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別冊太陽227 若冲百図 (別冊太陽 日本のこころ 227) ムック – 2015/2/26
小林忠
(監修)
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購入オプションとあわせ買い
代表作とその優品を100図選んで多彩な画業を一望する。第一線の研究者たちによる論考や、辻惟雄×小林忠スペシャル対談を収録。
- 本の長さ171ページ
- 言語日本語
- 出版社平凡社
- 発売日2015/2/26
- ISBN-104582922279
- ISBN-13978-4582922271
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対象商品: 別冊太陽227 若冲百図 (別冊太陽 日本のこころ 227)
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登録情報
- 出版社 : 平凡社 (2015/2/26)
- 発売日 : 2015/2/26
- 言語 : 日本語
- ムック : 171ページ
- ISBN-10 : 4582922279
- ISBN-13 : 978-4582922271
- Amazon 売れ筋ランキング: - 297,886位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 15,849位アート・建築・デザイン (本)
- - 48,810位雑誌 (本)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年8月11日に日本でレビュー済み
海外の愛好家によってその価値を見いだされた芸術家は少なくないのだろうけれども、ほぼ見捨てられていた伊藤若冲(1716~1800)の場合は、特に珍しいのではないだろうか。
若冲が生まれたのは1716年で、ちょうど今の大丸の京都店、つまり高倉通錦小路だったそうである。京都でも指折りの繁華街であったのは、間違いないだろう。生家は青物問屋だったそうだが、青物問屋とはなんだろうか。簡単に言うと、八百屋の胴元のような存在だったらしい。このような事業が江戸時代の京都で成り立っていたというのは、非常に興味深い話ではないだろうか。7歳で亡くなった7代将軍徳川家継の治世下であり、もっと分かりやすく言うと第8代吉宗の登場直前のこととである。さて若冲は15歳くらいから絵を学び始めたというが、間違いなく幼少から絵が得意であったに違いない。23歳の時に、父が42歳で亡くなり、長男であった若冲は四代桝屋源左衛門として事業を継承した。40歳の時に、つまり1756年頃、弟に事業を譲り、作画三昧の生活に入ったというが羨ましい限りである。だが若冲は事業を譲渡した後も、錦小路の維持、発展に力を尽くしたという見方もあるらしい。それはともかくとして、多くの傑作を残しながら、72歳の時に大火に襲われて住居を失い、老身を押して豊中や伏見で障壁画の大作を制作しなければならなかったとされるのだが、大作を任されるだけの技量が年老いても評価されていたのだろう。代表作は、「動植綵絵」という生活にゆとりのあった50歳前後の作品だとされているが、たしかに評価されない方が不思議なほどの充実ぶりである。“鶏の画家”とも称されることのある若冲だが、鶏冠、羽毛、みごとな描き振りだというのは素人でも分かる。この他にも「動植綵絵」には、蛸や鯛と言った“錦”らしい題材を取り上げた作品も含まれている。このあたりの作品は、若冲が資金を豊富に使ったと思える作品になっている。だがこの若冲は、どういう訳か、人物画はあまり残していないようだ。自画像だって、まるで“隠居”という方が相応しいものではないか。これだけの腕前を持つ画家が、なぜ肖像画を遺さなかったのか、不思議なことである。VelazquezやVermeerほどの生き生きした肖像画でなくとも、いや少し後年の葛飾北斎の自画像のような作品が残されていたら、もっと若冲を身近に感じることができるだろう。84年という長命ながら、家族を持つこともなく、世を去ったのは、やはりどこか浮世のものではなかったからかもしれない。
また印象に残る深い画家に出会った、というのが伊藤若冲の生涯である。Joe Priceさん、ありがとう、と言わなくてはならない。
