昔観た時は
地味な映画だなと思いましたが
最近見直したら
面白いかったです
捜査過程がメインですが
クライマックスのアクションは
流石マイケルマン監督
銃撃シーンがカッコ良かったです!
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刑事グラハム 凍りついた欲望 [VHS]
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上位レビュー、対象国: 日本
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2017年10月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
(少し内容に触れています)
満月の夜に連続家族皆殺し事件を繰り返すフランシス・ダラハイド。
連続食人殺人犯、レクター博士の逮捕と引き換えに精神の均衡を乱し、引退していた犯人の感情と同調する他に真似が出来ない捜査で知られるカリスマFBI捜査官、ウィル・グラハム。
陰陽、殺人鬼と捜査官の互いの存在を掛けた戦いが始まる…。
推理小説界に連続殺人事件に対するFBIの心理分析官を本格的に持ち込んだ、トマス・ハリスの「レッド・ドラゴン」の初映画化。
同時期にマイケル・チミノの「イヤー・オブ・ドラゴン」が発表された為、プロデューサー判断で「Manhunter」名で封切られました。
わが国では「刑事グラハム 凍りついた欲望」名で公開。
後発ながら遥かに有名となった「羊たちの沈黙」にあやかって「 レッドドラゴン レクター博士の沈黙」と言う邦題ソフトが販売されています。
血生臭い連続殺人事件をスタイリッシュに描いた異色の捜査物で、FBIの科学捜査の様子は迫真ですが、冒頭に描かれるマイアミの海岸の風景や、ダラハイドの家で一夜を過ごしたリーバが歩む朝焼けのシーン等は美しく、後のレクター物とは違うタイプの作品として接した方が楽しめます。
原作では多くの頁が割かれていた犯人ダラハイドの鬼気迫る悲惨な出生(顔に障碍が有り、生母に捨てられ、狷介で精神に問題が有る祖母に育てられた)や、原作名の由来となった英国の画家・詩人・思想家ウィリアム・ブレイク作「大いなる赤き竜と日を纏う乙女」に関する場面の大胆な省略は、原作を読んで居ない方にはダラハイドの凶行の理由が少々解りにくくなっていると共に、逆に犯人の抱える闇が、観客の想像に委ねられる作り方がされているとも言えます。
レクター博士(ブライアン・コックス)は原作通りの端役で、常人に見える小太りの人物ながら、目に尋常ならざる光が有り、刑務所内で得た知識を駆使してグレアムの捜査を淡々と攪乱する様子は短い登場シーンながら印象的です。
コックスは後のホプキンスのチャーミングで派手なレクター博士と比べられると地味ですが、彼がヘルマン・ゲーリングを演じたTVムービー「ニュールンベルグ軍事裁判」等では充分カリスマ性がある名優で有る事が解ります。
特筆すべきは一世一代の名演技をこなしたトム・ヌーナン(「ドラキュリアン」「ロボコップ2」「スパイダーパニック」「ウルフェン」)。
自己醜貌嫌悪に比べてハンサムな他のダラハイド役者(レイフ・ファインズ(「レッド・ドラゴン(ブレット・ラトナー版)」、リチャード・アーミティッジ「HANNIBAL(NBC版)」)に比べると長身短頭でシャイな視線と恵まれない容姿(原作では美しいとされていた頭髪すら禿げている)がダラハイド役にピッタリです。
ブルース・ダーンをもっとマニアックにし、顔だけでは無く全身のシルエットで個性を出せる禿げ頭の怪優として活躍、自身でも監督を務める才人です。
グラハム役の若きウィリアム・ピーターゼン(CSI:科学捜査班)も冷たい青い目が原作通りで好演。
クロフォード役のデニス・ファリーナもタフなイメージで適役です。
ダラハイドと心を通わせる盲人リーバ役には名女優ジョアン・アレン(「ニクソン」「クルーシブル」「ザ・コンテンダー」「HACHI約束の犬」。
グラハムの妻には「未来世紀ブラジル」ファンには一生涯の女神であるキム・グライスト。
音楽の使い方も、マン監督独特の物で、恋人リーバが浮気したと誤解したダラハイドが「竜」に変身する極めて印象的なシーンに、軽快なアメリカンロック(Prime Moversの「Strong as I am」)が流れる等、非常に個性的です。
