深く鮮やかな青色アルマイトの胴軸とキャップに、スモークブラックの透明首軸、クロームめっき(ニッケルめっき?)のクリップ。
いかにも「高級万年筆でございます」と主張するデザインからは程遠く、カジュアルさを前面に押し出したデザイン。
でも素材感はサファリのようなプラスチッキーなものではなく、アルマイトの輝きなのでフォーマルな場でも違和感が少なめ。
書き心地等については日本製の同価格帯の方が圧倒的に上だと思いますが、このゲルマンチックな外観は捨てがたい。
インクカートリッジ・コンバーターの覗き穴は、淡い色のインクを入れた際には映えそうです。
ニブは、他の大抵のモデルが首軸内にまで差し込まれているのに対し、サファリ/ビスタ/アルスターは首軸から離れた位置でペン芯にはめられており、最初は組み込み不良かと思ってしまいました。
Webで製品写真を色々検索し、正常な状態であることを確認しました。
書き味は、極めて硬く(パイロット・プラチナの鉄ニブ万年筆より硬い。セーラーとは同程度か?)、かなり力を入れてもほとんど撓みません。
ですので、メモ帳への細かな書き込みは柔らかいニブよりも位置がブレにくく書きやすいのですが、欧州製万年筆なのでEFであっても線は太めなのでB罫だと日本語(漢字)は厳しい感じです。
他の方のレビューで、複写式も楽に書けるとあるのは納得できるニブの硬さです。
ユニボールシグノ等の顔料水性ゲルボールペンと似たような硬さです。サファリ/ビスタ/アルスターの別個体の感覚からすると、ペン先の当たり外れでカリカリ鉄筆のような感じからボールペン的な感じ、ヌメヌメ万年筆の感覚までばらつきがある感じです。(使い続けていくと超硬合金が摩耗して書き味や線の太さが変わっていくわけですが。)
キャップの密閉性については、プラチナのスリップシール機構よりは劣りますが、結構な密封性がある感じです。
キャップの脱着をすると、切り割りからインクが滲み出してきます。おそらくキャップを外す際の負圧でインクが吸い出された結果だと思います。嵌合のストロークが極めて短い製品なのは、密閉性を高めにしつつインク漏れを少なくするためのバランスどころなのだと思います。運搬中にキャップからペン本体が脱落しないか、ちょっと心配なほどです。
密閉性は高め(→未使用1日、2日でペン先が詰まるレベルではない)ではあると思いますが、5日間ほど未使用で放置した後、かすれが生じたので、その程度の密封性なのでしょう。個体差や、使用に伴うシール機構の変形・傷で差が出てくるともおもいますが。
なお、コンバーターを使用し、ペリカンのロイヤルブルーを入れた場合の話です。(揮発性や粘性等はインクにより異なるので、他のインクを使うとかすれなかったり、逆に即座に干からびることもありえます。)
参考
プラチナのスリップシール機構は密閉キャップを首軸にバネの力で押し付けて密閉するため、内部の体積変化によるインク漏れを発生させずに高度な密封を可能とする機構です。
弱点としては、他の製品が軟質樹脂のインナーキャップ(仮称)と首軸で嵌合出来るのに対し、別の部分でネジまたは嵌合機構を設ける必要があることでしょうか。
他の製品はキャップ内のインナーキャップと首軸先端の出っ張りを噛み合わせて密閉する方式がほとんど(※)で、インク漏れ防止と密閉性の両立が困難なため、密閉性を低めにする必要があります。
※ そもそも密封シールが存在しない製品もあります。その場合はすごい勢いでペン先が乾燥していきます。ヨーロッパ共通ショートカートリッジで3日でペン先だけでなくカートリッジまで干からびてしまった製品を経験したことがあります。キャップに密閉機構は無く、キャップはペン先に間違って触れないようにする防護機能しか無い仕様でした。
ブランド | LAMY |
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製品型番 | アルスター |
色 | オーシャンブルー |
材質 | ボディ・キャップ;アルミ/グリップ;強化プラスチック |
サイズ | 長さ約138mm |
線種 | 極細字 |
線幅(mm) | EF |
インク色 | ブルー(青)またはブラック(黒) インク色はお選びいただけません |
ペン先の種類 | 万年筆 |
製品サイズ | 16.41 x 5.79 x 1.8 cm; 0.28 g |
細断形状 | 両用式 |