の生命の営み、人びとの暮らしを写真と文章で記録し続けた。『Alaska 極北・生命の地図』で木村伊兵衛写真賞受賞。1996(平成8)年、カムチャツカ半島で取材中、ヒグマに襲われ急逝。自然と人間に真摯に向き合った写真と文章、その温かい人柄は今も多くの人びとに愛され続けている。『星野道夫の仕事』全4巻、『星野道夫著作集』全5巻のほか、多くの写真集・エッセイ集がある。
著者の渾身の遺作。カラー写真多数収録。
ノーザンライツとはオーロラ、すなわちアラスカの空に輝く北極光のことである。この本には、運命的にアラスカに引き寄せられ、原野や野生生物と共に生きようとした人たちの、半ば伝説化した羨ましいばかりに自主的な生涯が充ち満ちている。
圧倒的なアラスカの自然を愛し、悠然と流れるアラスカの時間を愛し続けて逝った著者の渾身の遺作。カラー写真多数収録。
【目次】
ジニーとシリアの空
アラスカの空
幻のアラスカ核実験場化計画 一
幻のアラスカ核実験場化計画 二
幻のアラスカ核実験場化計画 三
幻のアラスカ核実験場化計画 四
幻のアラスカ核実験場化計画 五
マッキンレー山の思い出
伝説のロッジ、キャンプ・デナリ 一
伝説のロッジ、キャンプ・デナリ 二
タクシードライバー
雪原の郵便配達人
最後の白人エスキモー
苦悩するグッチンインディアン
アラスカはいったい誰のもの
未来を見通した不思議な力
クリンギット族の寡黙な墓守
思い出の結婚式
心優しきベトナム帰還兵
くじらと共に生きる若きエスキモー
極北の原野を流れる「約束の川」を旅しよう 一
ミチオとの旅:シリア・ハンター
解説:星川淳
星野道夫(1952-1996)
千葉県市川市生れ。慶應義塾大学経済学部卒業後、動物写真家田中光常氏の助手を経て、アラスカ大学野生動物管理学部留学。以後18年間アラスカに暮らし、極北の自然と動物の生命の営み、人びとの暮らしを写真と文章で記録し続けた。『Alaska 極北・生命の地図』で木村伊兵衛写真賞受賞。1996(平成8)年、カムチャツカ半島で取材中、ヒグマに襲われ急逝。自然と人間に真摯に向き合った写真と文章、その温かい人柄は今も多くの人びとに愛され続けている。『星野道夫の仕事』全4巻、『星野道夫著作集』全5巻のほか、多くの写真集・エッセイ集がある。
- 本の長さ314ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2000/2/29
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101295220
- ISBN-13978-4101295220
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イニュニック 〔生命〕―アラスカの原野を旅する― | ノーザンライツ | |
カスタマーレビュー |
5つ星のうち4.5
50
|
5つ星のうち4.4
67
|
価格 | ¥737¥737 | ¥990¥990 |
【新潮文庫】星道夫 作品 | 壮大な自然と野生動物の姿、そこに暮らす人々との心の交流を、美しい文章と写真で綴る。アラスカのすべてを愛した著者の生命の記録。 | ノーザンライツとは、アラスカの空に輝くオーロラのことである。その光を愛し続けて逝った著者の渾身の遺作。カラー写真多数収録。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2000/2/29)
- 発売日 : 2000/2/29
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 314ページ
- ISBN-10 : 4101295220
- ISBN-13 : 978-4101295220
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 87,088位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,273位海外旅行ガイド (本)
- - 1,935位新潮文庫
- - 2,722位エッセー・随筆 (本)
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2015年6月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
幻に終わったアラスカ核実験場化計画『プロジェクト・チェリオット』に纏わるエッセイ5編を含む21編のアラスカに纏わる優れたエッセイ集です。
後に水爆と父と謂われたエドワード・テラーのアラスカを核実験場化する夢『プロジェクト・チェリオット』が、星野道夫さんが最も尊敬するアラスカの生物学者ビル・プルーイットの一生を狂わせ、さらに大きな視点で振り返れば、アラスカという同じ原野で、一万年以上も個々に散らばって生きてきた先住民(エスキモー、アサバスカンインディアン)を共に立ち上がらせ、初めて一つの輪につなげるきっかけとなったという事実(奇跡)は、3・11福島を経験した我々に、それを昇華し、良き世を創造する為の大きなヒントを与えてくれているように感じました。