最後の凶行に及ぼうとしたダラハイド邸で、大音量で流れるアイアン・バタフライの名曲「ガダ・ダ・ヴィダ(In-A-Gadda-Da-Vida)」」も印象的。
他にも日本の喜多郎や、クラウス・シュルツ、ザ・レッズ、ミシェル・レビーニの音楽が効果的に使われています。
スタイリッシュな映像はラウレンティスがイタリアから招いた名カメラマン、ダンテ・スピノッティが担当。
彼は2002年版「レッド・ドラゴン」の撮影も担当しました。
本作が余りヒットせず、その後の「羊たちの沈黙」が大ヒットした事に悔しさを感じたラウレンティスが、捲土重来を期して再映画化したのは有名なお話です。
キングレコードさんは9月に出た「戦争のはらわた最終盤」ソフトでも英独ソフトの特典を移植していましたが、本ソフトにも多くの特典収録が予定されて居り楽しみです。
ただ、現状本作ソフトの決定版である英盤Blu-Ray「MANHUNTER(英AmazonのASIN: B004EMS0WA)」に含まれていた「ディレクターズカット」や「削除シーン」がリストに無いのが気になります。
収録されていると嬉しいのですが…。
(2017年11/3追記)
特典映像に「ディレクターズカット」の表記が追加されていました。
これは買いですね。
エンディング間近にオリジナルのエピソードが追加されています。
(2017年11/16追記)
Amazonさんより購入、観賞。
特典が思いの外素晴らしく、ディレクターズカットはSD映像で、僅か数分の追加映像があるだけながら、よりグレアムの精神の揺らぎが描かれた物。
監督へのインタビューやコメンタリーが無いのが残念ですが、主要キャスト4名と撮影監督スピノッティと音楽担当者5名の詳細なインタビューは大いに聴きごたえが御座いました。
特にブライアン・コックスのインタビューは彼の演じたレクターに対する原作者トマス・ハリスの評価や、本作が内容の割に公開に恵まれなかった理由、英国で評価が高い理由、レクター役の候補に挙がっていた他の役者等、興味深い内容でした。
””レクター博士・サーガ”としてだけではなく、スタイリッシュで哀感漂う80年代刑事物としてもお薦めです。
満月の夜に連続家族皆殺し事件を繰り返すフランシス・ダラハイド。
連続食人殺人犯、レクター博士の逮捕と引き換えに精神の均衡を乱し、引退していた犯人の感情と同調する他に真似が出来ない捜査で知られるカリスマFBI捜査官、ウィル・グラハム。
陰陽、殺人鬼と捜査官の互いの存在を掛けた戦いが始まる…。
推理小説界に連続殺人事件に対するFBIの心理分析官を本格的に持ち込んだ、トマス・ハリスの「レッド・ドラゴン」の初映画化。
同時期にマイケル・チミノの「イヤー・オブ・ドラゴン」が発表された為、プロデューサー判断で「Manhunter」名で封切られました。
わが国では「刑事グラハム 凍りついた欲望」名で公開。
後発ながら遥かに有名となった「羊たちの沈黙」にあやかって「 レッドドラゴン レクター博士の沈黙」と言う邦題ソフトが販売されています。
血生臭い連続殺人事件をスタイリッシュに描いた異色の捜査物で、FBIの科学捜査の様子は迫真ですが、冒頭に描かれるマイアミの海岸の風景や、ダラハイドの家で一夜を過ごしたリーバが歩む朝焼けのシーン等は美しく、後のレクター物とは違うタイプの作品として接した方が楽しめます。
原作では多くの頁が割かれていた犯人ダラハイドの鬼気迫る悲惨な出生(顔に障碍が有り、生母に捨てられ、狷介で精神に問題が有る祖母に育てられた)や、原作名の由来となった英国の画家・詩人・思想家ウィリアム・ブレイク作「大いなる赤き竜と日を纏う乙女」に関する場面の大胆な省略は、原作を読んで居ない方にはダラハイドの凶行の理由が少々解りにくくなっていると共に、逆に犯人の抱える闇が、観客の想像に委ねられる作り方がされているとも言えます。
レクター博士(ブライアン・コックス)は原作通りの端役で、常人に見える小太りの人物ながら、目に尋常ならざる光が有り、刑務所内で得た知識を駆使してグレアムの捜査を淡々と攪乱する様子は短い登場シーンながら印象的です。
コックスは後のホプキンスのチャーミングで派手なレクター博士と比べられると地味ですが、彼がヘルマン・ゲーリングを演じたTVムービー「ニュールンベルグ軍事裁判」等では充分カリスマ性がある名優で有る事が解ります。