若冲が生まれたのは1716年で、ちょうど今の大丸の京都店、つまり高倉通錦小路だったそうである。京都でも指折りの繁華街であったのは、間違いないだろう。生家は青物問屋だったそうだが、青物問屋とはなんだろうか。簡単に言うと、八百屋の胴元のような存在だったらしい。このような事業が江戸時代の京都で成り立っていたというのは、非常に興味深い話ではないだろうか。7歳で亡くなった7代将軍徳川家継の治世下であり、もっと分かりやすく言うと第8代吉宗の登場直前のこととである。さて若冲は15歳くらいから絵を学び始めたというが、間違いなく幼少から絵が得意であったに違いない。23歳の時に、父が42歳で亡くなり、長男であった若冲は四代桝屋源左衛門として事業を継承した。40歳の時に、つまり1756年頃、弟に事業を譲り、作画三昧の生活に入ったというが羨ましい限りである。だが若冲は事業を譲渡した後も、錦小路の維持、発展に力を尽くしたという見方もあるらしい。それはともかくとして、多くの傑作を残しながら、72歳の時に大火に襲われて住居を失い、老身を押して豊中や伏見で障壁画の大作を制作しなければならなかったとされるのだが、大作を任されるだけの技量が年老いても評価されていたのだろう。代表作は、「動植綵絵」という生活にゆとりのあった50歳前後の作品だとされているが、たしかに評価されない方が不思議なほどの充実ぶりである。“鶏の画家”とも称されることのある若冲だが、鶏冠、羽毛、みごとな描き振りだというのは素人でも分かる。この他にも「動植綵絵」には、蛸や鯛と言った“錦”らしい題材を取り上げた作品も含まれている。このあたりの作品は、若冲が資金を豊富に使ったと思える作品になっている。だがこの若冲は、どういう訳か、人物画はあまり残していないようだ。自画像だって、まるで“隠居”という方が相応しいものではないか。これだけの腕前を持つ画家が、なぜ肖像画を遺さなかったのか、不思議なことである。VelazquezやVermeerほどの生き生きした肖像画でなくとも、いや少し後年の葛飾北斎の自画像のような作品が残されていたら、もっと若冲を身近に感じることができるだろう。84年という長命ながら、家族を持つこともなく、世を去ったのは、やはりどこか浮世のものではなかったからかもしれない。
また印象に残る深い画家に出会った、というのが伊藤若冲の生涯である。Joe Priceさん、ありがとう、と言わなくてはならない。
2015年3月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
昨今の若冲人気には目を見張るものがある。
勿論、これには先んじて若冲作品をコレクションしたジョー・プライス氏、或いは「奇想の画家」として若冲を紹介した辻惟雄氏等、火付け役や牽引者がいた事は確かだが、このブームの理由は決してそれだけでは無いだろう。
伊藤若冲には、現代の私達にも共感出来る何かがある…それを教えてくれるのが、この度「若冲生誕300年」を記念して出版された本書『若冲百図』なのだ。
さて、若冲と言えば何といっても動植物画が有名である。
本書は、これらの多彩な動植物図を中心に、仏画、静物画、山水風景画も加え、見所は満載だ。
更に、お馴染みの色鮮やかな彩色画は言う迄もなく、墨絵や版画に至るまでを余す所なく掲載しているので、若冲の様々な側面を知る事が出来るであろう。
尤も、そうは言っても、やはり一番目を引くのは多種多様に描き分けられた動物や植物であろうか。
若冲は、売られている雀を可哀相に思って買い取り、逃がしてやった…という逸話が残る程の動物好きである。
そして、本書を眺めていると、こうした彼の気持ちがそのまま作品に反映されているように思えるのだ。
例えば《秋塘群雀図》のように、突然変異の白い雀も仲間外れになる事無く、元気に群れに入り混じって飛来する姿、或いは《仔犬に箒図》の箒と闘う仔犬の余りにも真剣な目付き、更には、西福寺所蔵の《仙人掌群鶏図》のさりげなく雌鳥の背中に乗ったひよこの愛らしさには、思わず目尻が下がってしまう程である。
いや、それだけではない。
《向日葵雄鶏図》の背景に描かれている虫食いの葉っぱには、主役となる雄鶏の傍らで、自らの存在感を立派にアピールする芋虫すらいるのだ。
虫食いの葉は決して「美」とは言い難く、これを敢えて作品に描く若冲を「写実主義」と捉える向きもある。
然しながら、確かに若冲がリアリズムの絵師であり、同時に超絶技巧の絵師でもある事には間違いないものの、彼は単に「動植物の生態」を写し取っただけではなく、何よりも「生き物」に向ける眼差しの温かさがあったからこそ生まれた写実性であるように思うのだが、どうであろうか。
また、その一方で、本書では「決して現実ではあり得ない世界」を描写する若冲をも垣間見る事が出来る。
これはシュルレアリズムか?と見紛うような《蓮池遊魚図》の幻想世界、《老松鸚鵡図》の思い切りデフォルメされてデザイン化された松の枝、そして、点描やモザイクも顔負けの「枡目描き技法」…。
数え上げたら切りが無いが、とにかく本書はその全てを全体図、部分図、拡大図を駆使して見せてくれるのだ。
図版も極めて良質で、若冲の作品の特色でもある鮮明な色彩は勿論の事、墨の濃淡に至るまで実に良く再現されている。
