坂本龍馬の命日に想う!

今日(11/15)は、坂本龍馬が暗殺※された日。既に147年の年月が流れています。
※)とはいっても旧暦で慶応3年11月15日(1867年12月10日)となりますが、そこはご愛嬌としてください)

ご存じのように土佐の郷士に生まれ、脱藩後は日本で最初の株式会社のひとつ・亀山社中(海援隊)を設立。
薩長同盟の斡旋や大政奉還の成立に尽力したものの、その1ヶ月後に近江屋事件で暗殺、という波乱に満ちた生涯を送った人です。

龍馬がこれほどの業績を残したのには、実はグラバー(フリーメイソン)が裏で糸を引いていたとか、そうした日本の仲介役・手先を行っていたに過ぎないとか、徳川幕府瓦解のスケープゴートにされただけだとか諸説もありますが、今の時代にとってはそれも過去の話し。
一介の地方郷士に過ぎなかったひとりの青年が、
・貿易会社の走りとなるカンパニーを作り上げて、そこで事業を始めたがために、岩崎弥太郎を始めとした後に続く企業家の尖兵になっていることは確かなこと
・今であればイスラエルとパレスチナが実質的な和平合意をするに等しい薩長同盟の仲介・斡旋役を担ったことは紛れもない事実
・明治維新の激動と混乱の中で、多くの志士達と交わり、直接・間接的に大政奉還成立の一助となったことも確かな結果
を、たった31年の生涯の中で残したことは十二分に評価できることですし、直後に暗殺されたことによってそこにカリスマ性が加わり、以降の多くの人達の興味と羨望を惹き引け続けていることは確かなことです。

近年近隣諸国との緊張感が増す中、こうした結果を残せる交渉人、人を惹きつけ魅了することで物事を纏めていく仲介人の存在は、必要不可欠な時代になってきています。
老害とまではいいませんが、既得権益の固執や単に自分の名前を歴史に残したいとしか思えない利私利己主義な年齢層の高い人達が支配するこの国にあって、この国とため、とまではいかなくとも地域のため、自分の周囲の人達のために、志に向かって一意専心できる忘己利他主義な若者と、それを信じ、支え、正しい道へと導く指導者が、今の時代にこそ望まれているように感じます。
私もそんな一助になれればと考えながら、こうして想いを伝えている訳です。

過度な重みで沈み始めた舟から逃げ出すのは簡単ですが、余計な重荷をどう処理するのかを考え、それらに手を付けて最善の対処を施すことで、今後の航行に十分耐えうるだけの底力は、この日の本の国は持ち合わせているはずです。
何も考えず、行動もせずに老害となることはいとも容易いことですし、そうした戦後教育が今の時代を形作ってきた訳ですが、それは誇り高き日本人が本来持ち合わせてきた生き方とは大きく異なること。
こうした現状を変えるのは、ひとりひとりがその問題に気づき、考え、意見交換をし、今後どうするかを検討していくことから、始まるに違いありません。

歴史を見つめ直すことは、どう生きるかの手本を紐解く大事な所作。
古典を学び直すことは、人々が積み上げてきた知識・見識を知性と教養に変えていく重要なこと。
手本となるものは、今見えていないだけで、十分に用意されています。

来年には吉田松陰ブームも起きることですし、これを機にひとりでも多くの人達に、この日の本の在り方、日本人としての精神性を見つめ直す機会が得られればと、心から願ってなりません。
自分がどういう素質や能力を備えているのか、それによって何を成すべきなのかという天命を知り(知命)、それを知って己を尽くし実践・実行していく(立命)ことこそが、人として生きていく証になるに違いありません。
これに至る修養が、今私達に課せられた重要なこと。
大事を成さずとも、先達に倣って誇りを持って生きるカッコ良さを、今こそ認識し直す時代なのだと思います。

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