特筆すべきは一世一代の名演技をこなしたトム・ヌーナン(「ドラキュリアン」「ロボコップ2」「スパイダーパニック」「ウルフェン」)。
自己醜貌嫌悪に比べてハンサムな他のダラハイド役者(レイフ・ファインズ(「レッド・ドラゴン(ブレット・ラトナー版)」、リチャード・アーミティッジ「HANNIBAL(NBC版)」)に比べると長身短頭でシャイな視線と恵まれない容姿(原作では美しいとされていた頭髪すら禿げている)がダラハイド役にピッタリです。
ブルース・ダーンをもっとマニアックにし、顔だけでは無く全身のシルエットで個性を出せる禿げ頭の怪優として活躍、自身でも監督を務める才人です。
グラハム役の若きウィリアム・ピーターゼン(CSI:科学捜査班)も冷たい青い目が原作通りで好演。
クロフォード役のデニス・ファリーナもタフなイメージで適役です。
ダラハイドと心を通わせる盲人リーバ役には名女優ジョアン・アレン(「ニクソン」「クルーシブル」「ザ・コンテンダー」「HACHI約束の犬」。
グラハムの妻には「未来世紀ブラジル」ファンには一生涯の女神であるキム・グライスト。
音楽の使い方も、マン監督独特の物で、恋人リーバが浮気したと誤解したダラハイドが「竜」に変身する極めて印象的なシーンに、軽快なアメリカンロック(Prime Moversの「Strong as I am」)が流れる等、非常に個性的です。
最後の凶行に及ぼうとしたダラハイド邸で、大音量で流れるアイアン・バタフライの名曲「ガダ・ダ・ヴィダ(In-A-Gadda-Da-Vida)」」も印象的。
他にも日本の喜多郎や、クラウス・シュルツ、ザ・レッズ、ミシェル・レビーニの音楽が効果的に使われています。
スタイリッシュな映像はラウレンティスがイタリアから招いた名カメラマン、ダンテ・スピノッティが担当。
彼は2002年版「レッド・ドラゴン」の撮影も担当しました。
本作が余りヒットせず、その後の「羊たちの沈黙」が大ヒットした事に悔しさを感じたラウレンティスが、捲土重来を期して再映画化したのは有名なお話です。
キングレコードさんは9月に出た「戦争のはらわた最終盤」ソフトでも英独ソフトの特典を移植していましたが、本ソフトにも多くの特典収録が予定されて居り楽しみです。
ただ、現状本作ソフトの決定版である英盤Blu-Ray「MANHUNTER(英AmazonのASIN: B004EMS0WA)」に含まれていた「ディレクターズカット」や「削除シーン」がリストに無いのが気になります。
収録されていると嬉しいのですが…。
(2017年11/3追記)
特典映像に「ディレクターズカット」の表記が追加されていました。
これは買いですね。
エンディング間近にオリジナルのエピソードが追加されています。
(2017年11/16追記)
Amazonさんより購入、観賞。
特典が思いの外素晴らしく、ディレクターズカットはSD映像で、僅か数分の追加映像があるだけながら、よりグレアムの精神の揺らぎが描かれた物。
監督へのインタビューやコメンタリーが無いのが残念ですが、主要キャスト4名と撮影監督スピノッティと音楽担当者5名の詳細なインタビューは大いに聴きごたえが御座いました。
特にブライアン・コックスのインタビューは彼の演じたレクターに対する原作者トマス・ハリスの評価や、本作が内容の割に公開に恵まれなかった理由、英国で評価が高い理由、レクター役の候補に挙がっていた他の役者等、興味深い内容でした。
””レクター博士・サーガ”としてだけではなく、スタイリッシュで哀感漂う80年代刑事物としてもお薦めです。
2017年11月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アンソニー・ホプキンス版の"レッド・ドラゴン“と比べて、同じ位の上映時間なのにも拘らず思いっきり説明不足のこちら。しかし全てマイケル・マン監督のひたすら格好いい映像を繋げるということだけで突っ走るこちらの映画の方が魅力的なのは間違いなし。
でも変な映画ではあります。オープニングが不穏な音楽が鳴る中、マイアミの青空と絵画のような構図の2人の人物の画ではじまったと思えば、クライマックスにはアイアンバタフライのサイケなロックがガンガン鳴るなかで思いっきりスタイリッシュな銃撃シーン。そしてラストは陳腐にさえ思える80年代音楽とホームドラマのようなエンディング。でもそれが全て映画的な興奮に満ちていていいんですよねぇ。