文中から印象に残る星野道夫さんと友人たちの言葉をご紹介させて頂きます。
・アメリカの原子力委員会に雇われていた三人の研究者がプロジェクト・チェリオットをつぶすために立ち上がることになった。ビル・プルーイットをはじめとする三人の研究者は次々にプロジェクト・チェリオットを解雇され、ドン・フィットは不慮の死をとげる。けれどもシリアやジニー(共に星野さんの友人)が送り続けたニュースレターはアメリカ本土で小さな渦を巻き起こしていた。やがて大きな波となる渦である。
・その頃、アメリカ本土から一人のエスキモーが故郷のポイント・ホープ村に戻ってきた。ハワード・ロックという五十歳になるエスキモーの藝術家だった。彼はワシントン大学で美学を学んだが、その後、アルコール中毒によって精神分裂症になり、シアトルの貧民街の路上で浮浪者として毎日を送っていた。が、この男が人々の救世主になってゆくのである。
・バーニーの人生には辛い出来事が重なっていた。幼いころの両親の死、屈強なクライマーであった夫エルトンの遭難死、そして不慮の事故により他人の子供をひき殺してしまった過去。彼女は晩年になって精神に破綻をきたしていた。やがて精神科医に最後の助けを求めたバーニーは、自分のこれまでの人生の出来事と本当に向き合ってきたかを問われてゆく。
・「アラスカに戻ってきて、エルトンのそばにゆけて本当に良かった。でもね、ジニー、私の人生の中でひとつだけどうしても悔やまれることがあるの。それはね、エルトンが父親になることを知らないで死んでしまったこと」「バーニー、それは違う。あの日、ルースの氷河で最後のフードドロップをした時、あなたが妊娠したことを私は確かにメッセージで伝えた。エルトンは自分が父親になることを知って死んでいったのよ」。バーニーは一瞬言葉を失い、長い沈黙が流れた。やがて彼女の目からは止めどなく涙があふれていた。
・目まぐるしく、そして加速度的に動き続ける時代という渦の中で、厳しい冬を越した大地から表れる芽のように、それはまだ見過ごしてしまいそうな小ささかもしれないが、僕は新しい力が生まれつつあることを確信し始めている。
・「ボブ、植物にも魂があるのかな?」「当たり前さ。薬草を採りにゆく時、自分がほんとうにきれいにならないと、薬草が自分をみつけてくれないんだ。子供の頃、何度もおばあさんにそのことを言い聞かされた」。僕はボブと出会い、闇の中で薄明りを見たように、ある希望を持つことができた。いや、きっとボブだけではない。行く先が何も見えぬ時代という荒海の中で、新しい舵を取るたくさんの人々が生まれているはずである。
・ベトナム戦争で5万8132人の米兵が命を落としたが、その後、その3倍にも及ぶ約15万人のベトナム帰還兵が自殺したことはあまり知られていない。
・それはスー族やナホバ族をはじめとするアメリカンインディアンに今も残る古い儀式だった。たとえば、自己の魂と出会うため、たった一人で何も食べずに山をさまようヴィジョン・クウェストという旅に出る時、人々はウェスト・ロッジで身を清めるという。
・ぼくは儀式の最中、意識が薄れてゆく中で、人が祈るという姿に打たれていた。人は旅をしているのだと思った。そして、誰もが、それぞれの闇の中から抜け出さなければならないのだ。人はいつも、それぞれの光を捜し求める、長い旅の途中なのだ。
・ぼくは、ふと、“思い出”ということを考えていた。人の一生には、思い出をつくらなければならない時があるような気がした。シリアもジニーも、その人生の“とき”を知っていた。
・自分のスピリットを自然界の鼓動に共鳴させていた男、それがミチオでした。彼は大地と一体となり、そこに暮らす動物たちと一体になっていました。ミチオのおかげで、私たちは、人間の生活とともにある野生の役割、そしてその存続が人間にとって必要であるということを、理解することができるのです。(シリア・ハンター1996年8月13日)
・原子力の力を科学的な立場から訴え続けてきた高木仁三郎(原子力資料情報室)のような、身近なビル・プルーイットを見逃さないで欲しい。(星野さんのアラスカの隣人であり友人の日本文学者カレン)
後に水爆と父と謂われたエドワード・テラーのアラスカを核実験場化する夢『プロジェクト・チェリオット』が、星野道夫さんが最も尊敬するアラスカの生物学者ビル・プルーイットの一生を狂わせ、さらに大きな視点で振り返れば、アラスカという同じ原野で、一万年以上も個々に散らばって生きてきた先住民(エスキモー、アサバスカンインディアン)を共に立ち上がらせ、初めて一つの輪につなげるきっかけとなったという事実(奇跡)は、3・11福島を経験した我々に、それを昇華し、良き世を創造する為の大きなヒントを与えてくれているように感じました。
文中から印象に残る星野道夫さんと友人たちの言葉をご紹介させて頂きます。
