舞台は戦後ドイツ。戦争に敗れ、男が減った。敗戦後の生き方を模索するマリアが主人公です。
進駐軍相手のバーで働くことにした。給料は物資か現金かというのも時代背景ですね。
戦後ドイツという大きな背景がありますが、メインはマリアという女性の生き方です。
死んだはずの夫が現れるが、それでも成り上がりを志し、自身の空間の辻褄を取り繕う。
常識的な夫婦関係は破綻していたが、生きることを優先としたパートナーとして歩み始める。
マリアは夫を愛していたのだろう。夫もそうだったのかもしれないが、数奇な運命を辿る夫婦。
気丈に現実を受け止めるだけの夫というのが、戦後ドイツを表しています。
ラストでは、全ての主権を握っていたつもりだったマリアは袋小路から出られなくなった。
オズワルトが一枚上手だったのか、扱いが上手かったのか。
この映画のタイトルは知ってましたが、ファスビンダー監督作品は先日ここで見た”不安は魂を食いつくす”が初めてでした。
鑑賞したのはまだ二作ですが、いずれの作品もテンポが良く見るものを引き付ける世界観があります。
マリア・ブラウンの結婚 [DVD]
¥14,980 ¥14,980 税込
フォーマット | 色, ドルビー, ワイドスクリーン |
コントリビュータ | ペーター・メルテスハイマー, ペア・フレーリヒ, イヴァン・デスニー, ハンナ・シグラ, ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー, クラウス・レーヴィチュ |
言語 | ドイツ語 |
稼働時間 | 2 時間 |
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登録情報
- アスペクト比 : 1.78:1
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 言語 : ドイツ語
- 梱包サイズ : 18.03 x 13.76 x 1.48 cm; 83.16 g
- EAN : 4523215015226
- 監督 : ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
- メディア形式 : 色, ドルビー, ワイドスクリーン
- 時間 : 2 時間
- 発売日 : 2007/12/22
- 出演 : ハンナ・シグラ, クラウス・レーヴィチュ, イヴァン・デスニー
- 字幕: : 日本語
- 言語 : ドイツ語 (Mono)
- 販売元 : 紀伊國屋書店
- ASIN : B000WSQICY
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 150,828位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 14,874位外国のドラマ映画
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年5月8日に日本でレビュー済み
戦後、同じ様に敗戦国でありながら、ドイツと日本は非常に違った「戦後」を歩んだ。先ず、何よりもドイツは分割された。又、ドイツは、憲法を何度も改定したが、日本は、憲法を一度も改定して居ない。その一方で、過去の歴史問題について、戦後の日本にはかなりの自由が存在したのに対し、ドイツでは、厳しい言論規制が行はれ、歴史を自由に議論する事が出来無かった。この映画を見ると、私は、そうした戦後のドイツと日本の違いを痛感させられる。
私は、この映画が好きではない。この映画には、戦後ドイツの不自由な言論状況とその下で生きて来たドイツ人の屈折した感情ばかりが感じられ、はっきり言って、憂鬱である。元の夫が東ドイツ、新しい夫がEC(当時)を暗示して居る事は誰にもわかるが、とにかく屈折して居る。ドイツ人が歩んだ戦後の苦難に敬意を表して星三つとするが、映画として、出来の良い作品だとは思はない。ドイツの戦後を描いた作品として、私は、この映画よりも、(日本人である)浦澤直樹の劇画『モンスター』の方が、よほど、ドイツ人の心情を代弁して居る気がする。
(西岡昌紀・内科医/ヨーロッパの大戦が終結して63年目の日に)
私は、この映画が好きではない。この映画には、戦後ドイツの不自由な言論状況とその下で生きて来たドイツ人の屈折した感情ばかりが感じられ、はっきり言って、憂鬱である。元の夫が東ドイツ、新しい夫がEC(当時)を暗示して居る事は誰にもわかるが、とにかく屈折して居る。ドイツ人が歩んだ戦後の苦難に敬意を表して星三つとするが、映画として、出来の良い作品だとは思はない。ドイツの戦後を描いた作品として、私は、この映画よりも、(日本人である)浦澤直樹の劇画『モンスター』の方が、よほど、ドイツ人の心情を代弁して居る気がする。
(西岡昌紀・内科医/ヨーロッパの大戦が終結して63年目の日に)
2024年2月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
30年位前に、NHK教育テレビの[世界名作劇場]で放映されていた時に、初めて試聴しました。なんとか、ブルーレイ💿️ディスクを購入できないかなぁと思っていたのですが、今回のAmazonさんのサイトで購入できました。拍手。‼️名だたる監督さんと、名女優さんとの傑作品を高画質で試聴できますことは、この上ない至福の喜びに御座ります。どうもありがとうございました。