コラムや解説、小論も解り易く、更には、巻末に辻惟雄氏と小林忠氏の対談も掲載しており、お二人が選ぶ「若冲ベスト3」作品も紹介しているので、誰しも興味深く読めるであろう。
本書を読むと、この若冲ブームは一過性で終わる事は無い事を確信する。
そして、今年は特に若冲生誕300年記念の企画展等も開催されるので、以前から若冲のファンだったという方も、最近俄かに好きになったという方も…先ずは本書を手に取って、その素晴らしさを堪能して頂きたいと思う。
勿論、これには先んじて若冲作品をコレクションしたジョー・プライス氏、或いは「奇想の画家」として若冲を紹介した辻惟雄氏等、火付け役や牽引者がいた事は確かだが、このブームの理由は決してそれだけでは無いだろう。
伊藤若冲には、現代の私達にも共感出来る何かがある…それを教えてくれるのが、この度「若冲生誕300年」を記念して出版された本書『若冲百図』なのだ。
さて、若冲と言えば何といっても動植物画が有名である。
本書は、これらの多彩な動植物図を中心に、仏画、静物画、山水風景画も加え、見所は満載だ。
更に、お馴染みの色鮮やかな彩色画は言う迄もなく、墨絵や版画に至るまでを余す所なく掲載しているので、若冲の様々な側面を知る事が出来るであろう。
尤も、そうは言っても、やはり一番目を引くのは多種多様に描き分けられた動物や植物であろうか。
若冲は、売られている雀を可哀相に思って買い取り、逃がしてやった…という逸話が残る程の動物好きである。
そして、本書を眺めていると、こうした彼の気持ちがそのまま作品に反映されているように思えるのだ。
例えば《秋塘群雀図》のように、突然変異の白い雀も仲間外れになる事無く、元気に群れに入り混じって飛来する姿、或いは《仔犬に箒図》の箒と闘う仔犬の余りにも真剣な目付き、更には、西福寺所蔵の《仙人掌群鶏図》のさりげなく雌鳥の背中に乗ったひよこの愛らしさには、思わず目尻が下がってしまう程である。
いや、それだけではない。
《向日葵雄鶏図》の背景に描かれている虫食いの葉っぱには、主役となる雄鶏の傍らで、自らの存在感を立派にアピールする芋虫すらいるのだ。
虫食いの葉は決して「美」とは言い難く、これを敢えて作品に描く若冲を「写実主義」と捉える向きもある。
然しながら、確かに若冲がリアリズムの絵師であり、同時に超絶技巧の絵師でもある事には間違いないものの、彼は単に「動植物の生態」を写し取っただけではなく、何よりも「生き物」に向ける眼差しの温かさがあったからこそ生まれた写実性であるように思うのだが、どうであろうか。
また、その一方で、本書では「決して現実ではあり得ない世界」を描写する若冲をも垣間見る事が出来る。
これはシュルレアリズムか?と見紛うような《蓮池遊魚図》の幻想世界、《老松鸚鵡図》の思い切りデフォルメされてデザイン化された松の枝、そして、点描やモザイクも顔負けの「枡目描き技法」…。
数え上げたら切りが無いが、とにかく本書はその全てを全体図、部分図、拡大図を駆使して見せてくれるのだ。
図版も極めて良質で、若冲の作品の特色でもある鮮明な色彩は勿論の事、墨の濃淡に至るまで実に良く再現されている。
コラムや解説、小論も解り易く、更には、巻末に辻惟雄氏と小林忠氏の対談も掲載しており、お二人が選ぶ「若冲ベスト3」作品も紹介しているので、誰しも興味深く読めるであろう。
本書を読むと、この若冲ブームは一過性で終わる事は無い事を確信する。
そして、今年は特に若冲生誕300年記念の企画展等も開催されるので、以前から若冲のファンだったという方も、最近俄かに好きになったという方も…先ずは本書を手に取って、その素晴らしさを堪能して頂きたいと思う。
2019年1月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とてもきれいに印刷されていて、満足しています。
別冊太陽は高価で質感が良いので、間違いないです。
別冊太陽は高価で質感が良いので、間違いないです。
2020年10月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
全く問題ありません。今後も価値のある価格設定の場合は買いますよ。その時はよろしくお願いします。
2015年4月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
生誕300年を来年に控え若冲への関心が高まっている。開催中のサントリー美術館の「若冲と蕪村」展は盛況であるし、雑誌4誌(太陽、Pen、芸術新潮、SIGHT ART)が若冲特集を競っている。その中でも本別冊は充実した編集内容で他を圧している。
