日本盤のタイトルは「ウルトラ・マドンナ」とある。
これはもともと予定されていたタイトルだったのだけど、
正式タイトルは変更になった。
なぜ変更になったかといえば、当時ワーナーから売り出しを図っていた
ハウスシンガー、ウルトラ・ナテと紛らわしいという理由からだったのだそうな。
その名残が、日本盤にはある。
発売して25年ぐらい経つけど、その間で全世界で3000万枚も売れたらしい。
これに続くマドンナのシングルベストは2枚あるが、
このヒットぶりにはさすがに及ばない。
選曲は最初の4枚のアルバムからのシングルが中心で、
サウンドトラックからのシングルだった「Crazy For You」「Into The Groove」といった
オリジナルアルバムには収録されなかった曲が入っているのが、この時点ではお得だった。
また、マドンナの地位を不動のものにした特大ヒット「VOGUE」も収録されているが、
これはもともと、「Keep It Together」のシングルB面用として作られた新曲で、
あまりに出来が良すぎて別に発売になったという経緯を持つ。
この時全面的に取り入れたハウスミュージックにならい、
「Like A Prayer」「Express Yourself」もハウスミックスで収録されている。
そして、新曲として収録された「Justify My Love」。
レニー・クラヴィッツとの共作としてクレジットされているが、
実際はプリンスの当時の恋人、イングリッド・シャヴェイズの作品だった。
パブリックエネミーのサンプリングを使用したポエトリーリーディングで、
ビデオがあまりに過激だったため放送中止になり、
急きょビデオシングルが発売になったりもした。
なお、このアルバムは全面的にQサウンドなる立体サウンドミックスが施されていて、
そのミックスを施した保土田ゴウは一躍有名になった。
のちのシングルコレクションとちがい、このベストはなぜか、
オリジナルアルバムのようなノリで聴けてしまう。
その統一感も魅力である。