ミーガンのあまりに純粋な儚さは、シェイクスピアのハムレットのオフィーリアを彷彿させる。そしてこの儚さを愚かと片づけられずに、胸が締め付けられるほど美しく切ない気持ちにさせられるのは、日本語訳の言葉ひとつひとつに清らかな気品と深い知性が感じられたからだと思う。
特に、情景描写は、叙情詩のように場面が目に浮かぶとともに、その内面も伝わってきて、原作の奥深さを見事に表現していると感じた。
注釈も、とても丁寧に説明してくれているので、当時のイギリスの様子がよく分かり、物語の世界に自然と入り込むことができた。
もしこの物語の翻訳が、分かりやすいようにと現代的な言葉遣いになっていたら…こういう感動は得られなかったかも。日本語で読むならば、この翻訳本は良いと思った。

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林檎の樹 (新潮文庫) 文庫 – 1953/8/10
若き日の思い出の地を再訪した初老の男。その胸に去来するものは、花咲く林檎の樹の下で愛を誓った、神秘に満ちた乙女の面影……。
- ISBN-104102088016
- ISBN-13978-4102088012
- 版改
- 出版社新潮社
- 発売日1953/8/10
- 言語日本語
- 本の長さ113ページ
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登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1953/8/10)
- 発売日 : 1953/8/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 113ページ
- ISBN-10 : 4102088016
- ISBN-13 : 978-4102088012
- Amazon 売れ筋ランキング: - 542,690位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年2月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2023年11月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
学生時代の課題本の一つで、数年前に買った英文のを読んでいましたが所々解らなくて和訳本を捜していました。少しの滲みや折れがありましたが読むには大丈夫です!ただ、文字が小さいので、疲れますが仕方ないかな?と思います。なかなか、書店では手に入らないので、出会えて嬉しいです🎵
➡️先の投稿は作者名間違えました!
此方でお願い致します。
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此方でお願い致します。
2010年10月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
若気の至りと自分の中で遠い昔の記憶の彼方へと追いやっていた行いの結果を
26年後の48才のアシャーストは知ることになる。
やるせないせつなさ、悔いを感じるほどに、二度と取り戻すことのできない眩しく輝く
記憶がこの先アシャーストを苦しめ続けるでしょう。
イギリスの美しい田園風景が思い浮かぶ描写が素晴らしいです。
26年後の48才のアシャーストは知ることになる。
やるせないせつなさ、悔いを感じるほどに、二度と取り戻すことのできない眩しく輝く
記憶がこの先アシャーストを苦しめ続けるでしょう。
イギリスの美しい田園風景が思い浮かぶ描写が素晴らしいです。
2016年9月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
原書で読む機会があったので日本語訳が、気になり購入しました。英語表現を日本語訳する難しさを再確認したように感じます。
2011年2月24日に日本でレビュー済み
他の訳を読み比べてないのでその辺は何とも言えませんが、日本語としても大変美しく面白かったです。他の訳も読みたくなりました。
2005年1月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
初老の主人公が2人の女性を同時に愛した青年期を回想する場面から
物語が始まります。若さゆえの身勝手とも言える2人の女性への憧憬は、
時に美しく、時に哀しく、青年の心を思い悩ませます。そして、時は
愛の選択を迫ります。身分の異なる2人の女性、どちらかを選ぶことで
自分自身の人生も大きく変わる選択を余儀なくされます。
そして初老となった今、その選択の結果を知ることになるのです。
愛は脆くもあり、崇高でもあり、純粋でもあり、偽善的でもある。
そんな詩的な感情にさせてくれました。自己保身的な愛や、欲に満ちた
愛は、己の愚かさを諭してくれるのではないかと思いました。
物語が始まります。若さゆえの身勝手とも言える2人の女性への憧憬は、
時に美しく、時に哀しく、青年の心を思い悩ませます。そして、時は
愛の選択を迫ります。身分の異なる2人の女性、どちらかを選ぶことで
自分自身の人生も大きく変わる選択を余儀なくされます。
そして初老となった今、その選択の結果を知ることになるのです。
愛は脆くもあり、崇高でもあり、純粋でもあり、偽善的でもある。
そんな詩的な感情にさせてくれました。自己保身的な愛や、欲に満ちた
愛は、己の愚かさを諭してくれるのではないかと思いました。
2006年2月5日に日本でレビュー済み
水彩画のような情景のなかで、物語が進行して行く。まだ若い青年が旅先で出会った少女に恋し、惹きつけられる思いのなかで、永遠を誓ってしまう。しかし、誓った翌日には、別の魅力的な少女に引き寄せられ、昨日の出来事がまるで夢のように感じられ、現実の目の前の少女を選んでいくことになる。
そのとき、その瞬間、それが自分にとって正しいと思えるような選択は、損得を越えたものがある。しかし、目の前の現実のなかでより魅力的なものに素直に惹かれるのもまた若さゆえの選択なのだろう。
振り返って傷ついたり傷つけたり、思い出しても悔いる経験だが、時間だけがそのこころを癒してくれるのかもしれない。
そのとき、その瞬間、それが自分にとって正しいと思えるような選択は、損得を越えたものがある。しかし、目の前の現実のなかでより魅力的なものに素直に惹かれるのもまた若さゆえの選択なのだろう。
振り返って傷ついたり傷つけたり、思い出しても悔いる経験だが、時間だけがそのこころを癒してくれるのかもしれない。
2003年1月6日に日本でレビュー済み
銀婚式の日、思い出の地に赴いた主人公アシャーストは、ひとりの少女との恋に涙する。
戻るに戻れない、望んでも到達することができない林檎の樹。
心が痛くなる、やるせない物語です。
戻るに戻れない、望んでも到達することができない林檎の樹。
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