そのオープニングタイトルからファーストカットへの入り方が違っているのと、ラストシーンの前のエピソードが変わっただけの今回のディレクターズカットバージョンですが、ほんの少しのこととはいえ私はディレクターズカットのほうが好みで、(画質は旧DVDとさほど大きく変わっているわけではないので)それだけのために買い換えたようなものですが満足度は高いです。そのほんのちょっと長めのエピソードがグラハム捜査官の違った一面を垣間見せてくれて、ラストシーンに効いてくる感じがとってもしっくりきて、何で劇場版からカットされたんだろうと不思議なくらい。でも本当にちょっとしたことではあります。
ディレクターズカットだからって、“レッド・ドラゴン”のように映画としてきちんとまとまってはくれるわけではありません。ホプキンス版は、グラハムが家族を危険な目に合わせてしまう不安の伏線の張り方もうまいし、何故盲目の女性に虎を撫でさせてるのか説明してあるし、犯人のトラウマとかきっちり描きこんでいるし、実にユニークなオープニングが追加してあるし、こちらでは会話だけでしか出てこないグラハムのレクター博士逮捕劇もきっちりと押さえてあるし、とっても大事な絵にかぶりつくシーンがクライマックスになっているし、エンディングの2段重ねもきちんとある。でもそちらはどうしてもよくあるサスペンス映画の1つにしか思えませんが、マイケル・マン監督のこちらはヒリヒリするような映画体験ができて何度も見たくなるのはこちらだと思います。
レクター博士も、結構私は怪物然としているホプキンスよりも知的な変態親父風のブライアン・コックスが気に入ってますし、噛みつき魔は絶対に美形のレイフ・ファインズではなく、こちらのストッキング半ずれ男でしょう!
またこのソフトに封入されている解説もまたなかなか面白くて、グラハム役にポール・ニューマンも候補になっていたことや、なんとレクター役にマンが同じく監督のウィリアム・フリードキンにオファーしてたなんて逸話が読めます。
でも変な映画ではあります。オープニングが不穏な音楽が鳴る中、マイアミの青空と絵画のような構図の2人の人物の画ではじまったと思えば、クライマックスにはアイアンバタフライのサイケなロックがガンガン鳴るなかで思いっきりスタイリッシュな銃撃シーン。そしてラストは陳腐にさえ思える80年代音楽とホームドラマのようなエンディング。でもそれが全て映画的な興奮に満ちていていいんですよねぇ。
そのオープニングタイトルからファーストカットへの入り方が違っているのと、ラストシーンの前のエピソードが変わっただけの今回のディレクターズカットバージョンですが、ほんの少しのこととはいえ私はディレクターズカットのほうが好みで、(画質は旧DVDとさほど大きく変わっているわけではないので)それだけのために買い換えたようなものですが満足度は高いです。そのほんのちょっと長めのエピソードがグラハム捜査官の違った一面を垣間見せてくれて、ラストシーンに効いてくる感じがとってもしっくりきて、何で劇場版からカットされたんだろうと不思議なくらい。でも本当にちょっとしたことではあります。
ディレクターズカットだからって、“レッド・ドラゴン”のように映画としてきちんとまとまってはくれるわけではありません。ホプキンス版は、グラハムが家族を危険な目に合わせてしまう不安の伏線の張り方もうまいし、何故盲目の女性に虎を撫でさせてるのか説明してあるし、犯人のトラウマとかきっちり描きこんでいるし、実にユニークなオープニングが追加してあるし、こちらでは会話だけでしか出てこないグラハムのレクター博士逮捕劇もきっちりと押さえてあるし、とっても大事な絵にかぶりつくシーンがクライマックスになっているし、エンディングの2段重ねもきちんとある。でもそちらはどうしてもよくあるサスペンス映画の1つにしか思えませんが、マイケル・マン監督のこちらはヒリヒリするような映画体験ができて何度も見たくなるのはこちらだと思います。
レクター博士も、結構私は怪物然としているホプキンスよりも知的な変態親父風のブライアン・コックスが気に入ってますし、噛みつき魔は絶対に美形のレイフ・ファインズではなく、こちらのストッキング半ずれ男でしょう!