・アメリカの原子力委員会に雇われていた三人の研究者がプロジェクト・チェリオットをつぶすために立ち上がることになった。ビル・プルーイットをはじめとする三人の研究者は次々にプロジェクト・チェリオットを解雇され、ドン・フィットは不慮の死をとげる。けれどもシリアやジニー(共に星野さんの友人)が送り続けたニュースレターはアメリカ本土で小さな渦を巻き起こしていた。やがて大きな波となる渦である。
・その頃、アメリカ本土から一人のエスキモーが故郷のポイント・ホープ村に戻ってきた。ハワード・ロックという五十歳になるエスキモーの藝術家だった。彼はワシントン大学で美学を学んだが、その後、アルコール中毒によって精神分裂症になり、シアトルの貧民街の路上で浮浪者として毎日を送っていた。が、この男が人々の救世主になってゆくのである。
・バーニーの人生には辛い出来事が重なっていた。幼いころの両親の死、屈強なクライマーであった夫エルトンの遭難死、そして不慮の事故により他人の子供をひき殺してしまった過去。彼女は晩年になって精神に破綻をきたしていた。やがて精神科医に最後の助けを求めたバーニーは、自分のこれまでの人生の出来事と本当に向き合ってきたかを問われてゆく。
・「アラスカに戻ってきて、エルトンのそばにゆけて本当に良かった。でもね、ジニー、私の人生の中でひとつだけどうしても悔やまれることがあるの。それはね、エルトンが父親になることを知らないで死んでしまったこと」「バーニー、それは違う。あの日、ルースの氷河で最後のフードドロップをした時、あなたが妊娠したことを私は確かにメッセージで伝えた。エルトンは自分が父親になることを知って死んでいったのよ」。バーニーは一瞬言葉を失い、長い沈黙が流れた。やがて彼女の目からは止めどなく涙があふれていた。
・目まぐるしく、そして加速度的に動き続ける時代という渦の中で、厳しい冬を越した大地から表れる芽のように、それはまだ見過ごしてしまいそうな小ささかもしれないが、僕は新しい力が生まれつつあることを確信し始めている。
・「ボブ、植物にも魂があるのかな?」「当たり前さ。薬草を採りにゆく時、自分がほんとうにきれいにならないと、薬草が自分をみつけてくれないんだ。子供の頃、何度もおばあさんにそのことを言い聞かされた」。僕はボブと出会い、闇の中で薄明りを見たように、ある希望を持つことができた。いや、きっとボブだけではない。行く先が何も見えぬ時代という荒海の中で、新しい舵を取るたくさんの人々が生まれているはずである。
・ベトナム戦争で5万8132人の米兵が命を落としたが、その後、その3倍にも及ぶ約15万人のベトナム帰還兵が自殺したことはあまり知られていない。
・それはスー族やナホバ族をはじめとするアメリカンインディアンに今も残る古い儀式だった。たとえば、自己の魂と出会うため、たった一人で何も食べずに山をさまようヴィジョン・クウェストという旅に出る時、人々はウェスト・ロッジで身を清めるという。
・ぼくは儀式の最中、意識が薄れてゆく中で、人が祈るという姿に打たれていた。人は旅をしているのだと思った。そして、誰もが、それぞれの闇の中から抜け出さなければならないのだ。人はいつも、それぞれの光を捜し求める、長い旅の途中なのだ。
・ぼくは、ふと、“思い出”ということを考えていた。人の一生には、思い出をつくらなければならない時があるような気がした。シリアもジニーも、その人生の“とき”を知っていた。
・自分のスピリットを自然界の鼓動に共鳴させていた男、それがミチオでした。彼は大地と一体となり、そこに暮らす動物たちと一体になっていました。ミチオのおかげで、私たちは、人間の生活とともにある野生の役割、そしてその存続が人間にとって必要であるということを、理解することができるのです。(シリア・ハンター1996年8月13日)
・原子力の力を科学的な立場から訴え続けてきた高木仁三郎(原子力資料情報室)のような、身近なビル・プルーイットを見逃さないで欲しい。(星野さんのアラスカの隣人であり友人の日本文学者カレン)
2016年9月14日に日本でレビュー済み
20世紀に入って、アラスカに住む人々も原始生活だけでは済まず、さまざまな文明との混交があり、しかし、根のところはしっかり自然とつながっていることを実感する。
「幻のアラスカ核実験場化計画」1~5がとくに印象深かった。
末尾の言葉が印象的である。
「プロジェクト・チェリオットはある種のスキャンダルである。しかしそれはビル・ブルーイットをはじめとする一部の人びとのヒーロー・ストーリーでもなければ、物理学者エドワード・テラーの狂気を糾弾する物語でもない。それは私たちが通り過ぎた人間の歴史であり、後戻りができない歴史は、当事者の思惑を越えてさらに新たな時代へとつながってゆく。」
「幻のアラスカ核実験場化計画」1~5がとくに印象深かった。
末尾の言葉が印象的である。
「プロジェクト・チェリオットはある種のスキャンダルである。しかしそれはビル・ブルーイットをはじめとする一部の人びとのヒーロー・ストーリーでもなければ、物理学者エドワード・テラーの狂気を糾弾する物語でもない。それは私たちが通り過ぎた人間の歴史であり、後戻りができない歴史は、当事者の思惑を越えてさらに新たな時代へとつながってゆく。」