2014年1月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
空襲下慌ただしく出征前の夫ヘルマン・ブラウン(クラウス・レーヴィッチュ)と結婚式を挙げたマリア(ハンナ・シグラ)。
僅か一日と半日の新婚生活の後、夫は敵地で行方知れずに。
焼け跡と化したドイツの戦後10年間を夫の帰還を待ちながら生きる為に清濁併せ飲んで過ごした一人の女性;マリアの半生を通し描いた作品。
「ローラ」、「ヴェロニカ・フォスの憧れ」へと続くドイツ復興三部作の一作目。
78年、ファスビンダーは本作の制作と並行して念願のTV用大作シリーズ『ベルリン・アレキサンダー広場』の脚本も執筆していた。
添付ブックレットの渋谷哲也氏解説によると、ファスビンダーは『ベルリン〜』に重点を置き、マリア役に希望していたロミー・シュナイダーが叶わず、比較的小品である本作の現場には制作費増額を訴える幟を立てたり、姿を現さなかったりする等、奇行が目立ったとの事。
本作を最後に撮影のミヒャエル・バルハウスがファスビンダーと袖を分かつ遠因となった。
その様なギクシャクした現場とファスビンダーの意欲に反してヒットし国際的評価も高かった作品。
5年振りのファスビンダー作品出演となるハンナ・シグラの存在感は確かに苦手な方が居る事も解る灰汁の強さ。
むせ返る様な生命力が有る。
彼女演ずるマリアが取る最後の行動は強く見える人物の意外な脆さを描いて苦い余韻を残す。
BOXと単品で時系列的に拝見すると、初期のファスビンダー映画に比べ、とても観易くなっている。
聡明さと逞しさを合わせ持ったマリアの生活の描写は、敗戦・焼跡を知っている世代、または知っている親が居る日本人には身につまされる点も多々有り(米兵専門でドイツ女性のホステスが居るバー、米兵が食堂で捨てる吸殻に群がるドイツ人、など)。
焼け跡に流れるグレン・ミラーの音楽は雄弁に終戦の安堵と一抹の寂しさを語る。
低予算ながら、前記シグラの存在感の所為か重厚な印象。
女優ハンナ・シグラがお好きな方にはお薦め。
ファスビンダー映画の常連俳優が多数登場。
本DVDの画質は良い。
渋谷哲也氏、柳下毅一郎氏の詳細な解説と主要スタッフ・キャストのバイオが載ったブックレット付。
僅か一日と半日の新婚生活の後、夫は敵地で行方知れずに。
焼け跡と化したドイツの戦後10年間を夫の帰還を待ちながら生きる為に清濁併せ飲んで過ごした一人の女性;マリアの半生を通し描いた作品。
「ローラ」、「ヴェロニカ・フォスの憧れ」へと続くドイツ復興三部作の一作目。
78年、ファスビンダーは本作の制作と並行して念願のTV用大作シリーズ『ベルリン・アレキサンダー広場』の脚本も執筆していた。
添付ブックレットの渋谷哲也氏解説によると、ファスビンダーは『ベルリン〜』に重点を置き、マリア役に希望していたロミー・シュナイダーが叶わず、比較的小品である本作の現場には制作費増額を訴える幟を立てたり、姿を現さなかったりする等、奇行が目立ったとの事。
本作を最後に撮影のミヒャエル・バルハウスがファスビンダーと袖を分かつ遠因となった。
その様なギクシャクした現場とファスビンダーの意欲に反してヒットし国際的評価も高かった作品。
5年振りのファスビンダー作品出演となるハンナ・シグラの存在感は確かに苦手な方が居る事も解る灰汁の強さ。
むせ返る様な生命力が有る。
彼女演ずるマリアが取る最後の行動は強く見える人物の意外な脆さを描いて苦い余韻を残す。
BOXと単品で時系列的に拝見すると、初期のファスビンダー映画に比べ、とても観易くなっている。
聡明さと逞しさを合わせ持ったマリアの生活の描写は、敗戦・焼跡を知っている世代、または知っている親が居る日本人には身につまされる点も多々有り(米兵専門でドイツ女性のホステスが居るバー、米兵が食堂で捨てる吸殻に群がるドイツ人、など)。
焼け跡に流れるグレン・ミラーの音楽は雄弁に終戦の安堵と一抹の寂しさを語る。
低予算ながら、前記シグラの存在感の所為か重厚な印象。
女優ハンナ・シグラがお好きな方にはお薦め。
ファスビンダー映画の常連俳優が多数登場。
本DVDの画質は良い。
渋谷哲也氏、柳下毅一郎氏の詳細な解説と主要スタッフ・キャストのバイオが載ったブックレット付。
2019年9月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-での視聴です。
映画の後にレストレーションについての表記がありました。
「© 2013 Rainer Werner Fassbinder Foundation」と記されているように2013年にレストレーションが行われたバージョンのようです。
画質は良好で、気になる部分もありませんでした。
ハンナ・シグラの美しさが光っています。
この映画はアメリカでも商業的に成功し、戦後初の100万ドル越えを売り上げたドイツ映画となりました。
方向性は違いますが、同時期に公開された『ブリキの太鼓』と並ぶ傑作と言えるでしょう。
映画の後にレストレーションについての表記がありました。
「© 2013 Rainer Werner Fassbinder Foundation」と記されているように2013年にレストレーションが行われたバージョンのようです。