またこのソフトに封入されている解説もまたなかなか面白くて、グラハム役にポール・ニューマンも候補になっていたことや、なんとレクター役にマンが同じく監督のウィリアム・フリードキンにオファーしてたなんて逸話が読めます。
2017年10月9日に日本でレビュー済み
11月16日■追記
商品説明には記載がありませんが、ブルーレイには封入特典として二つ折りの単色刷りブックレットが付属されていて(←初回盤のみで、廉価盤には付属しない可能性はあります)、本作が公開される際に宣伝を担当なさったという岡村尚人って方がテキストを執筆なさっています。
---------- 以下、旧レビューです ------------
この度、「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」「L.A.大捜査線/狼たちの街」「刑事グラハム/凍りついた欲望」の硬派な80年代の犯罪ドラマ三作品が一挙にブルーレイ化とは嬉しいかぎり。
なかでも個人的にいちばんの注目株は本作になりますが、その存在を最初に知ったのはビデオのソフトとハードの専門誌「ビデオファン」という雑誌の輸入ソフト紹介欄で、異色の犯罪映画として「べた褒め」されていたテキストを読んだのがきっかけだったと記憶しています。
その紹介記事を読んだ時点で本作の監督マイケル・マンの作品「ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー」と「ザ・キープ」を鑑賞済みで共に気に入っていたし、本作が日本で公開されたあかつきには是非観に行こうと決意していました。
その後しばらくは公開される気配もなく、日々の様々で本作のことも気にかけなくなりかけていた頃に劇場公開されることになったけど、その扱いは「やっつけ」に等しく、地元で公開された時の映画館は真下に地下鉄が走っていたため、電車が通るたびにゴーゴー通過音が場内に響き渡り、最初から場末感バリバリでしたが、見始めるとその面白さに電車通過時の騒音も一時忘れてしまえるくらいで、「作品がもつ力強さは環境の悪さ(昔のアナログTVとか)を凌駕する」と、今更ながら再認識させてくれましたね。
一線を退いていた主人公の元FBI捜査官グラハム(ウィリアム・ピーターセン)が、親友である元上司から同一犯の犯行と思われる二件の猟奇殺人事件の捜査協力を頼まれ、断りきれずに現場に赴き、犯行状況や遺留品から犯人の心理にクロスオーヴァーするグラハム独自の捜査術が前半の見せ場で、当時ではとても新鮮な設定だったため、先のビデオ雑誌で絶賛されるのも当然と、開始早々に納得できたもんです。
グラハムとFBIの科学捜査が犯人像を徐々にあぶり出すなか、前回の事案でグラハムを精神的にも肉体的にも追いつめた狡猾きわまりない殺人鬼ハンニバル・レクターも事件に絡んでき、それまで姿が伏せられていた犯人のパートにバトンタッチされ、狂気と人間性のバランスに苦しむ犯人の生活がじっくり描写され、犯人もけっして理解不能な怪物的存在ではなく、何かが違えば常人と変わらぬ生活を過ごしていたかもしれない境界線の危うさをみせつつ、容姿に自信をもてず、饒舌ではないために社交的でもなく、社会では上手く立ち回われなかったが故に孤立し、ネガティブな渦の連鎖に身をやつしていく犯人の脱線人生を描いた部分が際立っていました。
先のレビュアーが書かれたように、原作には詳しい「レッドドラゴン」がなんたるかの箇所が本作から丸々抜けているのは確かですが、ある出会いが犯人に人間性を取り戻させる可能性があることを示すことで、狂気の元凶は不明なものの、単に「悪い奴が悪いことをする」型通りの悪役が登場する物語よりは、犯人像に厚みが感じとれ、心理面にも迫れていたと思えます。