2009年8月31日に日本でレビュー済み
1997年に出た単行本の文庫化。
タイトルのノーザンライツとは、オーロラのこと。
本書の中心となっているのは、アラスカの自然夜分かを守ってきた人たちのことである。核実験場を建設する計画が持ち上がったときに反対運動を起こし、ついに白紙撤回へと追い込んだ人たち。インディアンの墓場を守った男。州政府と土地の所有権を巡って争った人々。
そういった「英雄たち」を取り上げつつ、しかも、彼らの本当の姿は素朴で伝統的で争いを好まない人たちであったことが描き出されるのである。
たくさんの写真も使われている。
しかし、本書は星野氏の悪い部分が前面に出てしまった失敗作だと思う。ちょっと肩入れしすぎていているし、英雄として描こうという意識が空回りしている。また、過度のロマンチシズムが読んでいてむずがゆい。
いまいちな本であった。
タイトルのノーザンライツとは、オーロラのこと。
本書の中心となっているのは、アラスカの自然夜分かを守ってきた人たちのことである。核実験場を建設する計画が持ち上がったときに反対運動を起こし、ついに白紙撤回へと追い込んだ人たち。インディアンの墓場を守った男。州政府と土地の所有権を巡って争った人々。
そういった「英雄たち」を取り上げつつ、しかも、彼らの本当の姿は素朴で伝統的で争いを好まない人たちであったことが描き出されるのである。
たくさんの写真も使われている。
しかし、本書は星野氏の悪い部分が前面に出てしまった失敗作だと思う。ちょっと肩入れしすぎていているし、英雄として描こうという意識が空回りしている。また、過度のロマンチシズムが読んでいてむずがゆい。
いまいちな本であった。
2017年1月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今まで私は星野道夫さんを偉大な写真家だと思っていた。ところが、この本を読み、彼の作家としての才能に圧倒された。
生態系や文化摩擦を的確に表現しつつ、時に詩のように美しいリズムで読者を沈思黙考させる文体。
「老いることは恐怖ではなく重要な存在になること」
「人が生き抜くため最も大切なのは恐れ」
「昔は良かったというノスタルジアからは何も生まれない」
など名言多数。中でも、幻のアラスカ核実験計画に震撼した。実現しなくて良かった。自分を犠牲にして計画を中止し、アラスカから追放されたプルーイット教授に頭が下がる。
生態系や文化摩擦を的確に表現しつつ、時に詩のように美しいリズムで読者を沈思黙考させる文体。
「老いることは恐怖ではなく重要な存在になること」
「人が生き抜くため最も大切なのは恐れ」
「昔は良かったというノスタルジアからは何も生まれない」
など名言多数。中でも、幻のアラスカ核実験計画に震撼した。実現しなくて良かった。自分を犠牲にして計画を中止し、アラスカから追放されたプルーイット教授に頭が下がる。
2013年6月8日に日本でレビュー済み
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好きな本が増えました。
中学の頃に、図書室にあった星野さんの本を読み、その言葉達に幼心を奪われてもう10年。
上司とふと話していた時に出た名前。
星野道夫
そしてこの本。「ノーザンライツ」
強く生きた女性。
巻き込まれていく運命。
アラスカが生まれていく姿。
アラスカが消えていく姿。
様々な想いが交錯し、迷いながら、
また、真っ直ぐに強く生きていく人達。
私達は何を忘れてしまったのか。
今の私達に、何が必要か。
そんな事を考えさせられる、星野さんの作品。
中学の頃に、図書室にあった星野さんの本を読み、その言葉達に幼心を奪われてもう10年。
上司とふと話していた時に出た名前。
星野道夫
そしてこの本。「ノーザンライツ」
強く生きた女性。
巻き込まれていく運命。
アラスカが生まれていく姿。
アラスカが消えていく姿。
様々な想いが交錯し、迷いながら、
また、真っ直ぐに強く生きていく人達。
私達は何を忘れてしまったのか。
今の私達に、何が必要か。
そんな事を考えさせられる、星野さんの作品。
2016年1月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
星野道夫は写真家として知っていたけど、本(文章)もとても素敵。この本をきっかけに星野さんの本を全部読みたいと思いました。
2014年12月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
どうして、この本は、一つ一つのことばが、こんなに胸を打つのだろう。
アラスカに生きた写真家の星野道夫さん。きっと彼の、人や、ものごとを見る視点が、たまらなく純粋だからにちがいない。
アラスカに生きた写真家の星野道夫さん。きっと彼の、人や、ものごとを見る視点が、たまらなく純粋だからにちがいない。