1971年のはじめにリリースされたセカンドアルバム「つづれおり」がミリオンセラー、グラミー賞受賞の大成功を示したキャロル・キング。そののち、間髪をいれずに同年末にリリースしたのが本作。「つづれおり」の勢いをもちこんだともいえるきがします。そして30代を間近に控えたキャロルが「つづれおり」に託しきれなかったトラックの数々を、ここでまとめてきくことができます。本サイトの上記の商品説明のところですが、誤って「つづれおり」についての説明が入っているようで、本作はソロのサードアルバムになります。
自分がとくに好きなのはカーペンターズがカバーしてシングルヒットした「 イッツ・ゴーイング・トゥ・テイク・サムタイム」のオリジナルがここできけることです。カーペンターズのシングル邦題は「小さな愛の願い」でしたね。愛らしくやさしく、小品ですけどキャロル・キングの残した佳曲のひとつとおもいます。
シングルでビッグヒットになった「スウィート・シーズンズ」は当時 ドリフのツーレロ節ににているなどとヒドイことをいうひともいました(本当にひどいですね(笑))。90年代後半には同題名の日本のTVドラマとその挿入歌にもなりましたね。♪Sometime you win sometimes you lose... 自分90年代に前半米国に3年間出張したのですがそのころ職場で流しっぱなしのラジオで時折流れておどろきました。また流れると周囲の複数の米国人が口ずさんでいたりしてそれもおどろきました。米国ではこの軽やかさ、爽快さが「イッツ・トゥ・レイト」とはまた違った感覚で、長く愛されたかなとおもいます。すてきな楽曲だとおもいます。
が、なんといっても本作で最高の楽曲は。。。タイトルチューンの「ミュージック」だとおもいます。「音楽への愛!」が満ち溢れているこの曲は、広く音楽を愛するリスナーをしあわせにしてくれるような、つらいときでも音楽があるんだ、と思い出させてくれるような、素晴らしい楽曲だとおもいます。この曲がもういちどほしくて、37年ぶりにオヤジ買いをしてしまいましたが、まったく色あせてはおらず、感涙ものでした。聴いて幸福な気分になれました。当時、隆盛を極め始めたシンガーソングライターブームのなか、エルトン・ジョン、ジェイムス・テイラーとともに御三家といわれた、そしてそのなかの紅一点だった、稀代のメロディ・メーカー、キャロル・キング女史。。。彼女の感性と、彼女の遺した音楽のうつくしさ、いとおしさ。人生を豊かにしてくれて心から感謝したいです。永遠の星5つです。