画質は良好で、気になる部分もありませんでした。
ハンナ・シグラの美しさが光っています。
この映画はアメリカでも商業的に成功し、戦後初の100万ドル越えを売り上げたドイツ映画となりました。
方向性は違いますが、同時期に公開された『ブリキの太鼓』と並ぶ傑作と言えるでしょう。
2010年5月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1945年は日本にとってもドイツにとっても0年だったのだと思う。共に完膚無き敗北の屈辱の中を皆が生きたはずだ。これは我々の父母の世代の貧しい敗戦国の現実であり、皆が今まで目を背けてこようとした、まさに「誰も戦後を知らない」今、そして沖縄始め日本中にまだ米軍が駐留し戦後が終わらない日本人が知るべき敗戦国民の心だと思う。
この作品を憂鬱で好きではないというレビューがあるが、私はそう思わない。マリアが黒人の米兵に語る言葉は "I'm fond of you"であり、結婚から二日しか一緒に過ごしていない夫に対しては絶対に "I love him"であるという。この「義理」堅さは、共に封建社会の心を最後まで引きずった日独両国民の持っている共通のメンタリティーであり、そのようにしか生きられない我々の父母を悲しくもありまた愛すべき人々でもあると思わざるを得ない。
野村幸代が戦後の売春婦に近い時期があったことをバッシングされた時もデビ婦人は、その時代はみなそうであったと彼女を庇い、森光代は戦後米兵にプロポーズされて天にも昇るほどうれしかったが、愛していたかどうかなんてわからない。ただ貧しくてひもじかったと。その気持ちは今の人にはわからないと語る。
今も続く敗戦国民日本人として、若い人にこそ、ここが私たちの0年であったことを、我々の父母はこのように生きたことを、見て知ってもらいたい。
この作品を憂鬱で好きではないというレビューがあるが、私はそう思わない。マリアが黒人の米兵に語る言葉は "I'm fond of you"であり、結婚から二日しか一緒に過ごしていない夫に対しては絶対に "I love him"であるという。この「義理」堅さは、共に封建社会の心を最後まで引きずった日独両国民の持っている共通のメンタリティーであり、そのようにしか生きられない我々の父母を悲しくもありまた愛すべき人々でもあると思わざるを得ない。
野村幸代が戦後の売春婦に近い時期があったことをバッシングされた時もデビ婦人は、その時代はみなそうであったと彼女を庇い、森光代は戦後米兵にプロポーズされて天にも昇るほどうれしかったが、愛していたかどうかなんてわからない。ただ貧しくてひもじかったと。その気持ちは今の人にはわからないと語る。
今も続く敗戦国民日本人として、若い人にこそ、ここが私たちの0年であったことを、我々の父母はこのように生きたことを、見て知ってもらいたい。
2016年9月4日に日本でレビュー済み
敗戦国ドイツの戦後の悲哀は、日本の状況とも似ていて 同時期の戦勝国の作品とは全く違う状況で、
その国その時代を知らない者にとっても共感できるところが 多いです。
主人公が戦後の荒廃した中から持ち前のバイタリティで のし上がってゆく様はなかなか痛快です。
様々な人間関係の縺れがあるのですが、メロドラマに はしることなく、
きわめて冷静に乾いたタッチで描いている ところがドイツ的であります。
主演女優もなかなか魅力的です。 この映画を見た夜に夢の中にこの映画が出てきました。
他人にはどうでもいいことですが、自分にとっては 大変珍しいことで、
何か特別な想いがあったのかと考え、 それで記憶に残っている作品です。
その国その時代を知らない者にとっても共感できるところが 多いです。
主人公が戦後の荒廃した中から持ち前のバイタリティで のし上がってゆく様はなかなか痛快です。
様々な人間関係の縺れがあるのですが、メロドラマに はしることなく、
きわめて冷静に乾いたタッチで描いている ところがドイツ的であります。
主演女優もなかなか魅力的です。 この映画を見た夜に夢の中にこの映画が出てきました。
他人にはどうでもいいことですが、自分にとっては 大変珍しいことで、
何か特別な想いがあったのかと考え、 それで記憶に残っている作品です。
2015年10月18日に日本でレビュー済み
第二次世界大戦後期、混乱するベルリンでマリアとヘルマンは略式の結婚式を上げた。しかし半日と一夜を共に過ごした後、ヘルマンは戦場へと向かってしまう。
戦争が終わり、マリアは友人のベティと共にそれぞれの夫を探しに行く。ベティの夫ウィリーは無事に戻ってくるが、しかしヘルマンは戦死したと告げられる。
戦後のドイツで体を張って逞しく生きる女性、マリア・ブラウンの生き様を描いた
作品。 美しくてセクシーな女性だけど、関わっちゃダメな人。 夫とかどんな
気持ちだったんだろう。
戦争が終わり、マリアは友人のベティと共にそれぞれの夫を探しに行く。ベティの夫ウィリーは無事に戻ってくるが、しかしヘルマンは戦死したと告げられる。
戦後のドイツで体を張って逞しく生きる女性、マリア・ブラウンの生き様を描いた
作品。 美しくてセクシーな女性だけど、関わっちゃダメな人。 夫とかどんな
気持ちだったんだろう。