「別冊太陽」の若冲特集と他3誌の若冲特集との違いは、他の3誌が「解説を読ませる」ことに重点を置いているのに対して、本誌は「図版を見せる」ことを中心に据えて編集していることである。この「図版を見せる」特徴は、過去に発行されたさまざまな雑誌のの若冲特集と比べても際立っている。「別冊太陽」では総170ページのうち7〜8割は図版で占められていて、文章は2〜3割に留まっている。一方、他誌の場合は若冲特集数十ページの中で文章と図版はおよそ半分半分なのである。しかも、「別冊太陽」では図版が大きく扱われている。たとえば、「動植綵絵」は30点を1点1ページで紹介したうえで、「群鶏図」など6点は部分拡大図を添えて若冲の技法を分かりやすく示す。おまけに上質の印刷により色彩と細部が忠実に再現されている。この図版の大きさと印刷の美しさは若冲の技法と魅力を理解するうえでとても重要なことである。
若冲の作品について7つの面からアプローチを試みている。1.動植綵絵と釈迦三尊像、2.初期作品、3.彩色画の世界、4.桝目画の動物、5.水墨画、6.拓版画と木版画、7.晩年の障壁画。それぞれの代表作を示し、解説することで若冲のもつスケールの大きさと多様性がおのずと理解できる構成である。緻密にして大胆、それでいて奔放な若冲の画風を眺めればある執筆者が彼を「日本のレオナルド・ダ・ビンチ」と評するのも納得がいく。この構成は、監修・解説に若冲研究者として名高い小林忠氏を起用した成果であろう。
巻末の辻惟雄氏と小林忠氏の師弟対談「若冲研究のこれまでとこれから」が面白く読めた。若冲再発見の数々のエピソード、たとえばジョー・プライス氏が京都御所の絵画の虫干しの知らせを受けてロスアンジェルスから24時間で京都に来て、動植綵絵の前で涙を流したこと、などが語られている。また、社会的、政治的な要素を加味して時代と人物を総合的に捉えていく必要を述べて、今後の若冲研究の方向を示しており興味深い。充実した内容から若冲を知るのはこの1冊と「伊藤若冲大全」を手元に置けばよいだろうと私は考えた。もっとも「大全」は高価格のため未入手なのであるが。
「別冊太陽」の若冲特集と他3誌の若冲特集との違いは、他の3誌が「解説を読ませる」ことに重点を置いているのに対して、本誌は「図版を見せる」ことを中心に据えて編集していることである。この「図版を見せる」特徴は、過去に発行されたさまざまな雑誌のの若冲特集と比べても際立っている。「別冊太陽」では総170ページのうち7〜8割は図版で占められていて、文章は2〜3割に留まっている。一方、他誌の場合は若冲特集数十ページの中で文章と図版はおよそ半分半分なのである。しかも、「別冊太陽」では図版が大きく扱われている。たとえば、「動植綵絵」は30点を1点1ページで紹介したうえで、「群鶏図」など6点は部分拡大図を添えて若冲の技法を分かりやすく示す。おまけに上質の印刷により色彩と細部が忠実に再現されている。この図版の大きさと印刷の美しさは若冲の技法と魅力を理解するうえでとても重要なことである。
若冲の作品について7つの面からアプローチを試みている。1.動植綵絵と釈迦三尊像、2.初期作品、3.彩色画の世界、4.桝目画の動物、5.水墨画、6.拓版画と木版画、7.晩年の障壁画。それぞれの代表作を示し、解説することで若冲のもつスケールの大きさと多様性がおのずと理解できる構成である。緻密にして大胆、それでいて奔放な若冲の画風を眺めればある執筆者が彼を「日本のレオナルド・ダ・ビンチ」と評するのも納得がいく。この構成は、監修・解説に若冲研究者として名高い小林忠氏を起用した成果であろう。
巻末の辻惟雄氏と小林忠氏の師弟対談「若冲研究のこれまでとこれから」が面白く読めた。若冲再発見の数々のエピソード、たとえばジョー・プライス氏が京都御所の絵画の虫干しの知らせを受けてロスアンジェルスから24時間で京都に来て、動植綵絵の前で涙を流したこと、などが語られている。また、社会的、政治的な要素を加味して時代と人物を総合的に捉えていく必要を述べて、今後の若冲研究の方向を示しており興味深い。充実した内容から若冲を知るのはこの1冊と「伊藤若冲大全」を手元に置けばよいだろうと私は考えた。もっとも「大全」は高価格のため未入手なのであるが。
2016年7月4日に日本でレビュー済み
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伊藤若冲初心者としては東京での展示会のパンフレット(これも大変お買い得でした)だけでは飽き足らず、もう少し詳しい解説本や作品に触れたいと思って購入。図版は大きく、印刷は美しく、若冲の作品の素晴らしさが堪能できます。
展覧会は若冲の実家近くの京都に移ってしまいましたが、今も身近に置いて時折読み返しています。
展覧会は若冲の実家近くの京都に移ってしまいましたが、今も身近に置いて時折読み返しています。
2020年6月1日に日本でレビュー済み
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良本です。手元にいつも置いときたい本です。絵も解説もしっかりしています。コスパも最高です。ただ、若冲の作品に対する考え方が私見と違うので、★4つです。