近年は科学捜査が犯行の隠された真相をさらす展開も(テレビドラマも含め)当たり前な風景となりましたが、本作が公開された頃はまだまだ珍しいと言ってもいい感じで、各専門分野の科学捜査班が重要な見せ場として組み込まれ、それまでの「聞き込み/張り込み/目撃情報」が事件解決の決定打として描かれる捜査モノに新たな要素を付け足し、「新風を吹き込むことに成功した初期作」としても強く記憶に残っていますね。
だから、すっかりその面白さにアテられ、本編鑑賞後に原作(既に文庫になっていた)をすぐに買い求めたし、映画版の完成も間近と伝え聞いていた続編にあたる「羊たちの沈黙」の原作本も続けて買って読んだくらいでした。
後追いだと、どうしても映画版羊たち~のバイアスが知らず知らずにかかっていて、(ハンニバル・レクターの箇所とか)色眼鏡での鑑賞になり、本作が「噂ほど大したことはない」との感想を残しかねないとも思いますし、加え地味な御披露目のされ方で羊たち~の世界的な高評価の陰に隠れっぱなしの本作ですが(羊たち~の世界観に準じたリメイクが登場するに至り、益々、分が悪くなってしまった)、実は現在の科学捜査モノの下地を何気に固めるなど、スッゴい事を成し遂げていたエポック・メイキングな作品なんだと知っておいてほしいと今一度、微力ながら声を大にして本作の意義、功績を伝えたいです。
それから、本作鑑賞後に邦人記者によるウィリアム・ピーターセンのインタビューを読んだことがあり、彼としても本作が自信作だったようで、この映画、出来がイイだろ?と記者に同意を求めたあと、本作の邦題は何なの?と訪ね、返答で「刑事~」と付いていることに疑問を感じ、日本ではFBIを刑事と呼ぶの?と不思議がっていた記事内容を覚えています。
商品説明には記載がありませんが、ブルーレイには封入特典として二つ折りの単色刷りブックレットが付属されていて(←初回盤のみで、廉価盤には付属しない可能性はあります)、本作が公開される際に宣伝を担当なさったという岡村尚人って方がテキストを執筆なさっています。
---------- 以下、旧レビューです ------------
この度、「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」「L.A.大捜査線/狼たちの街」「刑事グラハム/凍りついた欲望」の硬派な80年代の犯罪ドラマ三作品が一挙にブルーレイ化とは嬉しいかぎり。
なかでも個人的にいちばんの注目株は本作になりますが、その存在を最初に知ったのはビデオのソフトとハードの専門誌「ビデオファン」という雑誌の輸入ソフト紹介欄で、異色の犯罪映画として「べた褒め」されていたテキストを読んだのがきっかけだったと記憶しています。
その紹介記事を読んだ時点で本作の監督マイケル・マンの作品「ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー」と「ザ・キープ」を鑑賞済みで共に気に入っていたし、本作が日本で公開されたあかつきには是非観に行こうと決意していました。
その後しばらくは公開される気配もなく、日々の様々で本作のことも気にかけなくなりかけていた頃に劇場公開されることになったけど、その扱いは「やっつけ」に等しく、地元で公開された時の映画館は真下に地下鉄が走っていたため、電車が通るたびにゴーゴー通過音が場内に響き渡り、最初から場末感バリバリでしたが、見始めるとその面白さに電車通過時の騒音も一時忘れてしまえるくらいで、「作品がもつ力強さは環境の悪さ(昔のアナログTVとか)を凌駕する」と、今更ながら再認識させてくれましたね。
一線を退いていた主人公の元FBI捜査官グラハム(ウィリアム・ピーターセン)が、親友である元上司から同一犯の犯行と思われる二件の猟奇殺人事件の捜査協力を頼まれ、断りきれずに現場に赴き、犯行状況や遺留品から犯人の心理にクロスオーヴァーするグラハム独自の捜査術が前半の見せ場で、当時ではとても新鮮な設定だったため、先のビデオ雑誌で絶賛されるのも当然と、開始早々に納得できたもんです。
