岩波でも講孟箚記の名で出ていますが、そちらは元の文調のまま書いてあるので、バカな僕には読めませんでした。本は体裁より中身を重視する派ですので、読みやすい中公クラシックスの方は素晴らしいですね。
今再び叫ばれる「愛国心」とはいかなるものか。その答えの1つがここにあると思います。
「かくすれば かくなるものと 知りながら やむにやまれぬ 大和魂」の句にも表れる、自らの身をなげうってでも日本を良くしたいと思う心。彼が決して気の狂った男でなかったことは、彼の門下生達がその後明治日本のリーダーになっていったことでも明らかであり、この国には、身を捧げるに値する素晴らしさがあるということでしょう。
残念ながら、この情熱の所以を完全に悟るには、あまりにも我々は日本について無知であり、且つ不当な過小評価をしてしまっています。ネットの普及に伴う事実の浸透、『日本国紀』大ヒットをはじめとする愛国心奪還のムーブメント、その中で今一度読み返すべき本の1冊です。
国のことに限らず、個人的な修養に役立つ考え方も多分に載っているので、その点でも大いに読む価値があります。世の「自己啓発書」なるものは、金ばかり稼いでマトモに教えようという気がありません。一方で偉人が必死になって書き上げた本の数々が我々を待っています。これを読まない手があるでしょうか。

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講孟余話―ほか (中公クラシックス J 6) 新書 – 2002/2/10
- 本の長さ475ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2002/2/10
- ISBN-104121600258
- ISBN-13978-4121600257
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2002/2/10)
- 発売日 : 2002/2/10
- 言語 : 日本語
- 新書 : 475ページ
- ISBN-10 : 4121600258
- ISBN-13 : 978-4121600257
- Amazon 売れ筋ランキング: - 349,815位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 80位中公クラシックス
- - 479位東洋哲学入門
- - 488位日本の思想(一般)関連書籍
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2007年8月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
現代語訳のみなのが残念ではありますが、吉田松陰先生の主張や思想をたくさん読み味わうことができます。
残念なのは思想的な凄みが伝わりにくいところでしょうか?
講孟余話のみ、留魂録のみを読みたいなら講談社学術文庫のほうがお勧めできます。あちらのほうは全文記載、書き下し文つきなので、じっくり読みたい方はあちらのほうがよいでしょう。
研究用として手元においておきたい、講孟余話、留魂録以外にも読みたい方には、こちらの中公クラシックスをお勧めします。
残念なのは思想的な凄みが伝わりにくいところでしょうか?
講孟余話のみ、留魂録のみを読みたいなら講談社学術文庫のほうがお勧めできます。あちらのほうは全文記載、書き下し文つきなので、じっくり読みたい方はあちらのほうがよいでしょう。
研究用として手元においておきたい、講孟余話、留魂録以外にも読みたい方には、こちらの中公クラシックスをお勧めします。
2015年3月1日に日本でレビュー済み
講孟余話と題しているが、留魂録をはじめいろいろ詰め込んであります。
原文は一切なく、現代版の日本語のみが掲載されており講孟余話を通読するのに重宝する。
講談社学術文庫のほうは上下巻でかなり分厚いのであちらが原文全部なのだろう。
読みやすいとレビューされているが私にとってはとてもカンタンではなかった。
講孟余話とは孟子の教えを松陰流に解説を加えたものであるが、
松陰先生は孟子にとどまらずありとあらゆる古典を話の中に引用してくる。
そこが彼のとてつもなくすごいところであるが、読書慣れしている私でも本書を通読しようとすると果てしなく労力が要った。
下田のペリー一行の事件の直後の幽閉中に書かれたものであるから、まだ尊王思考がかなり強く表れている。
序盤で愚かな君主を見捨てて賢い君主に乗り換える態度を痛烈に批判している。
この感覚ははやり古来からの日本人特有の資質といっていいほどここでは純度が高く表れている、誠に驚かされた。
彼が読んだ本を後追いで読み始めたらいくら体が合っても間に合わないが、(彼は幽閉の際、1年間に400冊ほど読破している。)
それにしても孟子をはじめとする古典の教えを当時の状況に咀嚼して、わかりやすく生徒たちに教えて伝える様は非常に心打たれるものがあった。
世間では遺作の留魂録のほうが有名であるが、あれは遺言書のようなものなので
吉田松陰という人物を知りたいならばはやり講孟余話を読まれるのがよろしかろう。
原文は一切なく、現代版の日本語のみが掲載されており講孟余話を通読するのに重宝する。
講談社学術文庫のほうは上下巻でかなり分厚いのであちらが原文全部なのだろう。
読みやすいとレビューされているが私にとってはとてもカンタンではなかった。
講孟余話とは孟子の教えを松陰流に解説を加えたものであるが、
松陰先生は孟子にとどまらずありとあらゆる古典を話の中に引用してくる。
そこが彼のとてつもなくすごいところであるが、読書慣れしている私でも本書を通読しようとすると果てしなく労力が要った。
下田のペリー一行の事件の直後の幽閉中に書かれたものであるから、まだ尊王思考がかなり強く表れている。
序盤で愚かな君主を見捨てて賢い君主に乗り換える態度を痛烈に批判している。
この感覚ははやり古来からの日本人特有の資質といっていいほどここでは純度が高く表れている、誠に驚かされた。
彼が読んだ本を後追いで読み始めたらいくら体が合っても間に合わないが、(彼は幽閉の際、1年間に400冊ほど読破している。)
それにしても孟子をはじめとする古典の教えを当時の状況に咀嚼して、わかりやすく生徒たちに教えて伝える様は非常に心打たれるものがあった。
世間では遺作の留魂録のほうが有名であるが、あれは遺言書のようなものなので
吉田松陰という人物を知りたいならばはやり講孟余話を読まれるのがよろしかろう。
2012年6月1日に日本でレビュー済み
アメリカ船に乗り込み、渡米が不可能と分かり、当局に出頭するにいたるまでの出来事が、克明に、どの小説よりも臨場感たっぷりに描かれている。
観察眼と記憶力、描写力が恐ろしくなるほどである。
この人はほんとうに長州随一の天才であったのだ。
あと、塾生たちに、仲良くして何でも話し合いなさいと諭すところに松陰さんの人柄がうかがえる。
ただ、天皇を盲目的に崇拝し、持ち上げているところに、日露戦争以降の危険がひそんでいるといえるかもしれない。
とにかくとんでもない名文家であり、すさまじい行動力である。
この人は、最良の日本人であったのだ。
観察眼と記憶力、描写力が恐ろしくなるほどである。
この人はほんとうに長州随一の天才であったのだ。
あと、塾生たちに、仲良くして何でも話し合いなさいと諭すところに松陰さんの人柄がうかがえる。
ただ、天皇を盲目的に崇拝し、持ち上げているところに、日露戦争以降の危険がひそんでいるといえるかもしれない。
とにかくとんでもない名文家であり、すさまじい行動力である。
この人は、最良の日本人であったのだ。
2011年10月9日に日本でレビュー済み
幕末の教育者吉田松陰の著作をコンパクトにまとめた本です。幽囚生活25歳の頃、『孟子』についての見解をまとめた『講孟余話』に学ぶべきことは多くあります。これを読むと、彼の人格が優れていたが故に彼の許から多くの人材が輩出したことがわかるのではないかと思います。彼は若くして亡くなりましたが、もし彼が長生きしていたら、どのように彼の考え方が展開していったか、そして日本の歴史はどうなっていたかと、ふと考えることがあります。