中山可穂は、私の大好きな現代作家である。サグラダ・ファミリアは彼女の小説の中でもわりと結末の明るいもので、私の最も好きな作品の一つである。
彼女の小説の魅力の1つは、登場人物の「いさぎよさ」にある。それは、彼女がレズビアンで、もともとアウトロー的存在たらざるを得ないところからきているのかも知れない。自分の価値観に従って生きる。それでダメならしかたない。そのいさぎよさが、とてもカッコいい。そう、彼女の考える「カッコいい」生き方が、まさに私のツボにハマッて共感できるのだ。
この小説も、そんな彼女らしいカッコよさがあふれている。とくに、主人公・響子のパトロンである梅ばあのカッコよさには、本当にしびれる。私もこんなふうにいさぎよく、カッコよく生きたいものだ。

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
サグラダ・ファミリア [聖家族] (集英社文庫) 文庫 – 2007/10/19
中山 可穂
(著)
新しい家族の形を描く傑作恋愛小説
主人公・響子のもとに、かつての恋人・透子がシングルマザーとなって現れた。レズビアンのカップルと赤ん坊の不思議な関係は透子の死によって壊れるが……。新しい家族を描く。(解説/北上次郎)
主人公・響子のもとに、かつての恋人・透子がシングルマザーとなって現れた。レズビアンのカップルと赤ん坊の不思議な関係は透子の死によって壊れるが……。新しい家族を描く。(解説/北上次郎)
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2007/10/19
- ISBN-104087462242
- ISBN-13978-4087462241
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 集英社 (2007/10/19)
- 発売日 : 2007/10/19
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 224ページ
- ISBN-10 : 4087462242
- ISBN-13 : 978-4087462241
- Amazon 売れ筋ランキング: - 537,549位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2009年5月3日に日本でレビュー済み
中盤を過ぎたところから、ページを繰るたびに涙が出ては文字が読めなくなった。
本を読んでここまで泣いたことは、ついぞ思い出せない。
知り合いの訃報を聞いたときに流せなかった涙を、ようやく流すことができた。
偽装結婚に養子縁組。
そこに血の繋がりはない。性の関わりもない。でも、愛なら。
目前に不在の人への愛だけで結ばれた家族は、だから、とても聖なる家族、奇跡のような家族だ。
愛という神に捧げられた犠牲のようなものだ。生きることは祈ることに似ている。
彼ら、聖別された家族が、いつまでもその神を忘れずにいられたらいい。
愛が生活に飲み込まれることへの恐れや、心が壊れてしまいそうなぐらいに大きな喪失体験。音楽という芸術の高揚や、さまざまな人との出会いの妙。愛し愛されて、別れを重ねながら、今ここにいる自分というもの。
作者の主題はピアノの音に彩られ、とても美しい祈りと慰めに満ちた小説になっている。
本を読んでここまで泣いたことは、ついぞ思い出せない。
知り合いの訃報を聞いたときに流せなかった涙を、ようやく流すことができた。
偽装結婚に養子縁組。
そこに血の繋がりはない。性の関わりもない。でも、愛なら。
目前に不在の人への愛だけで結ばれた家族は、だから、とても聖なる家族、奇跡のような家族だ。
愛という神に捧げられた犠牲のようなものだ。生きることは祈ることに似ている。
彼ら、聖別された家族が、いつまでもその神を忘れずにいられたらいい。
愛が生活に飲み込まれることへの恐れや、心が壊れてしまいそうなぐらいに大きな喪失体験。音楽という芸術の高揚や、さまざまな人との出会いの妙。愛し愛されて、別れを重ねながら、今ここにいる自分というもの。
作者の主題はピアノの音に彩られ、とても美しい祈りと慰めに満ちた小説になっている。