グラハムとFBIの科学捜査が犯人像を徐々にあぶり出すなか、前回の事案でグラハムを精神的にも肉体的にも追いつめた狡猾きわまりない殺人鬼ハンニバル・レクターも事件に絡んでき、それまで姿が伏せられていた犯人のパートにバトンタッチされ、狂気と人間性のバランスに苦しむ犯人の生活がじっくり描写され、犯人もけっして理解不能な怪物的存在ではなく、何かが違えば常人と変わらぬ生活を過ごしていたかもしれない境界線の危うさをみせつつ、容姿に自信をもてず、饒舌ではないために社交的でもなく、社会では上手く立ち回われなかったが故に孤立し、ネガティブな渦の連鎖に身をやつしていく犯人の脱線人生を描いた部分が際立っていました。
先のレビュアーが書かれたように、原作には詳しい「レッドドラゴン」がなんたるかの箇所が本作から丸々抜けているのは確かですが、ある出会いが犯人に人間性を取り戻させる可能性があることを示すことで、狂気の元凶は不明なものの、単に「悪い奴が悪いことをする」型通りの悪役が登場する物語よりは、犯人像に厚みが感じとれ、心理面にも迫れていたと思えます。
近年は科学捜査が犯行の隠された真相をさらす展開も(テレビドラマも含め)当たり前な風景となりましたが、本作が公開された頃はまだまだ珍しいと言ってもいい感じで、各専門分野の科学捜査班が重要な見せ場として組み込まれ、それまでの「聞き込み/張り込み/目撃情報」が事件解決の決定打として描かれる捜査モノに新たな要素を付け足し、「新風を吹き込むことに成功した初期作」としても強く記憶に残っていますね。
だから、すっかりその面白さにアテられ、本編鑑賞後に原作(既に文庫になっていた)をすぐに買い求めたし、映画版の完成も間近と伝え聞いていた続編にあたる「羊たちの沈黙」の原作本も続けて買って読んだくらいでした。
後追いだと、どうしても映画版羊たち~のバイアスが知らず知らずにかかっていて、(ハンニバル・レクターの箇所とか)色眼鏡での鑑賞になり、本作が「噂ほど大したことはない」との感想を残しかねないとも思いますし、加え地味な御披露目のされ方で羊たち~の世界的な高評価の陰に隠れっぱなしの本作ですが(羊たち~の世界観に準じたリメイクが登場するに至り、益々、分が悪くなってしまった)、実は現在の科学捜査モノの下地を何気に固めるなど、スッゴい事を成し遂げていたエポック・メイキングな作品なんだと知っておいてほしいと今一度、微力ながら声を大にして本作の意義、功績を伝えたいです。
それから、本作鑑賞後に邦人記者によるウィリアム・ピーターセンのインタビューを読んだことがあり、彼としても本作が自信作だったようで、この映画、出来がイイだろ?と記者に同意を求めたあと、本作の邦題は何なの?と訪ね、返答で「刑事~」と付いていることに疑問を感じ、日本ではFBIを刑事と呼ぶの?と不思議がっていた記事内容を覚えています。
2019年8月21日に日本でレビュー済み
ホプキンス版と結末が違いますが映像美やクールさはこちらの圧勝です。
終始真顔で息子と会話する時でも捜査中は笑顔を見せない主人公が
事件を解決した後やっと見せる笑顔、そのギャップがとても良いです。
小説も読んでいるので結末がごっそりカットされているのには驚きましたが、
映画的なハッピーエンドとしては納得できる結末です。
是非両方の映画を見て、小説も読んで欲しい傑作です。
終始真顔で息子と会話する時でも捜査中は笑顔を見せない主人公が
事件を解決した後やっと見せる笑顔、そのギャップがとても良いです。
小説も読んでいるので結末がごっそりカットされているのには驚きましたが、
映画的なハッピーエンドとしては納得できる結末です。
是非両方の映画を見て、小説も読んで欲しい傑作です。